
Story
ブリュノ(ジェレミー・レニエ)とソニア(デボラ・フランソワ)は、20歳と18歳の若いカップル。2人の間には最近子供のジミーが生まれ、ソニアは病院から退院してきた。
ブリュノは盗んだ品物を売ってその日その日を凌いでいる。まだほんの子供のスティーブを手下に使っているが、儲けたお金は正当に分配する、犯罪者じゃなければナイスガイだ。しかし、定職に就いてほしいというソニアの願いに耳を貸す気はない。
ある日、ブリュノはジミーを乳母車に乗せて散歩中、思い付いたように人身売買組織に子供を売ってしまう。そのことを聞いたソニアは卒倒して病院に運ばれる。やっとことの重大さに気付いたブリュノは、お金を返してなんとか子供を取り戻す。しかし、組織の人間から「もうけ損ねた金を返せ」と脅迫され、金に困ったブリュノはひったくりを企てるが、、、
2005年/ベルギー・フランス/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督作品

評価 ★★★★★
ベルギーでは若者の失業率が20%だそうで、この映画はそんな若者の日常を淡々と切り取って私たちに提示します。
ダルデンヌ兄弟の監督作はミニシアター系では見逃せない映画の一つですが、注目すべきは日常の出来事をサスペンスフルに描いてしまうその手腕です。
例えば、過去の監督作「ロゼッタ」の、この少女、何かやらかすんじゃないかというサスペンス。
「息子のまなざし」の、このおやじ、あのばか力で少年の首を絞めちゃうんじゃないか、というサスペンス。
この映画でも、ひったくりをした少年達が逃げる描写が、下手なアクション映画の追っかけよりも手に汗握らせます。それは、犯罪に至った経緯、必然的にこうなってしまったという状況設定、なんとしても逃げなければならない背景などがしっかりと物語られているからです。
ラスト、恋人の前で号泣するシーンに問題解決への処方箋が示されていたように感じました。
(「ある子供」2006年1月 名古屋シネマテークにて鑑賞)
ブリュノ(ジェレミー・レニエ)とソニア(デボラ・フランソワ)は、20歳と18歳の若いカップル。2人の間には最近子供のジミーが生まれ、ソニアは病院から退院してきた。
ブリュノは盗んだ品物を売ってその日その日を凌いでいる。まだほんの子供のスティーブを手下に使っているが、儲けたお金は正当に分配する、犯罪者じゃなければナイスガイだ。しかし、定職に就いてほしいというソニアの願いに耳を貸す気はない。
ある日、ブリュノはジミーを乳母車に乗せて散歩中、思い付いたように人身売買組織に子供を売ってしまう。そのことを聞いたソニアは卒倒して病院に運ばれる。やっとことの重大さに気付いたブリュノは、お金を返してなんとか子供を取り戻す。しかし、組織の人間から「もうけ損ねた金を返せ」と脅迫され、金に困ったブリュノはひったくりを企てるが、、、
2005年/ベルギー・フランス/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督作品

評価 ★★★★★
ベルギーでは若者の失業率が20%だそうで、この映画はそんな若者の日常を淡々と切り取って私たちに提示します。
ダルデンヌ兄弟の監督作はミニシアター系では見逃せない映画の一つですが、注目すべきは日常の出来事をサスペンスフルに描いてしまうその手腕です。
例えば、過去の監督作「ロゼッタ」の、この少女、何かやらかすんじゃないかというサスペンス。
「息子のまなざし」の、このおやじ、あのばか力で少年の首を絞めちゃうんじゃないか、というサスペンス。
この映画でも、ひったくりをした少年達が逃げる描写が、下手なアクション映画の追っかけよりも手に汗握らせます。それは、犯罪に至った経緯、必然的にこうなってしまったという状況設定、なんとしても逃げなければならない背景などがしっかりと物語られているからです。
ラスト、恋人の前で号泣するシーンに問題解決への処方箋が示されていたように感じました。
(「ある子供」2006年1月 名古屋シネマテークにて鑑賞)
日本中渡り歩いては映画を見ているさすらいの映画ファンみたいですね。
ダルデンヌ兄弟の映画は以前にみたロゼッタが、貧乏苦のすえガス自殺しようとしたらガスがなくて失敗したところで、ついワハハと笑ってしまって、それ以来大好きです。
タイトルの「ある子供」が売られたり取り戻されたりする赤ん坊を指すのかと思ったら、そうじゃないことがだんだん露になるあたりの、タイトルに隠された仕掛けが良かったです
あの手持ちカメラのブレと、あまり露にされることのない感情表現などから、映画的な完成度を疑問視する意見もあります。まあ個人的には、こういう形の映画もあっていいのではないかと思っていますが。
ダルデンヌ監督独特の手法だと理解しています。以前拙宅でも監督の作品を取り上げたので、TBさせていただきますね。
コメントとTBありがとうございました。
最近は所用で名古屋、横浜、仙台と出向くことが多くて、行く先々で時間を見つけては映画を観てました。^^
しんさんは恵比須まで観に行ったんですね。はるばる出かけて観る価値のある映画でしたね。
結局、みんな子供で、事件を通して成長していったということでしょうか。
コメントとTBありがとうございました。
豆酢さんの方へもお邪魔させて頂きました。(^-^)
詳細な解説、あらためて勉強になりました。
ダルデンヌ兄弟の映画は、観た人それぞれがストーリーを肉付けできるところが魅力ではないかと思いました。
「灯台守の恋」 もそうでしたが
この「ある子供」 も大好きで
2006のベスト10には いれる作品です。私も
「ロゼッタ」が 大好きでした。
私の感想も読んでくださると幸いです。・・てなわけで
TBさせていただきますね♪
「ある子供」は、私も去年のベスト10に入れようと思ってます。ほんとに趣味が近いかもしれませんね。(^^)
ちなみに、ベスト1は「ランド・オブ・プレンティ」を考えてます。
それでは、猫さんの方へもお邪魔させて頂きますね。
印象的な映画でした。
>注目すべきは日常の出来事をサスペンスフルに描いてしまうその手腕です。
ですよねえ。目が離せなくて、ひきこまれましたよ。
ダルデンヌ兄弟の作品は今回はじめてで、ちょうどWOWOWで特集をやっていて「ロゼッタ」は録画し忘れました・・・泣き
「息子のまなざし」未見なのです。。
計算されて作られてましたよね。そこがすごいなあと。
この二人、幸せになってほしいな^▽^
TBが入らないようです。ごめんなさい・・・
コメントありがとうございました。
TBの方は??ですが、ごめんなさい。
「ロゼッタ」も「息子のまなざし」も、淡々とした描き方ですが、おもわずひきこまれるので機会があったら是非観てくださいね。
>この二人、幸せになってほしいな^▽^
だぶん、ブリュノが改心して、苦労しながらも3人で暮らして行くと想像してるんですが。う~ん、厳しいかな^^;
描写がリアルな映画だから、実在の人物と錯覚して本気で心配してしまいますね。^^