のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

崩壊する日本の農業

2012年05月22日 23時48分42秒 | Weblog
西友は、

今年3月10日から

関東・静岡エリア149店舗で

中国産米の

販売を始めました。

従来、

日本政府は、

米の生産地を保護すべく

高率な関税をかけて

輸入米の流通を阻止してきました。

そして例外的に、

年間77万トンの

外国産米を

米国、中国、タイ、ベトナム、オーストラリアなどから

輸入してます。

MA(ミニマム・アクセス:最低限の輸入機会)米

と呼ばれているものです。

この米は、日本人が主食にしている

ジャポニカ種(短粒種)でなく、

中粒種、長粒種です。

輸入して後、加工品用途や

発展途上国向けの

援助米として使用されていました。

ただ、MA米の一部に

試験的にですが、

売買と同時に入札・落札され、

政府に最大292円/㎏までの金額で

輸入差益(マークアップ)が

支払われる――という形での輸入が

認められております。

SBS米と呼ばれ、

取引されるのは、

主食用として流通される米です。

平成23年度第3回(2011年12月9日実施)の

データーによると、

中国産うるち玄米短粒種は、

政府買入価格がトン当たり

16万2572円、

売渡価格が

21万6244円です。

差し引き計算して、

国の利益が

5万3672円です。

これが輸入差益と呼ばれるものです。

輸入資格業者は、

21万6244円で買い取りました。

キロ当たりで言うと、

約216円で手に入れたわけです。

さて、ここで問題です。

西友は、

この米を売り出したとして、

一体いくらで販売したでしょ?

値段表を見れば

分かります。

「週刊・金曜日」(4/6刊)

の垣田達也氏の記事、

「安いからと喜んでいいのか、

輸入米販売はTPPの前哨戦だ」

によると、

1㎏当たり260円です。

買値を考えると、

260-216=44

というわけで、

44円の儲けです。

この西友の挑戦、

関東の人に大いに喜ばれたと思います。

だって、

放射能の心配をせず

米が食べられるのですから・・・

しかし、

米って、日本人にとって主食です。

日本が外国産米の市場に

純化すれば、

食料危機のとき

どうするのかという問題があります。

TPP(環太平洋戦略経済連携協定)を結べば、

関税には直接、苦情を言わず、

SBS米の量の制約がなくなる方向で決着がつくでしょう。

もし、SBS米の枠組みを残そうとすれば、

非関税障壁として叩かれます。

対抗手段は、

輸入差益1本です。

これは、実質的に関税なんですけど、

貿易を活発化するため

その額を低く定めるよう

当然、政府に圧力がかかるはずです。

政府が

その要望に屈し、

輸入差益を取得することがなくなるほどに

安く日本の輸入資格業者が

米を買い入れることになります。

もし、輸入差益が0円になるとすれば、

上に紹介した、

平成23年度第3回の

データーを基にして考えると、

1㎏当たり160円で仕入れられます。

米国産米の値も

大体同じでしょう。

お米として、旨いのかまずいのか言うと、

多分、日本米と差はないです。

なんでかって言うと、

アメリカや中国などの諸外国の人が育てている

米の品種って、

大抵、日本人が

開発したんでしょ?

やっぱ、似てなきゃ可笑しいですよ。

それに米国産と言ったって、

名柄からしてすごいですよ。

「コシヒカリ」に「あきたこまち」です。

日本産に限りなく紛らわしいです。

現在、SBS米は、

年間10万トンです。

平成22年度の

国産米の生産量約855万トンからすれば、

1%強です。

しかし、TPPで

この制約が外れると、

日本の農業は

確実に崩壊するでしょうね。

圧力は、アメリカからとは決まってません。

中国からも

安い米が怒涛のごとくに

入り込んできます。

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