夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

第9地区

2010年05月08日 | た行の映画
Story
南アフリカ・ヨハネスブルグ上空に突如現れた巨大な宇宙船。船内の宇宙人たちは船の故障によって弱り果て、難民と化していた。南アフリカ政府は“第9地区”に仮設住宅を作り、彼らを住まわせることにする。28年後、“第9地区”はスラム化していた。超国家機関MNUはエイリアンの強制移住を決定。現場責任者ヴィカス(シャルト・コプリー)を派遣、彼はエイリアンたちに立ち退きの通達をして回ることになるのだが…。(goo映画より)
2009年/アメリカ/ニール・ブロムカンプ監督作品





評価 ★★★☆☆

観る前は、これは「エイリアン・ネイション」('88)のパクリじゃないか?と思っていたのですが、オリジナリティ溢れる作りにそんな疑念も吹っ飛びました。
南アフリカを舞台に、各地で絶え間なく起きる紛争問題を皮肉っているようです。
エイリアン達は何故かキャットフードが好物。それと引き換えに武器を調達するギャング団が出てくるところは、紛争ダイヤモンドの取引を連想させ、そこに介入してくるのが民間の軍事顧問会社となれば、これは「ブラッドダイヤモンド」('07)の世界ですね。しかし、そんな社会風刺はぬきにして純粋にSFとして楽しんでしまいました。

宙に浮くコンビナートみたいな宇宙船のビジュアルが新鮮。エイリアンが使う武器も、彼らのDNAにしか反応しないなど一風変わっていて興味をそそります。その破壊力も凄まじいものがありました。ヴィカスが誤って彼らのエネルギー源の液体を浴びて徐々にエイリアンに変身して行くのですが、この過程は「ザ・フライ」('86)の影響を受けているのでは?。
惜しいのはアクションシーンにちょっと冗長な部分があったことで、メリハリをつければもっと良くなったでしょう。

実用一点張りの宇宙船のデザインや彼らの粗暴な生活ぶりは、エイリアンには文化というものが無く、テクノロジー一辺倒で生きていることを暗示しているよう。そこで、廃棄物置き場で花をつくるエイリアン(かつてのヴィカス)が2つの種族の橋渡しとなることが期待できます。
ヴィカスとの間に友情がめばえたエイリアンのクリストファーが戻って来る3年後を舞台に続編が作れそうです。

映画『第9地区』公式サイト


(「第9地区」 2010年5月 MOVIX利府 にて鑑賞)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シャッターアイランド | トップ | ハート・ロッカー »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
エイリアンの設定 (KGR)
2010-07-16 21:21:09
今までの宇宙人と言うか、SFにおけるエイリアンの常識をひっくり返して新鮮でした。

表情なんか読めない顔なのに、エイリアンの解剖施設で立ち尽くすクリストファーが印象的でした。
返信する
アイデアに魅せられました。 (wanco)
2010-07-25 19:56:39
KGRさん、こんばんは。

エイリアンの設定は斬新でした。
南アフリカという舞台設定も新鮮。宇宙船のデザインもユニークで、アイデアに魅せられる映画ですね。
返信する

コメントを投稿

た行の映画」カテゴリの最新記事