小林よしのり『脱原発論』取材記
小林よしのり著『脱原発論』には、
下記に転載した二つの
書評があります
(<資料―3>は、福一4号機の燃料プールの危険性に
触れたもので書評ではありませんが、おまけです。
これあることで、原発のどこが怖いの?
という問題に肉薄できます)。
漫画という媒体での表現手段には、
文章にはない
とっつきやすさと迫力があります。
一度、手に取って見るべきかも、
ですね。
なお、小林氏の
『脱原発論』
には、
原発(軍事)マフィアに
飼われているらしい
自称ジャーナリストなど、
知識人の
仮面をつけた輩が
強迫神経症的な
反発を示しております。
たとえば、これ。
【松尾一郎】福島第一原子力発電所作業員を経験して[桜H24/8/30]
自分の金儲けの事しか頭に無い、
原発(軍事)マフィアが
自己正当化のために、
最後に逃げ込む牙城が愛国主義、
民族主義なので、
右翼(保守派)を自認している小林氏が
脱原発を
唱えるのは
耐えれない脅威なのでしょう。
<資料―1>
「フクシマウォッチ:小林よしのりが「脱原発論」を書いたわけ」(リンク)
The Wall Street Journal (2012.10.1)
「まさか原発がそこまでの事故を起こすわけがない」と信じていた漫画家小林よしのりが、「考え直さなければ」と思ったのは3月11日の事故から何週間もたってからだった。
1953年生まれで『鉄腕アトム』を読んで育った世代。アトムの妹はウラン、兄はコバルト。原子力関連の言葉がちりばめられていた。何の抵抗感もなかった。
ところが、福島第1原子力発電所の事故では、ずっと炉心損傷を否定していた東電や政府が数カ月後に一転してメルトダウンを認めたり、米軍から北西への放射能拡散の情報を提供されていたのに住民を避難させていなかったことが明らかになったり、次から次へと政府と東電のうそやお粗末な対応が明るみに出るに至り、小林は誰も信じられなくなった。
石原慎太郎東京都知事や評論家の桜井よしこといった右よりの知識人のほとんどは、原発を手放してはいけないと主張している。1998年に出した「戦争論」が大ヒットして以来、世間に右翼の論客と認識されてきた小林が正面から原発に反対するのは不思議なことのような気もするが、原発が必要か否かをイデオロギーで判断すること自体が「愚劣極まりない」と小林は言う。
「わしの保守という概念は、基本はパトリオティズムです。パトリって故郷。故郷をなくしてしまうなんてことは、絶対あってはならないと思いますから、本来、保守の側が、こんなことが起こったら原発に反対すべきだと思うわけです」。
福島第1原発周辺は、放射能によって少なくとも当面は安心して住めなくなった。なかでも痛ましいのは飯舘村だ。原発立地自治体ではなく交付金はこれまで一切もらっていなかったにもかかわらず、風に乗って多くの放射性物質が運ばれてきて、道路も山林も草地も汚染されてしまった。ブランドとして育ててきた飯舘牛が復活する望みはほとんどない。
「尖閣諸島を何が何でもわが国土だと言うのなら、飯舘村が事実上、失われてしまったことになぜ痛恨の念を持たないのか」と小林は問う。
8月27日に出版された「脱原発論」は初版8万部。年々縮小している日本の出版界の現状を考えれば大きい数字だが、累計で100万部を超えている「戦争論」とは比べものにならない。脱原発は、商売上は完全に損だ。しかし小林は黙っていることができない。
ギャグ漫画「東大一直線」で1976年にデビューした小林は、90年代前半に政治ネタを頻繁に書くようになった。その流れで、元読者だった子どもたちを含む薬害エイズの被害者に声を掛けられ訴訟に関わった経緯を書いた「脱正義論」(1996年)は、社会運動を生まれて初めて体験した小林が、その汚点も含めて感じた全てをあまりにはっきりと書いてしまったために、本は売れたが人々は去っていった。
その後に出した「戦争論」はさらに売れて、ネオコン・ジュニアとも呼ぶべき世代を生んだ。しかし、小林は「沖縄論」(2005年)、「天皇論」(2009年)と、必ずしも伝統的な右翼にもろ手を挙げて歓迎してもらえるとはいえない主張を繰り出し、彼らも離れていった。「右も左もどんどんいなくなってアンチばかりができあがる。その中で、どんなにわしが変わっていってもリテラシーだけでついてきてくれる読者がいる。そうなると、彼らの期待にこたえなければ、という気持ちになる」と小林は言う。
しかし小林は、読者のためだけに脱原発を主張しているわけではない。日本のような、多数の活断層の上に乗っている地震国が、原発を持っていること自体がとんでもない間違いだと思うからだ。幸い、シェールガスを採掘する技術の進歩によって、世界的に天然ガスの可採埋蔵量は増えている。当面天然ガスを使いつつ、再生可能エネルギーを基幹エネルギーに育てる――それが正しい保守のエネルギー論だ、と小林は言う。
<資料―2>
「小林よしのり氏の『脱原発論』」(リンク)
菅直人前首相のブログ (2012.9.13)
小林よしのり氏の漫画、「脱原発論」を読んでいる。これまで、彼の主張の多くは、私と異なっていた。しかし、この「脱原発論」での主張は大半が同感できるものだ。特に今回の原発事故は多くの人が故郷を失う国家存亡の危機であり、今後そうした危機を招かないためには脱原発しかないという点では全く同じ意見だ。
今回の原発事故では、今も、16万人の人が故郷に住めなくなって、大変なご苦労をかけている。さらに事故が拡大していれば首都圏を含む東日本から3000万人の避難民が生まれていた。この現実を直視するところから今後の原発政策を決めなくてはならない。
経団連幹部や読売、産経は、「脱原発は非現実的」と主張する。つまり、今回の原発事故の現実を無視し、原発事故はもう二度と起こらないと考えることが「現実的」と言っている。誰がそのことに責任を負えるのか。子供や孫の世代に責任を負えるのかを聞いてみたい。
<資料―3>
ガンダーセン
「原発 冷却不能核燃料プールのガスで18万6千人死亡も」(リンク)
ビデオ投稿者概説 (2012/03/28 )
最も危険なのは最初の時点から常に4号機でした。
使用済み核燃料の冷却プールが沸騰したら、あるいは再び大きな規模の地震が起きて、もしプールにひびが入れば、燃料を冷却することが全くできなくなってしまいます。
アメリカの国立火山研究所の調査によると、マーク1型の原子炉の核燃料が冷却できないと、燃料プールから放出したガスによって、18万6千人が死に至るとの結果が示されています。
*参照:福島原発事故:核燃料プール倒壊火災で18.7万人死亡想定:米国立研究所 10/30,2012
https://www.youtube.com/watch?v=uB7w7EftEu0
事故が発生した時、アメリカ政府は在留アメリカ人に対して、50マイルすなわち80キロ圏内から退去するよう勧告しましたが、実はアメリカ人が最も恐れていたのは、
福島第一の1号機、2号機、3号機ではなく4号機なのです。
*参照:福島原発事故,80km圏外へ全員退避すべき! 黒い雨で家畜が被曝! 7/19, 2012
https://www.youtube.com/watch?v=xwS33z9UtSI
核燃料サイクルの環を完結させることは不可能です。
原発事業に下りる補助金の額を考えれば分かりますが、原発は安いどころか、今や最もお金が掛かるエネルギーなのです。
*参照:この40年間に、日本が石油輸入の代わりに原発を稼働させ節約してきた資金は、5000億USドル(42兆円)の事故処理コストのお蔭で、どぶに捨てられることになるでしょうね。3/11,2012
https://www.youtube.com/watch?v=njaiygmYzXY
私はスリーマイル島の事故では専門家として働きました。
その時、アメリカ政府は被害の実情を覆い隠そうとしました。
私はアメリカでの経験から政府というものが、情報を隠蔽するために何をするかがよく分かっています。福島の皆さんには政府とは異なる立場の専門家達がいることを是非知って欲しい。
小林よしのり著『脱原発論』には、
下記に転載した二つの
書評があります
(<資料―3>は、福一4号機の燃料プールの危険性に
触れたもので書評ではありませんが、おまけです。
これあることで、原発のどこが怖いの?
という問題に肉薄できます)。
漫画という媒体での表現手段には、
文章にはない
とっつきやすさと迫力があります。
一度、手に取って見るべきかも、
ですね。
なお、小林氏の
『脱原発論』
には、
原発(軍事)マフィアに
飼われているらしい
自称ジャーナリストなど、
知識人の
仮面をつけた輩が
強迫神経症的な
反発を示しております。
たとえば、これ。
【松尾一郎】福島第一原子力発電所作業員を経験して[桜H24/8/30]
自分の金儲けの事しか頭に無い、
原発(軍事)マフィアが
自己正当化のために、
最後に逃げ込む牙城が愛国主義、
民族主義なので、
右翼(保守派)を自認している小林氏が
脱原発を
唱えるのは
耐えれない脅威なのでしょう。
<資料―1>
「フクシマウォッチ:小林よしのりが「脱原発論」を書いたわけ」(リンク)
The Wall Street Journal (2012.10.1)
「まさか原発がそこまでの事故を起こすわけがない」と信じていた漫画家小林よしのりが、「考え直さなければ」と思ったのは3月11日の事故から何週間もたってからだった。
1953年生まれで『鉄腕アトム』を読んで育った世代。アトムの妹はウラン、兄はコバルト。原子力関連の言葉がちりばめられていた。何の抵抗感もなかった。
ところが、福島第1原子力発電所の事故では、ずっと炉心損傷を否定していた東電や政府が数カ月後に一転してメルトダウンを認めたり、米軍から北西への放射能拡散の情報を提供されていたのに住民を避難させていなかったことが明らかになったり、次から次へと政府と東電のうそやお粗末な対応が明るみに出るに至り、小林は誰も信じられなくなった。
石原慎太郎東京都知事や評論家の桜井よしこといった右よりの知識人のほとんどは、原発を手放してはいけないと主張している。1998年に出した「戦争論」が大ヒットして以来、世間に右翼の論客と認識されてきた小林が正面から原発に反対するのは不思議なことのような気もするが、原発が必要か否かをイデオロギーで判断すること自体が「愚劣極まりない」と小林は言う。
「わしの保守という概念は、基本はパトリオティズムです。パトリって故郷。故郷をなくしてしまうなんてことは、絶対あってはならないと思いますから、本来、保守の側が、こんなことが起こったら原発に反対すべきだと思うわけです」。
福島第1原発周辺は、放射能によって少なくとも当面は安心して住めなくなった。なかでも痛ましいのは飯舘村だ。原発立地自治体ではなく交付金はこれまで一切もらっていなかったにもかかわらず、風に乗って多くの放射性物質が運ばれてきて、道路も山林も草地も汚染されてしまった。ブランドとして育ててきた飯舘牛が復活する望みはほとんどない。
「尖閣諸島を何が何でもわが国土だと言うのなら、飯舘村が事実上、失われてしまったことになぜ痛恨の念を持たないのか」と小林は問う。
8月27日に出版された「脱原発論」は初版8万部。年々縮小している日本の出版界の現状を考えれば大きい数字だが、累計で100万部を超えている「戦争論」とは比べものにならない。脱原発は、商売上は完全に損だ。しかし小林は黙っていることができない。
ギャグ漫画「東大一直線」で1976年にデビューした小林は、90年代前半に政治ネタを頻繁に書くようになった。その流れで、元読者だった子どもたちを含む薬害エイズの被害者に声を掛けられ訴訟に関わった経緯を書いた「脱正義論」(1996年)は、社会運動を生まれて初めて体験した小林が、その汚点も含めて感じた全てをあまりにはっきりと書いてしまったために、本は売れたが人々は去っていった。
その後に出した「戦争論」はさらに売れて、ネオコン・ジュニアとも呼ぶべき世代を生んだ。しかし、小林は「沖縄論」(2005年)、「天皇論」(2009年)と、必ずしも伝統的な右翼にもろ手を挙げて歓迎してもらえるとはいえない主張を繰り出し、彼らも離れていった。「右も左もどんどんいなくなってアンチばかりができあがる。その中で、どんなにわしが変わっていってもリテラシーだけでついてきてくれる読者がいる。そうなると、彼らの期待にこたえなければ、という気持ちになる」と小林は言う。
しかし小林は、読者のためだけに脱原発を主張しているわけではない。日本のような、多数の活断層の上に乗っている地震国が、原発を持っていること自体がとんでもない間違いだと思うからだ。幸い、シェールガスを採掘する技術の進歩によって、世界的に天然ガスの可採埋蔵量は増えている。当面天然ガスを使いつつ、再生可能エネルギーを基幹エネルギーに育てる――それが正しい保守のエネルギー論だ、と小林は言う。
<資料―2>
「小林よしのり氏の『脱原発論』」(リンク)
菅直人前首相のブログ (2012.9.13)
小林よしのり氏の漫画、「脱原発論」を読んでいる。これまで、彼の主張の多くは、私と異なっていた。しかし、この「脱原発論」での主張は大半が同感できるものだ。特に今回の原発事故は多くの人が故郷を失う国家存亡の危機であり、今後そうした危機を招かないためには脱原発しかないという点では全く同じ意見だ。
今回の原発事故では、今も、16万人の人が故郷に住めなくなって、大変なご苦労をかけている。さらに事故が拡大していれば首都圏を含む東日本から3000万人の避難民が生まれていた。この現実を直視するところから今後の原発政策を決めなくてはならない。
経団連幹部や読売、産経は、「脱原発は非現実的」と主張する。つまり、今回の原発事故の現実を無視し、原発事故はもう二度と起こらないと考えることが「現実的」と言っている。誰がそのことに責任を負えるのか。子供や孫の世代に責任を負えるのかを聞いてみたい。
<資料―3>
ガンダーセン
「原発 冷却不能核燃料プールのガスで18万6千人死亡も」(リンク)
ビデオ投稿者概説 (2012/03/28 )
最も危険なのは最初の時点から常に4号機でした。
使用済み核燃料の冷却プールが沸騰したら、あるいは再び大きな規模の地震が起きて、もしプールにひびが入れば、燃料を冷却することが全くできなくなってしまいます。
アメリカの国立火山研究所の調査によると、マーク1型の原子炉の核燃料が冷却できないと、燃料プールから放出したガスによって、18万6千人が死に至るとの結果が示されています。
*参照:福島原発事故:核燃料プール倒壊火災で18.7万人死亡想定:米国立研究所 10/30,2012
https://www.youtube.com/watch?v=uB7w7EftEu0
事故が発生した時、アメリカ政府は在留アメリカ人に対して、50マイルすなわち80キロ圏内から退去するよう勧告しましたが、実はアメリカ人が最も恐れていたのは、
福島第一の1号機、2号機、3号機ではなく4号機なのです。
*参照:福島原発事故,80km圏外へ全員退避すべき! 黒い雨で家畜が被曝! 7/19, 2012
https://www.youtube.com/watch?v=xwS33z9UtSI
核燃料サイクルの環を完結させることは不可能です。
原発事業に下りる補助金の額を考えれば分かりますが、原発は安いどころか、今や最もお金が掛かるエネルギーなのです。
*参照:この40年間に、日本が石油輸入の代わりに原発を稼働させ節約してきた資金は、5000億USドル(42兆円)の事故処理コストのお蔭で、どぶに捨てられることになるでしょうね。3/11,2012
https://www.youtube.com/watch?v=njaiygmYzXY
私はスリーマイル島の事故では専門家として働きました。
その時、アメリカ政府は被害の実情を覆い隠そうとしました。
私はアメリカでの経験から政府というものが、情報を隠蔽するために何をするかがよく分かっています。福島の皆さんには政府とは異なる立場の専門家達がいることを是非知って欲しい。
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