のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

島田市のがれき試験焼却

2012年04月19日 04時00分36秒 | Weblog
がれきの広域処理は、

経済性を無視しないとできません。

阪神・淡路大震災や

中越地震のよるがれき処理には

1トン当たりのコストは、

約2万円でした。

経済はデフレ状態が続いてます。

ということは、

今回の東北大震災でも

コストは同様に考えてよいわけです。

しかし、実際は、

とても高い処理費用がかかります。

(ぼったくりなん?)

東京で、

処理費が3倍の6万円を要します。

地理的には

もっと離れた地域が名乗りを上げています。

がれきの総量は、

約2250万トンです。

1トン2万円で処理するとして、

2250万×2万=4500億円です。

5000億円用意しとけば、

500億円残金がある計算です。

普通に考えたら、

例年通りということで、

その値段で処理したいと思うはずです。

しかし、

日本の政府は、そうは考えません。

(倍の1兆円出したる!)

と気前のいいことを言うわけです。

しかも1兆円出して片付くのは、

がれき総量の2割弱程度(約400万トン)!

被災3県の復興が

進まないんは、

他府県ががれき処理を引き受けようとしないからだ、

という理屈は、

言うならば、

他府県を責めるために

案出されたのではないでしょうか。

がれき受け入れの誘いに、

早速、名乗りを上げたのは、

静岡県島田市の市長、桜井勝郎市長でした。

この人、実は、廃プラスチック処理業務を巡る住民訴訟で

敗訴した人です。

詳しい事情は、

「Mercury」という

ニュースサイトをご覧ください。

簡単に言えば、

特定の業者の利便を図り、

競争入札妨害の罪を犯したわけです。

立派な刑事犯です。

しかし、公訴時効のため

刑事責任が不問に付されました。

そこで、

行政の長としての責任を

住民から問われ、

敗訴したということです。

その、いわば悪党然とした人が

がれきを引き受けた途端、

英雄になりました。

しかし、この市長の経歴をみれば分かりますように、

がれき処理を引き受ける桜井資源は、

市長にとって出身企業でした。

結局、がれき処理は、

この関連で

利権そのものではないか、

それは可笑しい!

という批判が噴出しました。

しかし、他面、こんなデーターもあります。

86%の自治体が

受け入れ困難を表明しているということです

(3月4日付、共同通信社の調査)。

利権の側面はあっても旨みはなさそうですね。

NHKなどは、

市民の57%が受け入れ賛成と報道してました。

ただ、この受け入れの可否について

考慮されなければならないのは、

感情的なレベルで、

がれきの受け入れを歓迎するか否かではなく、

汚染がれきの安全な処理が可能か否か、

その技術的能力の冷静な客観的判断の問題でしょう。

被災地に心をどれだけ寄せているかという、

センチメンタル度ではないはずです。

この面でも、

「センチメンタルになるな」

と言いたがる石原都知事が

反対論を前にして

「黙れ」と喚くのは、

首尾一貫しないものがあります。

心を寄せるのが

そんなに大切だというのなら、

無償でがれきの処理を引き受けるべきです。

かかる費用は、

引き受ける自治体持ちです。

その条件で、住民を説得すべきでしょう。

そこまでして初めて

近隣の好と言えるでしょう。

僕が賛成できないのは、

偽善的なことを言いながら、

金儲けに走る人間がいるということ、

そしてその人間が

首長として地元住民を

平気で健康上の危険にさらしていることです。

しかも共犯的に

安全な範囲で処理できるよう

広域化処理に当たって

政府がきちんと汚染チェックをしてません。

汚染の基準作りも

棚に上げたままです。

政府は、

汚染は福島県に止まるという立場なんです。

処理を委託しようとしているのは

岩手県に宮城県のがれきだと、

したがって、汚染度は問題にならないというわけです。

そう判断したのは、

昨年6月でした。

しかし、その後、予定外のことが発生しました。

1ヶ月後の7月、

食品の暫定値を超えた

牛肉汚染が見つかったのです。

調査の結果、

露天に置いていた

数万ベクレル/Kgにも上る

稲わらを食べさせていたのが原因と分かりました。

放射性物質の思わぬ拡散の実態が露見し

慌てたのは政府です。

政府は、東大の児玉龍彦教授等とともに、

汚染されているのは、

特定のあるスポット、すなわち、点であるとの理解の下、

点の範囲で除染すればよく、

避難している人たちの帰還を許していました。

つらつら思うに、児玉教授ってね、悪党ですな。

国会で激高して

議員たちに

「あなたたちは、何をしてるんだ!!」

怒りの表情を見せました。

見るからに

ソフトな人です。

そのソフトな人が怒るんです。

目立ちますわね。

ネットで話題になり、

共感するという人が続出しました。

しかし、この人の発言内容を

つぶさに検討すれば、

分かることですが

甘い顔をした、悪魔にも譬うべきならず者です。

臭いものに蓋式の、

除染活動一本で

放射能汚染という深刻な事態に臨んでいる、そのことが

既にいかがわしいです。

多くの人に、早く気付いてもらいたいです。

さて、話を戻します。

除染をし、一時帰宅など推し進めている内、

国が想定している

範囲をはるかに超えた

汚染地域の広がりが

かえって際立ってしまいました。

また、両県の市町村の

焼却灰も高濃度汚染されている実態が

判明しました。

3月26日の院内交渉で

がれき処理の遅れの責任追及を

かわすためか

環境省は、

今までさんざがれき処理が遅滞し、

復興の妨げになっていると主張していたくせに、

「仮説置き場への移動は総じて完了し、がれき処理は、順調に進んでいる」

と表現を変えました。

もし、環境省のがれき処理のスピードにつき、

事実認識がこの通り、本心に基づき変わったのなら、

細野大臣は、

梯子を外された屋根の上の住人と同然です。

しかし、実態はというと、

何も変わってません。

阪神淡路大震災の際の瓦礫処理は、

1年で50%以上が終わってました。

東北大震災では、

1年経った今、依然として、

全体でまだ8・8%しか片付いていません。

なぜ、こんな風に差が出てきたのかと言えば、

放射能の影響でしょう。

素直にその事実を直視すべきと思われます。

いくら遅れたって構わないから、

被災地の住民の

被ばく量を最低限に抑えられるよう、

そこに目的を絞って

政策を立案して頂きたいです。

がれき処理に関して

いち早く名乗りを上げた島田市の

試験焼却を

「読売新聞」は、

3月16日、絶賛してます。

しかし、煙に含まれる

放射能汚染度が

計測器で計測できる値以下だったというに過ぎません。

ガス流量は

島田市の場合、

1時間当たり2万立方メートルと報告されています

(あおき やすし・文「亡国の日本列島」《週刊金曜日3/30刊所収》、

「青木泰のブログ」参照)。

それから考えると、

1日約40万ベクレルのセシウムが

環境中に排出されたことになるみたいです

(上掲雑誌、青木氏の分析)。

なお、がれき処理に関する

地元の気持ちに関しては、

テレビ朝日「そもそも総研」が

「ガレキは本当に広域処理しないといけないの?」と題して

報告してくれてます(2012年04月19日放送)。

また、がれきの種類と処理のやり方(焼却、埋め立て等)との

関連情報が得れますよ。

よければ、見られたらよいでしょう。

☆ モーニングバード「そもそも総研」

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