そしてその動物たちは私たち人間にとってかけがえのない存在であるはずです。
動物の愛護及び管理に関する法律のことを私はヒト目線の法律と言っちゃっていますが、
人と動物の共生する社会をつくるのは、良くも悪くも人間だからという意味です。
したがって、動物の飼い主の責任はそれだけ重いものだと思います。
「動物愛護」は言葉だけ見ると「かわいがる」「かわいそうな動物を救う」こととみられがちですが、
でも一歩まちがえると、「こんな大変と思わなかった!」とか「もう私には扱いきれない!」とか
そういう気持ちが「かわいい」「いとしい」をどこかに追いやってしまうこともあると思います。
平成25年に改正された動物愛護管理基本指針には、
講ずべき施策として
・都道府県等の犬猫の引き取り数について平成35年度までに、平成16年度比75%減となるおおむね10万頭をめざす
・所有者への返還や、新たな飼い主への譲渡を進めて殺処分率の更なる減少をはかる
などがあげられています。
引き取り数を減らすことがまずは蛇口をしめる第一歩だとわたしも思います。
ではわんこの場合どうやって蛇口を閉めるか・・・。指針では、「ルールやマナーを守る」としかありません。
ここに適正なしつけ=社会に受け入れられるしつけということがあります。
そして、しつけとしては制止(待て)と呼び戻し(おいで)を覚えさせること。
性質をよく理解し、事故を起こさないように注意しなくてはならない。ということ。
これって、どうすればいいの?
私だって、これだけでは飼い主として何をすればいいのかわかりません。
わからない人がどうするかというと、しつけのプロと言われる人に指導してもらう流れになるでしょう。
そこで、どういう人に指導してもらうかということになると思いますが、
「吠える」「咬む」は飼い主にとって緊急を要する問題だと思います。
すると緊急を要するということは、即座に解決に持っていきたいと思うでしょう。
巷には、「即解決」をうたった道具やトレーナーがわんさか名乗りをあげています。
ヒトの社会に受け入れられるしつけが、動物虐待の隠れ蓑であってはいけません。
だから、人と動物の共生する社会とは、愛護だけではなく「動物福祉」「動物の権利」なしではなりたたないと思うのです。
実はそこには「その動物を理解し…」という部分がぬけているんじゃないでしょうか。
わんこには犬種による気質がありますよね。昔からどういう目的で進化してきたか、ということもあります。
わんこにとって健康上からくる不快感だってあるだろうし、、臆病だったり、いろんなものが怖い子だっていますよね。
そこも全部ひっくるめて理解しなければ解決は望めない。ということを気づかせてくれるトレーナーでなければならないはずです。
チャーリーママさんはもともと古典的条件づけを使って、罰も叱りも使わないという教育理念を持って
好子をシャワーのごとく対提示するトレーニングをされてきました。
これは「その状態を安心の場にする=リラックストレーニング」を中心としたトレーニングです。
そして、チャーリーママさんまた進化です。
「吠える」「咬む」などの行動の前段階のわんこの感情をボディランゲージから読み取ってその感情をなだめることで
問題と言われる「吠える」「咬む」などを消去することができる、というより行動自体発生させない…のです。
万一行動が出てしまっても大事になる前にとめることができるのです。
行動→報酬→強化というオペラント条件付けの考え方には感情というとらえ方はないというのが通説ですが、
感情(不快・怖いなど)を付加することでよりなぜこの行動をするのかがはっきりします。
この行動がどういう感情から出たものかがわかると「なだめる」ことで行動の発生をブロックすることができるわけです。
「なだめる」ことは、一般に言われる「消去バースト」を起こさずに済みます。
「なだめる」につかうのが古典的条件づけでたっぷりチャージングした「強化子」です。
結果、正の弱化(犬にとってメリットがないから行動が減る)と同じ現象が起こるのですが、
そこには嫌子(罰や叱り、愛情遮断)は全く必要ないのです。
この方法では犬が嫌だとか、意味不明な思いをする、痛い思いをするという副作用がありません。
動物福祉に則った方法です。こうでなければわんこにヒトの思いが伝わるはずがありません。
子犬は家に来てすぐから飼い主さん=大好きというトレーニングを始めるとよいですよね。
いままでそのようなトレーニングをしてこなかったり、まして有無を言わさずにしつけという名のもとに
辛い思いをしてきた子も、よいことと好きなもの、好きな人を対提示し続けることでいままでのいやなことが消え
うれしいことで満たされるようになるという研究結果が報告されたそうです。
ママさんの考え方が正しいということも立証されたことになりますよね。
こういうトレーニングは今日始めて、明日はもう完璧!というわけにはいきませんが、
でも確実に良い方向にいくことはまちがいありませんし、なによりわんこだけでなく、ヒトにもやさしい方法です。
トレーニングの時につらい気持ちでわんこと対することもないし、自身の手でわんこにつらいことをする必要もありません。
いつでもどこでも一生続けていける方法です。
ただし、飼い主が腰をすえて学ぼうという強い意志は必要です。
もう一度、わんこの行動の真意をわかってあげてほしいです。
わんこたちは、ヒトの上になって好き勝手をしようとなんて思っていません。
ただただ、大好きな飼い主さんに自分の気持ちをわかってほしいだけ…です
じゃ口をしめること、それは・・・
*所有者を明らかにする=迷子の返還率をあげる。
*むやみに数を増やしたり、繁殖させない=特に猫の多頭飼いの場合の繁殖制限を啓発する。
*安易に持ち込まない、ふんばる力を持った飼い主を育てる。
・・・と私は思っています。
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