民主党・岡田代表は、
15日、BS朝日番組の収録において
「共産党が候補を出せば自民党を利する。野党が複数立てるのは愚策だ」
と述べたらしい
(「週刊朝日」2・5増大号コラム「しがみつく女」所収、室井佑月さん・文『利するだけ、という牽制』」、下記〔資料〕参照)。
かつての「第3極」を思い出した。
このときは、
民主党を含め、左翼アレルギーをバネとして、
躍進する
という目論見に見えた。
で、結果は、どうなったか。
第3極の中心にいた
次世代の党が
凹み、
己の計算違いを「不正選挙」の
問題とすり替えていた。
今は、
党名変更までして
問題の所在を曖昧にしている。
また、
同じことがおきるのではないか。
国民は、
自民党翼賛体制を嫌っているんだ。
だからこその
野党連合じゃないか。
ここで、
共産党排除に動けば、
「反・自民」
の本気度が疑われる。
野党が
力を合わす条件として求められているのは、
「戦争法を廃止して、立憲主義を回復する」
ということだけじゃないか。
どうして
共産党も一緒に
という風に考えれないのだろうか。
決戦の構図は、
「自民 VS 民主」
じゃない。
「自民 VS 反・自民」だ。
共産党排除に動けば、
民主党が
「反・自民」の範疇から
脱落するだけの話だ。
肝心な点は、
「無党派層」である
国民の
支持がなけりゃ、到底、政権を担えないってことだ。
そして「無党派層」と呼ばれる人たちは、
民主党・岡田代表が考えるほど、
反共産主義で凝り固まっていないということだ。
そもそも、
民主党の凋落は、
自民党のそっくりさんだと判明したからだ。
信頼を取り戻そうとして、
自民党寄りを強調してどうするんだよ、
という話だぜ。
〔資料〕
「室井佑月『とにかく、民主党の岡田代表にはがっかりだ』」
週刊朝日 :2016年2月5日号掲載( 2016年1月29日(金)配信)
☆ 記事URL:http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20160129-2016012700048/1.htm
民主党の岡田克也代表が、共産党に夏の参院選での“自主的降板”を促した。野党としてまとまろうとしない岡田代表に作家の室井佑月氏は呆れる。
* * *
1月16日付の産経新聞によると、
「民主党の岡田克也代表は15日、夏の参院選1人区の協力に関する共産党との協議について『現時点では特にない』と述べ、自らは協議を呼び掛けない考えを示した」
そう都内で記者団に語ったらしい。ほんとかよ。
「岡田氏は15日、BS朝日番組の収録でも『共産党が候補を出せば自民党を利する。野党が複数立てるのは愚策だ』と“自主的降板”を迫った。その上で『(野党統一)候補が共産党の支持を受けた結果、票を減らす可能性もある』と言い切り、『共産アレルギー』を隠そうとさえしなかった」
とも書かれていた。証拠の残るテレビでもしゃべっているから、ほんとだわ。
自民党じゃなく、なぜ共産党と戦おうとしている?「共産党が候補を出せば自民党を利する」って、それってあっち側がよく使ういいまわしじゃん。
イスラム国(IS)の人質事件の時、「今安倍政権を批判するのは、ISを利するだけ」とかさ。テロが怖いっていっただけで、「テロに怯えることはISを利するだけ」と、ある著名人にいわれたっけ。
安保法案に反対したときもそう。「そういう発言は、中国を利するだけ」だとか。
なんでそうなる? ISと戦う有志連合に積極的にかかわることも、集団的自衛権を行使可能にすることも、いいことだけじゃない、デメリットの話もないと変でしょう? つまり、判断材料をもっとくれといってる。
が、「……を利するだけ」という言葉に潰される。
とにかく、民主党の岡田代表にはがっかりだ。
戦争法を廃止する、立憲主義を回復する、その2点の共通した意思で、安倍政権を倒そうとする野党がまとまるのはそんなに難しいことなのか?
今後の選挙で、国民が示してほしいのは、そういったわかりやすい構図だ。
岡田さんは共産党と組むと、民主党支持者で共産党が嫌いな人が離れると思っているみたいだが、民主党支持者で共産党が嫌いな人は何%くらいいる? そして、共産党とは絶対に組めないといっている議員は何人いる? そもそも現在、民主党の支持率は、自民党の支持率と比較にならない。多数を占める無党派層から票を集めることを考えなきゃ、絶対に勝てないっつーの。
どうせなら、党内で公開討論会を開いてよ。戦争法廃止、立憲主義の回復、安倍政権打倒、多くの国民が望むそれらのことより、共産党が嫌いだからと瑣末なことをいっている議員の顔を見てみたい。
それはいち有権者として、選挙のときの判断材料になる。
あーあ、最大野党の党首である岡田さんがこんなんじゃ、恐ろしく強い安倍政権を倒すなんて、なんだか夜見る夢のような話の気がしてきたわ。そう感じ、振り上げた拳を下ろす人もいるんじゃないか。
※週刊朝日 2016年2月5日号
15日、BS朝日番組の収録において
「共産党が候補を出せば自民党を利する。野党が複数立てるのは愚策だ」
と述べたらしい
(「週刊朝日」2・5増大号コラム「しがみつく女」所収、室井佑月さん・文『利するだけ、という牽制』」、下記〔資料〕参照)。
かつての「第3極」を思い出した。
このときは、
民主党を含め、左翼アレルギーをバネとして、
躍進する
という目論見に見えた。
で、結果は、どうなったか。
第3極の中心にいた
次世代の党が
凹み、
己の計算違いを「不正選挙」の
問題とすり替えていた。
今は、
党名変更までして
問題の所在を曖昧にしている。
また、
同じことがおきるのではないか。
国民は、
自民党翼賛体制を嫌っているんだ。
だからこその
野党連合じゃないか。
ここで、
共産党排除に動けば、
「反・自民」
の本気度が疑われる。
野党が
力を合わす条件として求められているのは、
「戦争法を廃止して、立憲主義を回復する」
ということだけじゃないか。
どうして
共産党も一緒に
という風に考えれないのだろうか。
決戦の構図は、
「自民 VS 民主」
じゃない。
「自民 VS 反・自民」だ。
共産党排除に動けば、
民主党が
「反・自民」の範疇から
脱落するだけの話だ。
肝心な点は、
「無党派層」である
国民の
支持がなけりゃ、到底、政権を担えないってことだ。
そして「無党派層」と呼ばれる人たちは、
民主党・岡田代表が考えるほど、
反共産主義で凝り固まっていないということだ。
そもそも、
民主党の凋落は、
自民党のそっくりさんだと判明したからだ。
信頼を取り戻そうとして、
自民党寄りを強調してどうするんだよ、
という話だぜ。
〔資料〕
「室井佑月『とにかく、民主党の岡田代表にはがっかりだ』」
週刊朝日 :2016年2月5日号掲載( 2016年1月29日(金)配信)
☆ 記事URL:http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20160129-2016012700048/1.htm
民主党の岡田克也代表が、共産党に夏の参院選での“自主的降板”を促した。野党としてまとまろうとしない岡田代表に作家の室井佑月氏は呆れる。
* * *
1月16日付の産経新聞によると、
「民主党の岡田克也代表は15日、夏の参院選1人区の協力に関する共産党との協議について『現時点では特にない』と述べ、自らは協議を呼び掛けない考えを示した」
そう都内で記者団に語ったらしい。ほんとかよ。
「岡田氏は15日、BS朝日番組の収録でも『共産党が候補を出せば自民党を利する。野党が複数立てるのは愚策だ』と“自主的降板”を迫った。その上で『(野党統一)候補が共産党の支持を受けた結果、票を減らす可能性もある』と言い切り、『共産アレルギー』を隠そうとさえしなかった」
とも書かれていた。証拠の残るテレビでもしゃべっているから、ほんとだわ。
自民党じゃなく、なぜ共産党と戦おうとしている?「共産党が候補を出せば自民党を利する」って、それってあっち側がよく使ういいまわしじゃん。
イスラム国(IS)の人質事件の時、「今安倍政権を批判するのは、ISを利するだけ」とかさ。テロが怖いっていっただけで、「テロに怯えることはISを利するだけ」と、ある著名人にいわれたっけ。
安保法案に反対したときもそう。「そういう発言は、中国を利するだけ」だとか。
なんでそうなる? ISと戦う有志連合に積極的にかかわることも、集団的自衛権を行使可能にすることも、いいことだけじゃない、デメリットの話もないと変でしょう? つまり、判断材料をもっとくれといってる。
が、「……を利するだけ」という言葉に潰される。
とにかく、民主党の岡田代表にはがっかりだ。
戦争法を廃止する、立憲主義を回復する、その2点の共通した意思で、安倍政権を倒そうとする野党がまとまるのはそんなに難しいことなのか?
今後の選挙で、国民が示してほしいのは、そういったわかりやすい構図だ。
岡田さんは共産党と組むと、民主党支持者で共産党が嫌いな人が離れると思っているみたいだが、民主党支持者で共産党が嫌いな人は何%くらいいる? そして、共産党とは絶対に組めないといっている議員は何人いる? そもそも現在、民主党の支持率は、自民党の支持率と比較にならない。多数を占める無党派層から票を集めることを考えなきゃ、絶対に勝てないっつーの。
どうせなら、党内で公開討論会を開いてよ。戦争法廃止、立憲主義の回復、安倍政権打倒、多くの国民が望むそれらのことより、共産党が嫌いだからと瑣末なことをいっている議員の顔を見てみたい。
それはいち有権者として、選挙のときの判断材料になる。
あーあ、最大野党の党首である岡田さんがこんなんじゃ、恐ろしく強い安倍政権を倒すなんて、なんだか夜見る夢のような話の気がしてきたわ。そう感じ、振り上げた拳を下ろす人もいるんじゃないか。
※週刊朝日 2016年2月5日号
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