東日本大震災が原因ではないのだけれど、建築業界ではグラスウール等の建築用断熱材が不足しています。
というより、モノがありません。
これは今に始まったわけではなく、去年の10月ごろからじわじわとなくなってきていました。
今年に入っていよいよ大変な状況になっていたのですが・・・・
実は、この「断熱材がない」ということは、建築の工事がストップしてしまうくらいの大問題で次の工事に進めないので待つしかない。もちろん代替の断熱材を使ったりしてしのいでいましたが、それもいよいよなくなってしまいました。
どうしてこういうことになったかというと・・・
そもそもの始まりは「住宅エコポイント制度」でした。
住宅エコポイントは省エネ効果の高い住宅を建設した場合に、ポイント還元がされるというものだけれど、省エネ効果をあげるためには、壁や床、天井の断熱性能を上げなくてはならないのですが、そうなるとグラスウール等の断熱材が大量に必要になってきます。
エコポイント需要をみこんで、断熱材メーカーが大量に増産すればよかったのだけれど・・・・・そうはならなかったのです。
実はこの時点で、断熱材の工場はそれまでの建築不況のために、一部の工場を閉鎖し、従業員も調整して、生産規模を縮小している状態になっていました。
そこに住宅エコポイントによる突然の断熱材需要が高まったのです。
当然工場はフル稼働となるのであるけれど、この需要がエコポイントによる一時的な需要だとすれば、それが過ぎ去った後のことを考えると、工場再開や従業員増員等は経営的にリスクが大きい。ので現在の規模でのフル稼働にとどまってしまったようです。
しかし、エコポイントによる需要はその予想をはるかに上回るものだったようです。(これまでの2倍以上必要ですから・・・)
もちろん大手ハウスメーカーはエコポイントによる断熱材の増加を見込んで、必要分は年間契約で確保していたので、生産される断熱材は住宅メーカーに優先的に回され、一般の建材市場には必要量が供給できなくなってしまいました。
という図式みたいです。
じゃあ、輸入すればいいいのに。と思うのですが、日本にはJIS規格やF☆☆☆☆規格のホルムアルデヒド規制があり、それに合格している製品を使用するのが一般的なのですが、輸入品にはこの規格認証されているものは少ないということがありそれも難しいのです。
一体どうすればいいのでしょうか。実際途方にくれてます。
住宅エコポイント自体はいいと思いますが、今回のことをみていると、準備期間中に増産や輸入フォローが全然出来ていなかったということです。
結局いつも泣くのは、私たちのような地方の零細業者なんですね。
このところ、建築士法の改正とか住宅瑕疵担保保険とか、いろいろ法改正が続いているのだけれど、政府がやっているのは表面的なことばかりで、いってみれば格好いいことを思いつきでやりっぱなし。
後のフォローはできないから自分で考えろと・・・・いうことでしょうか。
政府のいうことに真面目に「はいはい」と従っているだけでいいのでしょうか・・・・馬鹿みたいに思えてくる今日この頃です。
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