崖の上のポニョ

Story
海を臨む崖の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、瓶に入り込んで動けなくなっていたさかなの子・ポニョを助けた。一緒に過ごすうちにお互いのことを好きになる2人だが、ポニョの父親・フジモトによってポニョは海へ連れ戻されてしまう。それでも宗介を想い、人間になりたいと願うポニョは、妹たちの力を借りてフジモトの蓄えた魔法の力を盗み出し、再び宗介の元を目指すが……。（goo映画より）
2008年/日本/宮崎駿監督作品





評価　★★★☆☆

宮崎駿監督の「ハウルの動く城」以来の新作！

宮崎駿の待望の新作ということで、どうしても期待して観てしまいますが、今作は大人が鑑賞するには、ちょっと苦しい内容かもしれないです。
というのは、ストーリーの展開が先読みできてしまうこともありますが、魚のポニョが、大好きな宗介のために人間になりたいという夢が、特にこれといった障害もなくわりとすんなり叶えられてしまうため、観ていてちっとも盛り上がらないんですよね。

宮崎駿アニメに特有の、あのワクワク、ドキドキとさせてくれる高揚感みたいなものが、この作品では感じられなかったのが残念です。
しかし、いつまでも過去の名作達と比べてしまうのも可哀想ですね。宮崎監督の、過去の名作にとらわれず、新たに作品を作り続けるそのエネルギーには、本当に感心させられるものがあります。

映像は、さすがCGを一切使用していないだけあって、手描きの良さを感じさせられる素晴らしいものでした。
宗介とその母親との描き方も温かみがあって、ほのぼのとしており、とても良かったですね。
こんな家庭の優しい雰囲気に触れたら、ポニョが魚をやめて人間になりたくなる気持ちが分かるような気がします。

その反対に、ポニョの父親など、海の中の住人達の描き方が今ひとつ弱かったので、彼等にもう少し敵対するキャラとしての役割を明確にするだけでも、この映画の印象がもっと面白いものに変わったのではないかと思いました。そう思うと、ちょっと残念でした。。

それにしても、今大ヒットしているポニョのテーマソングは、一度聴いたら頭から離れないですね。いつも思うのですが、スタジオジブリの宣伝の上手さには頭が下がる思いです。


映画『崖の上のポニョ』公式サイト


（「崖の上のポニョ」2008年６月　長野　岡谷スカラ座にて鑑賞）