のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

アーニー・ガンダーセン博士 / 「福島の事故の原因は何か」

2012年10月12日 21時21分57秒 | Weblog
☆ リンク

上記サイトにある

動画は、

フェアウィンズ(Fairewinds)の

制作したものです。

福島事故をめぐって、

アーニー・ガンダーセン博士が

日本では触れられていない

分析とある提案を

述べられます。

「排出された核物質は、

チェルノブイリのほぼ10分の1だった」

という事故の規模を伝える

報道とともに

みんなの心に芽生えたのは

(大事故に至らなくてよかったね)

という気持ちだったでしょうか。

原子力村の人たちが

事故を軽く見積もるように

願って

そのような評価が

広がったのは確かでしょう。

野田首相の

「事故収束宣言」

もそのような期待に

拍車をかけました。

しかし、本当は、どうなのか――

気になるところです。

ガンダーセン博士は、

「福島の事故の原因は何か」

と問い、

日本人の多くが

多分、抱いているだろう

二つの誤解を

解いてくださいます。

一つは、

事故原因は

冷却水を汲み上げる

ポンプが

スクラップ状態

になっていることを示され、

津波によって、

非常発電用のディーゼルが

故障したことをもって、

今回の原発事故を

説明しようとする立場を否定されます。

そしてもう一つは、

事故に関連して

とても大きな幸運に恵まれていた点を

あげられます。

労働力の問題です。

事故が後、

12時間ずれたら

10分の1のスタッフで

対応に

当たらねばならなかった、

きちんと今以上の

大事故にならないように

臨機応変に

対処しえたか否か

と言うと、

おそらく不可能だったでしょう――

というのが

博士の見方です。

結論として、

次のことを提案されます。

今、現在、

原子力の過酷事故は、

7段階に区別されています。

それを

8段階とし、

今回の福島事故をもって、

史上、初めての

レベル8と認めようというものです。

日本人の

現在の能天気な対応を見てると、

危機意識をもっと

持たないと危ないよ、

という親心から出た提案なのかもしれません。

下に、

きくちゆみ氏が

ビデオの内容を

書き起こして下さっているので、

資料として

転載させていただきます。


「Fukushima loss of ultimate heat sink LoUHS 」

もし私が「福島の事故の原因は何か」とたずねたら、きっとあなたは、想定外の巨大な津波が原発を襲い、ディーゼル発電機を水浸しにしたためだ、と答えるでしょう。しかし、それは間違いかもしれません。

Associated Material
Fairewinds Japanese Speaking Tour: Fall 2012
posted: August 30, 2012
Team H2O Project Report
Video transcript

もし私が「福島の事故の原因は何か」とたずねたら、きっとあなたは、想定外の巨大な津波が原発を襲い、ディーゼル発電機を水浸しにしたためだ、と答えるでしょう。 では、もし私が、ディーゼル発電機を高いところに動かしたら、この事故は防げたでしょうか、と聞いたら? そこでもあなたはきっと「そのとおり、それで問題は解決するだろう」と答えるでしょう。 しかし、それは間違いかもしれません。 私はフェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。今日私は、福島第一原発事故の本当の原因についてお話ししたいと思います。 そして、福島第一だけではなく、他の3つの原子力発電所にある10の原子炉も、事故寸前だったことについて。

3月11日にマグニチュード9の大地震が日本から160キロ沖の太平洋で起こり、衝撃波が日本列島を襲いました。 日本列島の原発は素早く停止しましたが、あの地震に原発が耐えることができたかどうかについては、決定的な証拠はありません。 しかし45分後には、巨大な津波が日本列島を襲い、これらの原発を壊滅させました。 これは福島第一原発だけではありません。 津波は福島第一、福島第二、女川、東海原発を襲いました。 全ての原発は同じ津波によってダメージを受けました。

事故から1週間後、私はCNNに出演し、ジョン・キングに言いました。「福島第一原発をノックアウトしたのは地震でもなく、ディーゼルを全滅させた津波でもありません」と。 私たちは、海沿いのポンプの損傷を映したサテライトビデオを取り上げました。 ご覧いただいているように、めちゃめちゃになっています。 これらのポンプは比較的頑丈にできていました。 地震や自然災害に堪えられるようにデザインされていました。 しかしご覧の通り、沿岸部はまるで金属スクラップ置き場のようです。

あなたの車には、エンジンの前にウォータポンプがあるのをご存知ですね。 ウォータポンプが壊れたら、エンジンは故障します。つまり、福島第一原発で起きたのは、まさにそれです。これらのポンプは、あなたの車のエンジンの前のウォータポンプにように、ディーゼル発電機の冷却水を供給していたのです。 これらのポンプが動かなければ、ディーゼルはいずれにせよダメになる運命にありました。 ディーゼル発電機が海抜30メートルだったとしても関係ありません。 沿岸部のポンプが壊れたのです。 それこそが福島第一原発事故の根本原因です。

これを「究極的なヒートシンク喪失」と私たちは呼びます。 ここでのキーワードは「究極的」です。原発を冷却するためには、海水を引き込む必要があるのです。しかしその同じ水を使って、ディーゼル発電機を冷却しなくてはなりません。だからディーゼルは水浸しにならずとも、動かなかったはずです。 このヒートシンク消失の問題は福島第一原発の1〜4号機だけに起きたのではありません。福島第一の6基の全原子炉、さらに福島第二、女川、東海原発でも起きていたのです。これらの原発には、全部で14基の原子炉があります。そこには37のディーゼル発電機がありました。 そのうちの9機が津波で動かなくなりました。

これらのディーゼルは、福島第一の1〜4号機のものです。しかし15の他のディーゼル発電機も動かなくなっていたのです。主要メディアも原子力産業界もそのことについては語っていません。それらのディーゼル発電機は水浸しになりませんでした。実際に起きたことは、福島第一原発の1〜4号機だけではなく、すべての原発でこの沿岸のポンプが壊れて、少なくとも一つのディーゼル発電機の冷却ができなくなり、壊れたのです。

2011年12月21日に、チームH2Oプロジェクトが書いた報告書で「福島第一原発事故から学ぶ教訓は何か」が議論されました。250ページにも渡る報告書で、ウェッブサイトもあります。しかし私にとって鍵を握るページは、108ページです。とても複雑なグラフが書かれていますが、説明しましょう。ピンクのグラフは、洪水によって破壊されたディーゼル発電機を示しています。ご覧の通り、福島第一原発のディーゼルは洪水で破壊されています。しかし福島第二のディーゼルも洪水で破壊されています。さらに重要なのは、他の15のオレンジで示されているグラフです。 これは15のディーゼル発電機が洪水ではなく、冷却システムが壊れたために動かなかったことを示しています。ですから9の発電機は洪水で壊れましたが、それらはポンプがこわれたのでいずれにせよ作動しなかったでしょう。それに加えて15の発電機は、冷却ができなくなったために壊れたのです。福島第一、福島第二、女川、東海の4カ所の原子力発電所には37のディーゼル発電機がありました。24は津波で全滅しました。

ここで重要な教訓があります。それはディーゼルをどこに設置しようと関係ない、ということです。冷却ポンプは水がある場所、つまり水辺に設置するしかありません。原子力産業界はそのことを語りません。 彼らが言っているのは、ディーゼルを高いところに動かすとか、より頑強にするとか、洪水から防ぐ、ということだけです。しかし実際、ここで解決しなければならない重要な鍵は、水辺にあるポンプをどうやって守るか、ということなのです。

そして、メディアも原子力産業界も触れたくないもう一つの重要なことがあります。この事故が起きたとき、誰もがすでに現場にいました。福島第一では千人が、福島第二でももう千人が働いていました。もしこの地震と津波が12間後に起きていたら、福島第一には100人、10キロ離れた第二にも100にしかいなかったでしょう。道路も地震や津波で壊されているので、人々は働きにいこうとしてもいかれなかったでしょう。 この千人のヘラクレスのようなヒーローの作業員のたちの努力によって、世界は今経験している以上のさらに深刻な状況から救われたのです。もし事故が夜に起きたと想像してみてください。おそらく10の原子炉がメルトダウンを起こし、女川と東海でも問題が起きていたでしょう。

福島第一原発事故に言及する時、3つの原子炉が爆発し、一つの使用済み燃料プールが壊れているので、一つの事故ではなく複数の事故と呼ぶべきだと思います。さらには、事故は福島第一だけではないのです。福島第二も何日間も危険な状態でした。女川も一日以上、トラブルがありました。そして東海でもトラブルがあったのです。つまり3月11日には14の原発が危険な状態だったのです。しかし世界は福島第一原発にしか焦点をあてませんでした。

ペンシルベニア州のある市民科学者が、一基以上の原発で事故があった場合は、事故の国際レベルをもう一つ増やすべきだ、という素晴らしい提案をしていますが、私も同感です。みなさんもご存知でしょうが、福島第一とチェルノブイリは起こりうる最悪の事故と考えられるレベル7です。この国際評定にレベル8を加えるのは、放出された放射能の量のことは関係ありません。私は福島第一はチェルノブイリより多くの放射性物質を放出したと思います。しかし、もしほぼ同量だったとしても、そこが重要なのではありません。重要なことは、事故が複数の原子炉で起きたこと、そして複数の原子力発電所に影響を与えた、ということです。

ポーツラインしが推奨しているのは、私も彼に同意見ですが、我々は国際事故評定にもう一ランクを加えるべきだ、ということです。

レベル8が必要です。

これは放出された放射能の量は関係ありません。複数の原発で、あるいは複数の原子炉がかかわったとき、事故は私たちが体験したものよりはるかに過酷になりうるからです。 すでに言いましたが、実際、もしこの事故が12時間ずれていたら、日本の終わりを意味していたでしょう。たまたま2千人の人が現場にいて働いていたために複数の原子炉を危機的な状況から救うことができたのです。

今日、ここから学ぶ教訓が二つあります。まず一つ目は、原子力産業界はポンプの位置を変えるか、またはポンプを洪水にあっても作動する水中ポンプに変えるべきです。 二つ目は、IAEA(国際原子力機関)はレベル7を越える事故が存在することを認め、レベル8を創り、そのときは国際協力が不可欠であることを認める必要があります。

もし国際社会がレベル8という評定をもってさえいれば、それは単独ではなく複数の原発が危険であると認識できたでしょう。実際、4カ所の14の原子炉が危険だったのです。もし世界のコミュニティがもっと早く動いてさえいれば、世界は福島第一原発事故の影響を最小限にすることができたでしょうし、日本人への被曝も最小限にできたでしょう。

どうもありがとうございます。私はアーニー・ガンダーセンです。これからもみなさんに情報をお伝えし続けます。

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翻訳:きくちゆみ



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