日本では「バスに乗り遅れるな」とばかりに
精神科の看板を出したがる医師が多いとのことです。
その理由として、
「うつ病の人間は気持ちが沈んでいるので、クレームを出さない」
というような暴言まで吐く医者があるとのことでした。
実際、心を病んでいるのが確かなのに、
「この重い心、何とかして欲しい」と、
うっかり口にしようものなら、
重いのは心でなく、頭だ(!)と医者に逆切れされそうです。
診療所を訪れる大部分の人が引きこもり状態なのを百も承知で、
それでなお、薬にクレームがつくのを避ける趣旨でしょうか、
処方箋を発行しない医者さえいるというから恐れ入ります。
日本には、精神科に専門医制度がありません。
その結果、
医師の国家試験にパスしてさえおれば、
知識や技量がなくとも開業できることになってます。
自殺者が3万人を超えるわが国では間違いなく儲かるビジネスです。
医者としての能力に自信がなく、
抱負もない。
しかし、金もうけには目のない商売人タイプが
大勢、精神科に殺到し、医師として開業しているということですかね。
笑えない現実です。
ところで、アメリカでの調査によると、
抗うつ薬は、65%の人には有効なようです。
誤診は、もちろん除いたデーターでしょう。
これを裏返して言えば、35%の人にとって、
うつの薬は、副作用の恐れだけあって、
その他には何の効用もない代物だということです。
日本うつ病学界のの理事長、野村総一郎医師は、
患者から
効果を疑問視する質問を受けたとき、
「文句ではなく、情報提供と受け取るべき。
そう思えないのは、治療観が間違っているからだ」
という厳しい指摘をされていました。
また、薬が効かないとなったら
どんどん薬を増量していくやり方は、
考え方として筋が通らないと、
誠にごもっともな話もなされておられました。
日本でなぜ、患者を薬漬けにする事態が横行するのかにつき、
NHKの番組(「Nスペシャル・うつ病治療新常識」)は、
「医師の裁量(実際は製薬会社の言いなり)」が
処方権として聖域化されている点を挙げていました。
その弊害を少しでも減らそうと、
厚労省では現在ガイドラインを検討中と言います。
結果は、平成23年度以降に出るとのことです。
しかし、遅すぎないでしょうか・・・。
気になります。
イギリスでは、2007年10月、
医者に抗うつ薬を処方させないため、
診療に訪れた患者を
心理療法センターに送らせる仕組みへと、医療制度を転換したようです。
ただ、日本で直ちに
同じことをしようとしても
困難な問題が控えております。
すなわち、日本のカウンセリングのあり方は、
ひたすら患者の話を聴くことに尽きるやり方が普通なのです。
要するに、カウンセリングでは上から目線などもってのほか、
という偏見がはびこっています。
これでは、患者の思い違いを質(ただ)してあげることができないわけです。
そこが大いに問題です。
うつの治療に当たっては、
「思い込み」の打破がカギになります。
打破のための道具は、質問です。
だから、質問を積極的に行わないとなりません。
日本では、まだ、このような質問を重ね、白を白、
黒を黒として理解させる作業を通じて
信頼関係を築いて行くような考え方が浸透していないのですね、
残念ながら。。。
京都新田辺診療所の村井医師は、
他職種(具体的には福祉職)の者の協力を得て
治療に当たっておられます。
成果はそれなりに上がっているとのことです。
ただ、それでも「つらい」とこぼしておられました。
何がつらいのかと言うと――
患者が金持ちでない場合、
幾らいい治療法と思っても、勧められないからだそうです。
日本では臨床心理士の資格は民間による認定ですし、
福祉職の人間がどんなに治療の下支えをしても、
健康保険の対象になりません。
コストを最大限に抑え、
それでも一回受診するのに6300円かかるとのことです。
それを患者が自腹で負担することになります。
ここがネックになるわけですね。
上に紹介した番組に、ゲストとして招かれていた羹尚中氏が
「うつ病の治療は、全て医者にお任せでいいのか」
という視点から、
絆を病んでいる現代社会において
社会全体でうつを治す考え方が大切だと言っておられました。
全くもって同感です。
さて、うつ病の薬は往々、依存性があるようです。
しかし、如何に薬に依存性があっても、
製薬会社は、それを隠ぺいしようとします。
販売を規制されたら困るからです。
医師はと言うと、このような製薬会社の体質に目をつむるだけでなく、
効能書き添付の「服用留意事項」を鵜呑みにし、
「いきなりの服薬中止は、危険だ」などとのたまいます。
その間、患者側からの薬を断ちたいという願いを、
かえって圧殺する場合も無きにしも非ずなようです(※)。
薬が全く無用と言ってるわけではありません。
有効な場合も、もちろんあるでしょう。
ただ、医師にとって、あくまで目安にすぎない効能書きを
絶対化できないし、また、すべきではないのです。
もし、製薬会社の言い訳ちんたらした説明を、
医師が金科玉条と仰ぎ、
それで結局、どうなるのかと言えば、
本来、すべき判断を医者が放棄したことになります。
これはつまり、「留意事項」を含め、効能書きが医者達の説明責任を放棄する
手頃な隠れ蓑になっていることを意味します。
「いきなりの投薬中止をしない」という「服用留意事項」は、
事件を起こす患者が世間から糾弾され、
その挙げ句に、非難が自分に、すなわち医者に及ぶのを恐れる余りなされる
防衛線(!)というわけですね。
恐らく「いきなりの投薬中止は危険」という見方は、真でしょう。
しかし、他方、「いきなりでなければ、薬からの脱却は不可能」というのも、真。
二つをつなぐキーワードは、「依存性」です。
この辺りの事情をどこまで医者が知悉しているか――が、
患者のその後を規定するでしょう。
ちなみに、上掲、野村医師は、
自分のところに来る患者に対して、
他の病院等で処方されていた何種類もの抗うつ薬を、
一種類の、しかも6分の1にまで減薬した微量の薬を除き、
すべて、断たせるそうです。
「いきなりですわ」
と、笑い飛ばされていたように記憶しています。
そうしないと、薬の効果を見極められないからだそうです。
恐らく、製薬会社の効能書き添付の「服用留意事項」を
意識した上での発言だったでしょう。
この先生の問題意識の高さは格別としても、
うつ病100万人時代と言われる今、
こういう番組をきっかけとして
みんながもっと真剣に心の病に取り組む素地が出来上がるのを祈るばかりです。
※なお、抗うつ薬の「服用留意事項」としては、
下のパキシルという薬についてのPDFに掲載している「使用上の注意」の
2項目に該る解説、「重要な基本的注意」を参照。
「いきなりの服薬中止は危険」という注意書きは、
アメリカでの銃乱射事件などを踏まえ、
厚労省からの要請で付け加えられたものです。
しかし、問題とされた事件は、日本で発生したものも含め、
いずれも服薬を中止した結果発生したものでなく、
中止した後の“再服用”により生じています。
ということは、意味のない再投薬・再服用をしない限り、
いきなりの服薬中止であったとしても、何の弊害も伴わないはずです。
要は、服薬中止の理由を患者の納得する形で
あらかじめ説明がなされ、患者の心に届いていたかどうかです。
ではないのでしょうか?
そもそも、薬を飲んだがために
人を平気で殺せるようになる副作用って怖いじゃないですか。
患者の方も、薬を飲んで出る、こういう「スーパーうつ」とも言うべき現象を
体験で承知されていることでしょう。
そして薬を飲まなくて、うつ。
しかし、飲んだところで、やっぱりうつ。。。しかもひどいうつ。。。
という状況から脱却できないでいる、
そうであるなら、患者本人も
薬と本来の病気とのややこしい混乱を避けるため、
薬を一旦、断ち切りたいと願うのは、当然の成り行きと言えるでしょう。
その自然な、当然の成り行きを
製薬会社や医者が寄ってたかって妨害しちゃいけません。
→パキシル
精神科の看板を出したがる医師が多いとのことです。
その理由として、
「うつ病の人間は気持ちが沈んでいるので、クレームを出さない」
というような暴言まで吐く医者があるとのことでした。
実際、心を病んでいるのが確かなのに、
「この重い心、何とかして欲しい」と、
うっかり口にしようものなら、
重いのは心でなく、頭だ(!)と医者に逆切れされそうです。
診療所を訪れる大部分の人が引きこもり状態なのを百も承知で、
それでなお、薬にクレームがつくのを避ける趣旨でしょうか、
処方箋を発行しない医者さえいるというから恐れ入ります。
日本には、精神科に専門医制度がありません。
その結果、
医師の国家試験にパスしてさえおれば、
知識や技量がなくとも開業できることになってます。
自殺者が3万人を超えるわが国では間違いなく儲かるビジネスです。
医者としての能力に自信がなく、
抱負もない。
しかし、金もうけには目のない商売人タイプが
大勢、精神科に殺到し、医師として開業しているということですかね。
笑えない現実です。
ところで、アメリカでの調査によると、
抗うつ薬は、65%の人には有効なようです。
誤診は、もちろん除いたデーターでしょう。
これを裏返して言えば、35%の人にとって、
うつの薬は、副作用の恐れだけあって、
その他には何の効用もない代物だということです。
日本うつ病学界のの理事長、野村総一郎医師は、
患者から
効果を疑問視する質問を受けたとき、
「文句ではなく、情報提供と受け取るべき。
そう思えないのは、治療観が間違っているからだ」
という厳しい指摘をされていました。
また、薬が効かないとなったら
どんどん薬を増量していくやり方は、
考え方として筋が通らないと、
誠にごもっともな話もなされておられました。
日本でなぜ、患者を薬漬けにする事態が横行するのかにつき、
NHKの番組(「Nスペシャル・うつ病治療新常識」)は、
「医師の裁量(実際は製薬会社の言いなり)」が
処方権として聖域化されている点を挙げていました。
その弊害を少しでも減らそうと、
厚労省では現在ガイドラインを検討中と言います。
結果は、平成23年度以降に出るとのことです。
しかし、遅すぎないでしょうか・・・。
気になります。
イギリスでは、2007年10月、
医者に抗うつ薬を処方させないため、
診療に訪れた患者を
心理療法センターに送らせる仕組みへと、医療制度を転換したようです。
ただ、日本で直ちに
同じことをしようとしても
困難な問題が控えております。
すなわち、日本のカウンセリングのあり方は、
ひたすら患者の話を聴くことに尽きるやり方が普通なのです。
要するに、カウンセリングでは上から目線などもってのほか、
という偏見がはびこっています。
これでは、患者の思い違いを質(ただ)してあげることができないわけです。
そこが大いに問題です。
うつの治療に当たっては、
「思い込み」の打破がカギになります。
打破のための道具は、質問です。
だから、質問を積極的に行わないとなりません。
日本では、まだ、このような質問を重ね、白を白、
黒を黒として理解させる作業を通じて
信頼関係を築いて行くような考え方が浸透していないのですね、
残念ながら。。。
京都新田辺診療所の村井医師は、
他職種(具体的には福祉職)の者の協力を得て
治療に当たっておられます。
成果はそれなりに上がっているとのことです。
ただ、それでも「つらい」とこぼしておられました。
何がつらいのかと言うと――
患者が金持ちでない場合、
幾らいい治療法と思っても、勧められないからだそうです。
日本では臨床心理士の資格は民間による認定ですし、
福祉職の人間がどんなに治療の下支えをしても、
健康保険の対象になりません。
コストを最大限に抑え、
それでも一回受診するのに6300円かかるとのことです。
それを患者が自腹で負担することになります。
ここがネックになるわけですね。
上に紹介した番組に、ゲストとして招かれていた羹尚中氏が
「うつ病の治療は、全て医者にお任せでいいのか」
という視点から、
絆を病んでいる現代社会において
社会全体でうつを治す考え方が大切だと言っておられました。
全くもって同感です。
さて、うつ病の薬は往々、依存性があるようです。
しかし、如何に薬に依存性があっても、
製薬会社は、それを隠ぺいしようとします。
販売を規制されたら困るからです。
医師はと言うと、このような製薬会社の体質に目をつむるだけでなく、
効能書き添付の「服用留意事項」を鵜呑みにし、
「いきなりの服薬中止は、危険だ」などとのたまいます。
その間、患者側からの薬を断ちたいという願いを、
かえって圧殺する場合も無きにしも非ずなようです(※)。
薬が全く無用と言ってるわけではありません。
有効な場合も、もちろんあるでしょう。
ただ、医師にとって、あくまで目安にすぎない効能書きを
絶対化できないし、また、すべきではないのです。
もし、製薬会社の言い訳ちんたらした説明を、
医師が金科玉条と仰ぎ、
それで結局、どうなるのかと言えば、
本来、すべき判断を医者が放棄したことになります。
これはつまり、「留意事項」を含め、効能書きが医者達の説明責任を放棄する
手頃な隠れ蓑になっていることを意味します。
「いきなりの投薬中止をしない」という「服用留意事項」は、
事件を起こす患者が世間から糾弾され、
その挙げ句に、非難が自分に、すなわち医者に及ぶのを恐れる余りなされる
防衛線(!)というわけですね。
恐らく「いきなりの投薬中止は危険」という見方は、真でしょう。
しかし、他方、「いきなりでなければ、薬からの脱却は不可能」というのも、真。
二つをつなぐキーワードは、「依存性」です。
この辺りの事情をどこまで医者が知悉しているか――が、
患者のその後を規定するでしょう。
ちなみに、上掲、野村医師は、
自分のところに来る患者に対して、
他の病院等で処方されていた何種類もの抗うつ薬を、
一種類の、しかも6分の1にまで減薬した微量の薬を除き、
すべて、断たせるそうです。
「いきなりですわ」
と、笑い飛ばされていたように記憶しています。
そうしないと、薬の効果を見極められないからだそうです。
恐らく、製薬会社の効能書き添付の「服用留意事項」を
意識した上での発言だったでしょう。
この先生の問題意識の高さは格別としても、
うつ病100万人時代と言われる今、
こういう番組をきっかけとして
みんながもっと真剣に心の病に取り組む素地が出来上がるのを祈るばかりです。
※なお、抗うつ薬の「服用留意事項」としては、
下のパキシルという薬についてのPDFに掲載している「使用上の注意」の
2項目に該る解説、「重要な基本的注意」を参照。
「いきなりの服薬中止は危険」という注意書きは、
アメリカでの銃乱射事件などを踏まえ、
厚労省からの要請で付け加えられたものです。
しかし、問題とされた事件は、日本で発生したものも含め、
いずれも服薬を中止した結果発生したものでなく、
中止した後の“再服用”により生じています。
ということは、意味のない再投薬・再服用をしない限り、
いきなりの服薬中止であったとしても、何の弊害も伴わないはずです。
要は、服薬中止の理由を患者の納得する形で
あらかじめ説明がなされ、患者の心に届いていたかどうかです。
ではないのでしょうか?
そもそも、薬を飲んだがために
人を平気で殺せるようになる副作用って怖いじゃないですか。
患者の方も、薬を飲んで出る、こういう「スーパーうつ」とも言うべき現象を
体験で承知されていることでしょう。
そして薬を飲まなくて、うつ。
しかし、飲んだところで、やっぱりうつ。。。しかもひどいうつ。。。
という状況から脱却できないでいる、
そうであるなら、患者本人も
薬と本来の病気とのややこしい混乱を避けるため、
薬を一旦、断ち切りたいと願うのは、当然の成り行きと言えるでしょう。
その自然な、当然の成り行きを
製薬会社や医者が寄ってたかって妨害しちゃいけません。
→パキシル
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