夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

父親たちの星条旗

2006年11月18日 | た行の映画
Story
太平洋戦争末期の1945年2月。硫黄島に上陸したアメリカ軍は、予想外の日本軍の戦力に対峙していた。壮絶な戦闘の末、アメリカ軍は摺鉢山の頂上に星条旗を掲げ、その写真が新聞の一面を飾る。写っていたのは6人の兵士。その内の3人はその後の戦闘で命を落とす。生き残った3人、ドク(ライアン・フィリップ)、レイニー(ジェシー・ブラッドフォード)、アイラ(アダム・ビーチ)は、帰国後、英雄として戦時国債のキャンペーンに駆り出される。
誰も知らない最初に立てられた星条旗、戦場の凄惨な現実。意図せず英雄に祭り上げられた彼らは苦悩する。
2006年/アメリカ/クリント・イーストウッド監督作品




評価 ★★★☆☆

硫黄島に上陸する米軍兵士、船艇の圧倒的な物量。戦争は工業力の勝負とは言いますが、日本兵がいかに優秀でもこれでは勝ち目はありません。
しかし、迎え撃つ日本軍の摺鉢山の大砲は「ナバロンの要塞」みたいで、この攻防はかなりの迫力でした。

摺鉢山の頂上に星条旗を立てた兵士。彼らを英雄に仕立て上げて、戦時国債のキャンペーンに駆り出すわけですが、この利用できるものは貪欲に何でも利用して、用が済んだらあとはポイと捨てる。この極端な合理性が戦争に勝利した最大の要因かもしれません。
船から落ちても見捨てられる兵士が描かれていますが、これが象徴するように英雄にまつり上げられた彼らも消耗品で、最初は兵力として、帰国後は客寄せとして、政府に2重に利用されたといえるでしょう。

なお、エンドタイトルに当時の写真が出てきますが、当時の記録に如何に忠実に作られていたかがわかって感心しました。

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