のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

アレクセイ・ヤブロコフ博士 / 「政府を信じてはいけない」

2013年06月27日 00時43分00秒 | Weblog
首相官邸ホームページには、

チェルノブイリ事故後の報告として、

次のような記述があります。

(1)「清掃作業に従事した方」( リクビダートル)は

24万人の被ばく線量は平均100ミリシーベルトで、健康被害はない、と。

しかし、チェルノブイリ事故の、

その後の追跡調査のデータは、

彼らの凄まじい

健康被害を示しています。

また、日本の官邸ホームページでは、

(2)「周辺住民」の

「健康には影響は認められない」とのこと。

「調査報告 チェルノブイリ被害の全貌」〔岩波書店刊〕の執筆者、

ヤブロコフ博士は、

どうしてそんなデタラメを書くのか

と憤られます

(週刊「金曜日」6・14号所収記事、

「チェルノブイリで起きたことは福島で起きる」参照)。

過小評価で有名な

国際原子力機関(IAEA)でさえ、

原発事故によって、

8、000人~9,000人が死亡したとみなしているそうです。

下の資料を見て頂ければ

分かりますが、

福島の事故では、

「該当者なし」という認定が

目立ちます。

本当にそうならいいのです。

しかし、事態は、

もっと深刻ではないでしょうか。

ヤブロコフ博士によると、

今後、15年から20年に及ぶ

時間の進行過程で

住民の全般的健康状態が

劇的に悪化する可能性があるそうです。

しかも、

老化が早まる等、

直面したくない健康上の問題が

7世代にわたって

続くでしょう、と。

官邸ホームページに

チェルノブイリの場合につき、

小児の甲状腺がんのみ

健康被害として掲げられています。

その関係でしょう。

福島県では、

18歳以下の甲状腺エコー検査しか実施してません。

博士は、

問題外だと言われます。

最低でも

血液と尿の検査をすべきこと、

訴えられます。

福島医科大学は、

甲状腺がんと診断された場合、

必ずと言っていいほど

「原発との因果関係はない」とコメントします。

個々人について、

発病の原因を特定するのは

究極的に不可能です。

後になってから、

どのようなものを体内に取り入れたか

特定しようがありません。

唯一確認できるのは、

地域制に基づく違いです。

チェルノブイリの経験として

私達の学ぶことは、何でしょう――。

博士は、

放射能を巡る状況で、

政府が「安全」と言っても

絶対に信ずるな、と語られます。

また、福島の原発事故は、

地球規模の

大惨事になっているという事実を

忘れるな、とも。


■資料

「チェルノブイリ事故との比較」

   東日本大震災への対応~首相官邸災害対策ページ~ 

平成23年4月15日


☆ 記事URL:http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.html

チェルノブイリ事故の健康に対する影響は、20年目にWHO, IAEAなど8つの国際機関と被害を受けた3共和国が合同で発表(注1)し、25年目の今年は国連科学委員会がまとめを発表(注2)した。これらの国際機関の発表と東電福島原発事故を比較する。

1.原発内で被ばくした方
*チェルノブイリでは、134名の急性放射線障害が確認され、3週間以内に28名が亡くなっている。その後現在までに19名が亡くなっているが、放射線被ばくとの関係は認められない。
*福島では、原発作業者に急性放射線障害はゼロ(注3)。

2.事故後、清掃作業に従事した方
*チェルノブイリでは、24万人の被ばく線量は平均100ミリシーベルトで、健康に影響はなかった。
*福島では、この部分はまだ該当者なし。

3.周辺住民
*チェルノブイリでは、高線量汚染地の27万人は50ミリシーベルト以上、低線量汚染地の500万人は10~20ミリシーベルトの被ばく線量と計算されているが、健康には影響は認められない。例外は小児の甲状腺がんで、汚染された牛乳を無制限に飲用した子供の中で6000人が手術を受け、現在までに15名が亡くなっている。福島の牛乳に関しては、暫定基準300(乳児は100)ベクレル/キログラムを守って、100ベクレル/キログラムを超える牛乳は流通していないので、問題ない。

*福島の周辺住民の現在の被ばく線量は、20ミリシーベルト以下になっているので、放射線の影響は起こらない。

一般論としてIAEAは、「レベル7の放射能漏出があると、広範囲で確率的影響(発がん)のリスクが高まり、確定的影響(身体的障害)も起こり得る」としているが、各論を具体的に検証してみると、上記の通りで福島とチェルノブイリの差異は明らかである。

長瀧 重信 長崎大学名誉教授
  (元(財)放射線影響研究所理事長、国際被ばく医療協会名誉会長)
   
佐々木 康人 (社)日本アイソトープ協会 常務理事
  (前(独) 放射線医学総合研究所 理事長、前国際放射線防護委員会(ICRP)主委員会委員)



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原典は以下の通り。
[注1]. Health effect of the Chernobyl accident : an overview Fact sheet303 April 2006 (2006年公表)
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs303/en/index.html


[注2]. United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation, SOURCES AND EFFECTS OF IONIZING RADIATION UNSCEAR 2008 Report: Sources, Report to the General Assembly Scientific Annexes VOLUMEⅡ Scientific Annex D HEALTH EFFECTS DUE TO RADIATION FROM THE CHERNOBYL ACCIDENT Ⅶ. GENERAL CONCLUSIONS (2008年原題/2011年公表) P64~
http://www.unscear.org/docs/reports/2008/11-80076_Report_2008_Annex_D.pdf


[注3]. (独)放射線医学総合研究所プレスリリース「3月24日に被ばくした作業員が経過観察で放医研を受診」2011.4.11
http://www.nirs.go.jp/data/pdf/110411.pdf






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