Story
アフリカで生まれ育ったダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、9歳の時に両親を虐殺された悲惨な過去を持つ。その後傭兵に身を投じ、ローデシア(現ジンバブエ)を初めとして、南アフリカ、アンゴラなどで戦った経験を持っていた。その過程で、コッツィー大佐※1 から戦闘技術と紛争ダイヤの取引を伝授される。現在は、シエラレオネで反政府軍のRUFに武器を調達する死の商人だ。RUFの支配地域にはダイヤモンド鉱山があり、ここでは各部族から拉致した人間を強制労働させている。ソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)はそんな拉致された一人で、息子は少年兵として洗脳されてしまう。RUFは武器の対価としてダイヤで支払いを行い、アーチャーが手に入れたダイヤはリベリアへ密輸し、複雑な流通経路を経て大手宝石会社※2 へ納入され、現金決済されるというしくみだ。そんなダイヤの闇の側面を暴くべく、アメリカ人ジャーナリストのマディー・ボウエン(ジェニファー・コネリー)はシエラレオネへやって来て、アーチャーと出会う。
そして、ソロモンが偶然掘り当てた大粒のピンクダイヤを巡り、3人の思惑が交錯する。
※1)コッツィー大佐が所属しているのは、民間の軍事顧問会社と思われます。英国のコントロールリスク社など、戦争請負会社は今後の紛争地帯で要注目です。
※2)映画に出てくる大手宝石会社は、市場でのダイヤの流通量をコントロールして価格を高騰させている所など、ダイヤ寡占企業のD社を連想させます。もちろん紛争ダイヤには手を出してないと思いますが。
2006年/アメリカ/エドワード・ズウィック監督作品
評価 ★★★☆☆
2時間20分をダレることなく展開させる構成力は見事で、紛争ダイヤや少年兵の問題、ダイヤモンド・カルテルによる価格操作などを取り上げて社会に認知させたことは評価できると思います。
ディカプリオは、ギャング一家の出自に悩む潜入捜査官みたいなややこしい役柄より、こういったストレートな役の方が生き生きしてますね。映画のクライマックス、アフリカの大地に浸み込む自分の血を見ながら、この地に眠る決心をするところがヒロイックでした。ジェニファー・コネリーも魅力的で、レオとべたべたしない役柄だったのも良かった。ジャイモン・フンスーも家族を命がけで愛する役柄を熱演。
ただ、個人的には、社会問題をこれ見よがしに詰め込まずに、単にアクションサスペンス篇とした方が好感が持てたかも。というのも、アフリカ蔑視、白人優越の視点が見え隠れして、ちょっと不愉快に感じる所があったので。ラストでジャイモンが祖国の現実を訴えるべく演台に向かうのを拍手で迎える所も、制作者側の意図は認めるものの、素直に感動できないものがありました。
参考映画;紛争ダイヤを扱った「ロード・オブ・ウォー」のレビューはこちら
映画『ブラッド・ダイヤモンド 』公式サイト
(「ブラッド・ダイヤモンド」2007年4月 長野にて鑑賞)
アフリカで生まれ育ったダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、9歳の時に両親を虐殺された悲惨な過去を持つ。その後傭兵に身を投じ、ローデシア(現ジンバブエ)を初めとして、南アフリカ、アンゴラなどで戦った経験を持っていた。その過程で、コッツィー大佐※1 から戦闘技術と紛争ダイヤの取引を伝授される。現在は、シエラレオネで反政府軍のRUFに武器を調達する死の商人だ。RUFの支配地域にはダイヤモンド鉱山があり、ここでは各部族から拉致した人間を強制労働させている。ソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)はそんな拉致された一人で、息子は少年兵として洗脳されてしまう。RUFは武器の対価としてダイヤで支払いを行い、アーチャーが手に入れたダイヤはリベリアへ密輸し、複雑な流通経路を経て大手宝石会社※2 へ納入され、現金決済されるというしくみだ。そんなダイヤの闇の側面を暴くべく、アメリカ人ジャーナリストのマディー・ボウエン(ジェニファー・コネリー)はシエラレオネへやって来て、アーチャーと出会う。
そして、ソロモンが偶然掘り当てた大粒のピンクダイヤを巡り、3人の思惑が交錯する。
※1)コッツィー大佐が所属しているのは、民間の軍事顧問会社と思われます。英国のコントロールリスク社など、戦争請負会社は今後の紛争地帯で要注目です。
※2)映画に出てくる大手宝石会社は、市場でのダイヤの流通量をコントロールして価格を高騰させている所など、ダイヤ寡占企業のD社を連想させます。もちろん紛争ダイヤには手を出してないと思いますが。
2006年/アメリカ/エドワード・ズウィック監督作品
評価 ★★★☆☆
2時間20分をダレることなく展開させる構成力は見事で、紛争ダイヤや少年兵の問題、ダイヤモンド・カルテルによる価格操作などを取り上げて社会に認知させたことは評価できると思います。
ディカプリオは、ギャング一家の出自に悩む潜入捜査官みたいなややこしい役柄より、こういったストレートな役の方が生き生きしてますね。映画のクライマックス、アフリカの大地に浸み込む自分の血を見ながら、この地に眠る決心をするところがヒロイックでした。ジェニファー・コネリーも魅力的で、レオとべたべたしない役柄だったのも良かった。ジャイモン・フンスーも家族を命がけで愛する役柄を熱演。
ただ、個人的には、社会問題をこれ見よがしに詰め込まずに、単にアクションサスペンス篇とした方が好感が持てたかも。というのも、アフリカ蔑視、白人優越の視点が見え隠れして、ちょっと不愉快に感じる所があったので。ラストでジャイモンが祖国の現実を訴えるべく演台に向かうのを拍手で迎える所も、制作者側の意図は認めるものの、素直に感動できないものがありました。
参考映画;紛争ダイヤを扱った「ロード・オブ・ウォー」のレビューはこちら
映画『ブラッド・ダイヤモンド 』公式サイト
(「ブラッド・ダイヤモンド」2007年4月 長野にて鑑賞)
紛争ダイヤについては、この映画ではじめて知りました。
重たい内容でした。
宝石会社は、デ社がモデルといわれてるようで・・・
少年兵のことなど、アフリカの現実はきびしいものがあり、
映画を観てわれらが認識することも大事なことですね。
見応えのある映画でした。
エンターティメントとして、社会問題を認識させることができるのは、映画の持つ大きな力ですよね。
私も少年兵の実態をこの映画で始めて知りました。それから、100万人が暮らすという難民キャンプの描写がショックでした。
TB&コメントありがとうございました。
2時間20分という長を感じさせず、グイグイと惹き込まれる作品でした。
特に、ディカプリオの演技は素晴らしかったですね。
たくさんの哀しみが染み込んだアフリカの赤い大地も印象的でした。
私はこの映画によって、初めて紛争ダイヤというものを知りましたが、
アフリカの闇の部分としては、
まだまだ知らない現実が沢山あるんでしょうね。
「ロード・オブ・ウォー」は未見なので、紹介して下さって感謝です!
こちらこそ、TBとコメントありがとうございました。
ディカプリオもジェニファーも、そしてジャイモン・フンスーも
揃って好演でしたね。
「ロード・オブ・ウォー」も主な舞台がアフリカとなっていて、これも考えさせられる映画でした。
私達がとりあえずできることは、キンバリープロセスを経ていないダイヤには手を出さないということだと思いました。