対人コミュニケーションのセミナーが終わった

2011-10-22 20:15:38 | 日記
  今日、「ナースのための対人コミュニケーション入門講座」を実施した。受講生は、ナースの他に、介護士の人が1人加わった。午後1時から4時まで、3時間の講座で、最初の2時間は授業、残りの1時間は、演習として、スキルの訓練と事例を用いてのグループワークと発表という手順で行った。

 説明の手順は、拙書の『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる理論と技術』に基づくのだが、特に、「聴く」の中で、話者の言語と非言語情報とコンテキストを照らし合わせて推論し、意図を聴き分けていく話には興味があったようである。ナースの聴き取りの力がその後の保健医療チームのケアに大きな差をもたらすという、重要な話である。

 傾聴のスキルの中で、「投げ返し」は難しかったようだ。これは、アメリカの心理学者のカールロジャーズがreflectionと名づけたスキルで、カウンセリングでは、相手への敬意と共感が表せる非常に有効なスキルだ。おうむ返しでは、クライアントは自分が理解されたとは感じることはできないが、適切な投げ返しは、自分が理解されていることを自覚して、さらに自分のことを開示することになる。ナースにとっては得られる情報の質と量の両方を増やせるとともに、クライアントとの治療的関係も強化できる。

 このスキルについては、受講生に自分のことを話してもらって私が投げ返しと質問を組合わせて面接するというモデリングをした。その受講生によると、投げ返してもらうことで、「徐々に自分の気持ちが落ち着いてくるのが分かった」と言っていた。貴重な感想だった。

 わたしの指導の様子をビデオにとっているので、編集後に送ってくれるとのこと。自分のことを見るのは、興味半分、怖さ半分。せっかく撮ってもらった貴重なビデオなので、よく見てみます。
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