今回は、チーム横浜ムサコ支部のれあファミリーが企画してくださいました。
チャーリーママさんと、てりままさんと私と5名で伺いました。
帰りに所長さんといっしょに記念撮影。
センターは、こじんまりとして市街地の中にありました。
1951年11月に「川崎市立犬抑留所」として開設されたのち、翌年に「川崎市飼い犬管理センター」完工
1997年に「川崎市動物愛護センター」と改称されたそうです。
こんな市街地になぜ?って思いましたが、すぐにまわりの住宅が後からできてきたのだなということがわかりました。
川崎市も政令指定都市として人口が多いところですから、老朽化が進むセンターも将来的には
土地を確保しなければならないという局面を迎えているそうです。
どこでもいいというわけにはいきません。
用地使用については業種・用途によっていろいろと制限があります。
(それをみていたら、動物病院もどこでもいいというわけではないということがわかってびっくりしました。)
保護センターは《畜舎》というくくりの中にあるので、今の場所はすでに市街地になっていて
同じところには作れないわけです。
だからといって辺鄙なところでは、皆さんに気軽に足を運んでもらえなくなってしまいます。
これからが正念場です!というお話でした。
所長さんたち、職員の方々は「開かれた保護センター」を実践しておられていて、
市立の幼稚園、保育園、小学校を対象に「動物愛護教室」を実施し、ふれあうだけでなく
犬の咬傷事故防止のためのお話などをされているそうです。
この子たちはふれあい動物。でも、負担が少ないよういろいろと気遣っていらっしゃるそうです。
また、愛護教室のあり方も「動物とふれあう」からもっと進めて生きた動物を使わず、「動物を理解する」方向に
変えていきたいとおっしゃっていました。
また、譲渡についても登録ボランティアさんの譲渡会に参加させていただいたりもあるそうです。
参考:
いのちの教育(奈良県公式HP)
愛護センターというと、「犬猫を捕まえて殺処分」する場所。
それはどこの動物愛護センターでも心を痛めているところだと思います。
愛護センターとはどういうところで、どんな仕事をしていて、どう取り組んでいるのか。
そのために、施設すべて包み隠さずすべてを見せてくださいました。
最初に、所長さんからセンターの概要、事業内容、取り組み、犬猫の収容、殺処分数、飼い主からの引き取り数
飼い主からの引き取り理由、犬の返還、譲渡率などのお話を伺いました。
通された部屋には、所狭しとサークルが置いてありました。
「動物が主体の施設ですから」とおっしゃっていましたが、
収容室は、人の気配はあまり感じられない場所に設置されています。
昔は数も多かったでしょうし、多ければそれだけ吠え声などがうるさかったんじゃないかと思いますが、
現在は10頭もいません。
わたしたちがお話を伺っている間も気にならないくらいでした。
この部屋の子たちもボランティアの方がお散歩してくれていましたから、やはりストレスはあまりなさそう。
それにどこも清潔で、動物のにおいは一切感じませんでした。
いつも感じることですが、所長さんのことばやおだやかな表情から心から動物たちを愛しているのだなぁということが
私たちに伝わってきます。
ここの所長さんはヘビが好きなのかなぁ、お話の途中でヘビのお話になった時そう感じました。
市街地で時々見られる青大将など毒のないヘビは、おどかしたりせずそこにいさせてあげてくださいって
おっしゃってましたもの。
手術室。無影灯の電気の球はいくつか切れているけれどもう新しいものも製造元になく手に入らないそうです。
処置室の壁にはられた収容動物たちの情報。フードの種類や分量、性格なども…。
収容室。奥のちょっと高くなったところは床暖房が入っているそうです。
処分器。よく見られるドリームボックスというものではありませんでした。
やむを得ない場合は、薬を投与した後でということでしたが、
現在は害獣(アライグマ)の処分に使用することが多いそうです。
となりには冷蔵庫があって、処分した動物を一時的に保管し、その後浮島にある処分場で火葬するそうです。
そしてもう一点。子犬が一頭もいませんでした。若い犬も。
これが、引き取り依頼で持ち込まれる犬の現状です。
飼い主の高齢化、犬も高齢になった。経済的に犬が飼えないアパートに引っ越すことになったなど…が1位、2位です。
しかも飼い主が高齢になり、経済的な余裕がなくなったというからみあった理由もあります。
うちの団地でもたとえば息子や娘夫婦が、両親の方片方が亡くなって
おじいちゃん、おばあちゃんがひとりっきりになってさみしいとぼけちゃうからと
子犬をあてがう。というのを何軒も知っています。
確かに毎日お散歩するし、話し相手にもなるから日々癒されているかもしれないけど
実際問題、飼い主が亡くなった後だれが面倒をみるのか・・・と。
息子や娘は親に犬をあげて、そこでおしまい。
親が亡くなったら経済的にとか、住宅事情があって引き取れない。
独居老人の方が亡くなって数日間、犬がそのおばあちゃんのそばにいたこともありました。
その子は幸い、おばあちゃんの甥御さんが引き取ってくれたのでよかったけれど、
反対に飼い主のおじいちゃんが亡くなって息子さん夫婦がおじいちゃんの家に引っ越してきて
その後しばらくは犬の散歩でみかけたけれど、ずいぶん前から見なくなりました。
その子もシニアだったから…とも思うけど、なんだか切ないです。
この子(にわとり)ですが、迷子ですって。
この子も保護ネコちゃん。とってもなつこい子でした。
チャーリーママさんにモーレツにアピール中♪
猫は…というとやはり子猫の時期には多く収容されるとおっしゃっていました。
生まれたばかりの子猫はすぐに弱ってしまうし、世話も人手がかかります。
こちらでは、すぐにボランティアの方に手渡せるようにされているそうです。
猫は、交尾=妊娠ですから、近所ののら猫も1歳にならないような子でも
赤ちゃんを産んでしまいます。それだけ不妊去勢手術の必要性が高いわけです。
川崎市の平成22年度の統計をみても、収容猫876匹のうち726匹が
生後91日未満のこねこです。、
(飼い主からが142匹のうち81匹、拾得者からが562匹のうち550匹)
ねこは交通事故、猫同士のけんかによるけがもとても多いです。
今は完全室内飼いにし、家の中に縦に運動できるキャットタワーなどを設置する、
ベランダに日光浴ができる場所をつくるなど安全で猫の習性を考えた生活を
取り入れてあげるのがいいと思います。
また、ここにもさまざまな形で登録ボランティアの方がいらっしゃって
シャンプーやお散歩など、また譲渡にむけて引き出しなどをされています。
所長さんのお話では、なかなか予算をまわしてもらえないが、次年度から
動物看護士を職員として入れたいとおっしゃっていました。
このセンターでは手術室はあるし、獣医師の方もいらっしゃいますが、
設備としては完璧ではありません。大きな手術などは協力してくださる
動物病院で行うそうです。だから動物看護士の方がいればいろいろな
ケアをしてあげられるから。確かに理にかなっています。
現場にいらっしゃるから、気づくことも多いでしょうし、それを実現すべく
担当各所への働きかけにも力をいれておられました。
ココにもあふれるくらい多数の迷子の掲示板
犬鑑札、狂犬病予防注射済票、迷子札、登録済のマイクロチップ
飼い主ができることで、しかも簡単なことです。
最後に、私たちに要望は?…と伺いました。
所長さんは・・・
命を預かっているんだということを心にとめてほしい。
動物を飼うということについてもっと知識をもってほしいし、学んでほしい。
動物を飼うということは、それだけお金がかかることであること。
動物は経済的に行き詰った時に、早い段階で切り捨てられてしまうものであること。
いろいろ考えて、それでも飼うと決めたら終生適正飼養してほしい。
衝動買いの温床、「生体販売」はやめてほしいともおっしゃっていました。
買う方ばかりではなく、売る方にも動物の販売というのはメリットがない。
経費はかかるし、もうけは少ない。
つまりうまい商売とは言えない。
売れ残るよりはと値段を下げる→このくらいの値段だったらと買う人がいる。
でも薄利多売に走ったあげく、人気犬種と言われる犬をたくさん飼育して繁殖所の崩壊につながることが多い。
ときどき小遣いかせぎとして自分のわんこの子どもを産ませたいと考える人がいるけど
それはやめたほうが絶対にいいです。
今のペットショップの子犬のほとんどは、薄利多売のパピーミルからきています。
スエーデンのように、いろいろなチェック項目をクリアした子犬ではないということです。
その犬の親の健康状態だってわからないわけですし、先天的な病気が隠れていることだってあるし、
親犬は大丈夫でも子犬に出る可能性だって大きいです。
優秀なブリーダーから、犬のことを学んで、自分の経済状態と相談して迎えてほしいとおっしゃっていました。
愛護センターでは、いろいろな方の見学について広く受け入れていらっしゃいます。
一般の飼い主さんにもいらしていただきたい、正しい知識をもっていただきたいとのことでした。
実際にセンターでお話を伺うたびに、職員の方々が動物たちのために心を砕いてお仕事されているか
胸に迫ってきます。
犬を飼おうと思っている人にできることは、軽い気持ちでペットショップから購入しない。
終生飼養するためには、人の学びが必要不可欠であること。
CDSの生徒の私たちの学びは、いろいろな問題をかかえていても
大丈夫、乗り越えていける、やって間違いなかったという実感があると
自信を持っている人たちが多いです。
あとから続く人たちも、ゴールがうっすらとでも見えればそれは希望につながります。
そのためにも正しい情報、新しい情報をわかりやすく伝えることを心がけること
それって、自分たちにもできることですよね。
がんばりましょう
この日のランチはれあファミリー地元のレストランμ(ミュー)に連れて行っていただきました。
キャベツと金柑のサラダ、絶品スープのはまぐり麺、しょうがのゼリー
お忙しい中、お話を聞かせていただき、また施設内のご案内もしていただきありがとうございました。
今回の見学会の企画をしていただいたれあファミリー、
ご一緒したチャーリーママさん、てりままさんありがとうございました。
こちらのセンターでは、寄付金については直接センターで使えるようになっているそうです。
(自治体によっては、そこの雑収入に入ってしまうところもあるそうですから、問合せしてみましょう。)
また、子猫がたくさん保護される時期には「子猫用のミルク」の寄付があると助かるそうです。
実際にお手伝いができなくても、なにか役に立つことはあります。
地元の動物愛護センターに問い合わせされるといいですよ。