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信濃毎日 / 「NHK問題 任命責任が問われる 」

2014年02月15日 19時49分39秒 | Weblog
〔資料〕

「NHK問題 任命責任が問われる 」

   信濃毎日(02月14日(金))

☆ 記事URL:http://www.shinmai.co.jp/news/20140214/KT140213ETI090005000.php

 NHK経営委員の百田尚樹、長谷川三千子両氏の言動をめぐり、与野党の論戦が国会で続いている。

 この問題で問われているのは何だろう。一つはむろん、両氏の経営委員としての資質である。

 百田氏は東京都知事選で特定候補の応援に駆けつけ、他の候補を「人間のくず」とののしった。長谷川氏は、大手新聞社に乗り込み拳銃自殺した右翼活動家を称賛する追悼文を発表していた。

 両氏の言動は公共放送の経営陣にふさわしくない。進退問題が浮上しておかしくない局面だ。

 両氏の資質以上に厳しく問われなければならない問題がある。首相の任命責任である。

 経営委員は国会の承認を得た上で首相が任命する仕組みになっている。放送法は「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者」を選ぶよう定めている。

 首相は百田、長谷川両氏のどこを見て、経営委員にふさわしいと判断したのだろう。

 両氏は2012年秋の自民党総裁選で安倍首相を支援した。自分の“応援団”を公共放送の経営陣に送り込んだとしたら、公私混同と言われても仕方ない。

 国会でのやりとりを聞くと、首相が問題を正面から受け止めている様子はうかがえない。

 例えば先週の参院予算委だ。「人間のくず」発言について野党議員が首相の見解をただしたところ、首相は「(発言を)聞いていないから感想の述べようがない」と取り付く島もなかった。

 12日の衆院予算委では「ある夕刊紙は私のことを毎日のように『人間のくず』と報道しているが、私は別に気にしない」と冗談めかしてかわしている。答弁に誠意が感じられない。

 任命責任の重さを首相が分かっているのなら、いいかげんな答弁はできないはずだ。

 経営委員会は12日の定例会で、委員は服務準則にのっとって一定の節度をもって行動するよう申し合わせた。経営委が委員の言動に関する申し合わせをするのは異例のことである。

 NHKはここ数年、職員による制作費着服、インサイダー取引など問題が続き、視聴者が向ける目は厳しい。そんなところに持ち上がった今度の問題である。視聴者の批判が受信料不払いとなって表れないか心配になる。

 信頼がこれ以上傷つくのを防ぐには、両氏が自ら身を引くのも一つの方法だ。

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