Story
東京で働く咲子(松嶋菜々子)は、母(宮本信子)の入院の知らせを受け、久しぶりに徳島に帰郷する。母子家庭で育った咲子は、気が強く何でも一人で決めてしまう母に寂しさを感じていた。咲子は医師、寺澤(大沢たかお)から母が献体を希望していることを知り、いらだちは募る。ある日、母の友人から箱を手渡される。中には、死んだと聞かされていた父から毎年届いていた手紙の束が入っていた。隠された母の恋を知った咲子は、東京に戻り、両親の思い出の場所を訪ね歩き…。(goo映画より)
2007年/日本/犬童一心監督作品
評価 ★★★★☆
この映画は、さだまさし原作の小説「眉山」を犬童一心監督が映画化したものです。
咲子の母・龍子を演じる宮本信子が上手い。文楽を愛するちゃきちゃきの江戸っ子といった役柄を好演しています。宮本信子というと、「マルサの女」や「お葬式」などの伊丹十三作品のイメージが強いですが、この作品ではそれを感じさせずに楽しむことができました。
それに比べて、娘・咲子を演じた松嶋菜々子は今ひとつ。咲子はおとなしい役柄のせいか、龍子というきっぷのいい役柄を演じた宮本信子に押され気味の印象を受けましたね。ただ松嶋菜々子には華があるので、演技の善し悪しよりも、彼女の可憐さ、可愛らしさで見る者を引き込む力はあると思いました。
母・龍子とその不倫相手である咲子の父との恋愛描写はとても良かったです。咲子が母と父がかつてデートした場所を訪ね歩くシーンがあるのですが、若い頃の両親のデート風景を時折映し出したりして、ほのぼのとしていて胸にじーんときます。
その反対に、咲子と大沢たかお演じる寺澤との恋愛話は、出来過ぎというか、とってつけたような感じがして、あまり入り込めなかったですね。2つの恋愛話を軸に物語は進行することになりますが、娘の方の恋愛話は母親に比べると描き方が弱かったせいか、感情移入するのが難しかったです。
この映画の最大の見せ場は、なんといっても毎年8月に行われる徳島名物の阿波踊り大会。この阿波踊り大会は、地元から14200人ものエキストラを使って撮影したそうです。エキストラとは思えないほどとてもリアルで、熱気があって臨場感あふれる見応えのあるシーンになっています。
このクライマックスの阿波踊り会場で、母・龍子と父が再会し、見つめ合うシーンがありますが、とても素敵なラブシーンになっています。咲子の計らいで、母が死ぬ前にもう1度愛する父に会えることになるのですが、お互いが話す訳でもなく、ただ見つめ合うだけのこのシーンはなんとも良くて、涙が溢れてとまらなかったです。またそんな母と父を見つめる松嶋菜々子の表情がとても良かった。
私の母が、熱狂的なさだまさしのファンで、毎年、彼のコンサートへ通っています。子供の頃から、まっさんの歌を強制的に聴かされて育った私にとっては、さだまさしは馴染みの深い歌手でした。また、彼の書く歌詞は物語になっているものが多くて、切ないメロディと合わせて聴いていると、自然と泣けてくるいい歌が多いですね。やはり、もともと物語を書ける素養があるのか、さすが小説を書いても上手いです。前作の「解夏」も良かったですが、今作のような恋愛小説も味があってとても良いですね。この映画を観たせいか、母と一緒にまた、まっさんのコンサートに行きたくなりました。
映画『眉山-びざん-』公式サイト
(「眉山-びざん-」2007年5月 長野にて鑑賞)
東京で働く咲子(松嶋菜々子)は、母(宮本信子)の入院の知らせを受け、久しぶりに徳島に帰郷する。母子家庭で育った咲子は、気が強く何でも一人で決めてしまう母に寂しさを感じていた。咲子は医師、寺澤(大沢たかお)から母が献体を希望していることを知り、いらだちは募る。ある日、母の友人から箱を手渡される。中には、死んだと聞かされていた父から毎年届いていた手紙の束が入っていた。隠された母の恋を知った咲子は、東京に戻り、両親の思い出の場所を訪ね歩き…。(goo映画より)
2007年/日本/犬童一心監督作品
評価 ★★★★☆
この映画は、さだまさし原作の小説「眉山」を犬童一心監督が映画化したものです。
咲子の母・龍子を演じる宮本信子が上手い。文楽を愛するちゃきちゃきの江戸っ子といった役柄を好演しています。宮本信子というと、「マルサの女」や「お葬式」などの伊丹十三作品のイメージが強いですが、この作品ではそれを感じさせずに楽しむことができました。
それに比べて、娘・咲子を演じた松嶋菜々子は今ひとつ。咲子はおとなしい役柄のせいか、龍子というきっぷのいい役柄を演じた宮本信子に押され気味の印象を受けましたね。ただ松嶋菜々子には華があるので、演技の善し悪しよりも、彼女の可憐さ、可愛らしさで見る者を引き込む力はあると思いました。
母・龍子とその不倫相手である咲子の父との恋愛描写はとても良かったです。咲子が母と父がかつてデートした場所を訪ね歩くシーンがあるのですが、若い頃の両親のデート風景を時折映し出したりして、ほのぼのとしていて胸にじーんときます。
その反対に、咲子と大沢たかお演じる寺澤との恋愛話は、出来過ぎというか、とってつけたような感じがして、あまり入り込めなかったですね。2つの恋愛話を軸に物語は進行することになりますが、娘の方の恋愛話は母親に比べると描き方が弱かったせいか、感情移入するのが難しかったです。
この映画の最大の見せ場は、なんといっても毎年8月に行われる徳島名物の阿波踊り大会。この阿波踊り大会は、地元から14200人ものエキストラを使って撮影したそうです。エキストラとは思えないほどとてもリアルで、熱気があって臨場感あふれる見応えのあるシーンになっています。
このクライマックスの阿波踊り会場で、母・龍子と父が再会し、見つめ合うシーンがありますが、とても素敵なラブシーンになっています。咲子の計らいで、母が死ぬ前にもう1度愛する父に会えることになるのですが、お互いが話す訳でもなく、ただ見つめ合うだけのこのシーンはなんとも良くて、涙が溢れてとまらなかったです。またそんな母と父を見つめる松嶋菜々子の表情がとても良かった。
私の母が、熱狂的なさだまさしのファンで、毎年、彼のコンサートへ通っています。子供の頃から、まっさんの歌を強制的に聴かされて育った私にとっては、さだまさしは馴染みの深い歌手でした。また、彼の書く歌詞は物語になっているものが多くて、切ないメロディと合わせて聴いていると、自然と泣けてくるいい歌が多いですね。やはり、もともと物語を書ける素養があるのか、さすが小説を書いても上手いです。前作の「解夏」も良かったですが、今作のような恋愛小説も味があってとても良いですね。この映画を観たせいか、母と一緒にまた、まっさんのコンサートに行きたくなりました。
映画『眉山-びざん-』公式サイト
(「眉山-びざん-」2007年5月 長野にて鑑賞)
宮本信子さん、久しぶりにスクリーンに顔を見せてくれました。
NHKの朝の連ドラ「どんど晴れ」で旅館の女将に扮して大活躍です。
この作品でも、彼女の演技の素晴らしさが映えて、菜々子さんが霞んで見えましたね。
娘から母へのプレゼント、あの阿波踊り会場での目と目の夏八木さんとの再会には感動しました。
こちらこそ、TB&コメントありがとうございました。
宮本信子さんはスクリーンに登場するのは、たしか10年ぶりなんですよね。
伊丹十三が亡くなってから、しばらくスクリーンから遠ざかっていたような気がしましたが、彼女がまた元気に戻って来てくれたことが、なんだか嬉しかったです。
その演技の上手さも変わらずで良かったです!
阿波踊り会場の再会のシーンはとても感動的でしたね。
朝の連ドラ「どんど晴れ」に出演していたのは知らなかったです。
また機会があったら、ぜひ見てみようと思います。
実は学生時代まっさんのファンでした。
(歳ばれるて)
今でもブログでたま~に取り上げますが。
エエ話なんです。
ただ、あまりにも「これは映画だから」っていう
ものすごく都合よく話がすすむのと、
阿波踊りの列のなかにわりこんでええんかいとか
不倫を美化してないかいとか
・・・正直ツッコミどころ満載の作品に
なってしまいました。
それでも
母として、オンナとして
考えさせられる部分、解る部分がいっぱいで
それはもう宮本信子さんの演技からくる
説得力のすごさにただただ感動してました。
頑張る!独身女!!@かっぱです。
「眉山」ではtb、コメント、ありがとうございました
ココロ温まる作品で、それぞれの思いに感動させられた映画でした
これからも、お願いします。
こちらこそ、コメントありがとうございました。
Agehaさんもまっさんのファンなんですね!
まっさんの歌は実話からくるものが多いせいか、泣けるいい歌が多いですよね。(^^)
本当に映画という枠で観ていなかったら、実際にはありえない話が多かったので、ツッコミどころ満載の映画でした~。。
でも、ベタな展開になっていても、観客のツボをおさえて作られた映画だったせいか、泣けるシーンではやはり泣いてしまいましたね。。^^;
宮本信子さんがみんなの頼れるお母さん的な役柄を好演していて、とても良かったです!
また、お母さんだけでなく、女性としての顔も演じ分けていて、本当に彼女の演技は説得力がありましたね。
初めまして! nyancoと申します。
こちらこそ、TB&コメントありがとうございました。
眉山は本当に心温まる良い映画でしたね。(^-^)
映画のレビューを中心に書いているブログですが、良かったらこれからもぜひ遊びにきてください。
今後もどうぞ宜しくお願いします。