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田中龍作ジャーナル / 「比例していない比例選挙」とは…

2013年07月31日 00時09分35秒 | Weblog
参考までに、

各政党の得票数と当選者数を、

掲げて置きます。

典拠:2013年比例代表区の結果・リンク

――

18,460,404 自民党 18

7,568,080 公明党 7

7,134,215 民主党 7

6,355,299 日本維新の会 6

5,154,055 共産党 5

4,755,160 みんなの党 4

1,255,235 社民党 1

943,836 生活の党 0

(以下 略)


■資料

「大政党ほど有利 『比例していない比例選挙』とは…」

   田中龍作ジャーナル(2013年7月29日 13:14)

☆ 記事URL:http://tanakaryusaku.jp/2013/07/0007625



参院選比例区に「緑の党」から出馬し、17万6,970票を獲得しながらも落選した三宅洋平候補。=写真:山田旬=

 1980年代初頭、参院選挙の全国区に『ドント式』による比例制度が導入されることが決まった時、世間の多くは首を傾げた。50代未満の方は、当時の政治的、社会的動揺を御存知ないだろう。

 ドント式とは各政党の得票を先ず1で割り、次に2で割り、3で割り、4、5、6、7…で割っていき商の多い順に当選議席を割り振って行く方法だ。大政党に有利になる仕掛けである。

 当然小政党は異議を唱えた。政治権力に最も近いNHKでさえニュース解説で「ドント式は大政党ほど有利となり小政党には不利となる…」として問題が残る制度であることを説いていた。「ええっ!? NHKがお上の決めたことに異論を唱えていいの?」筆者は驚いた。

 銭湯の女将さん、一膳飯屋のオヤジ…極端に言えば町の行く先々で「なぜ大政党ほど有利になるのか?」と聞かれた。

 筆者は上述したドント式のシステムを図示しながら説明した。彼らの怪訝そうな顔が今でもまぶたに残っている。「なんでこんなことするんやろ?」顔にそう書いてあった。50代以上の記者であれば身をもって体験しているはずだ。



自民党から出馬した渡辺美樹候補は10万4,176票で当選した。=写真:山田旬=

 今回の参院選挙を見てみよう。比例区で18人が当選した自民党は、総得票数を当選者の数で割ると1,025,578票。5人当選の共産党は1,030,811票。1人しか当選しなかった社民党は1,255,235票。

 自民党の場合102万票で1人を当選させることができるが、社民党は125万票を必要とする。大政党ほど有利となる証左だ。

 ドント式による比例選挙が「比例していない比例選挙」と言われるゆえんでもある。

 総務省選挙課にドント式を導入した経緯を聞くと「政党政治を推進するのが目的だった」という答えが返ってきた。

 当時、社会党(社民党の前身)が衆院に100議席以上を有しており、「自・社対決」などと持てはやされた頃でもあった。「自・公」なんて概念さえなかった政治状況だった。

 当時2大政党だった「自民党と社会党が、自分たちに有利になるような選挙制度を持ち込んだ」-『ドント式』導入をめぐって憶測が飛んだ。20代でまだ駆け出しの筆者は、真相を確かめることができないままだった。

 魅力ある候補者でも弱小政党から出ると勝ち目がない。逆に言えば、社会の批判を浴びている候補者でも大政党から出れば当選する。今回の参院選で自民党の総得票数の75%以上が政党名で投票しているのだ。緑の党は53%弱だ。

 有権者にとっては制度以前の問題として釈然としない。


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