日暮しトンボは日々MUSOUする

逆ギレする母


父の2度目の入院になってから、母の態度がおかしくなった。父の見舞いに行かないのである。
普通は着替えとか持って行ったりしなければならないのに、全く病院に行ってないということを、看護師さんから電話をもらって初めて知った。 別に病院が遠いというわけではない。
電車で2つ先の駅にあるのだが、電車よりバスで行けば結構近い。なのに1週間も見舞いに行かず平気な顔をしている母。 代わりに私が父の病院に着替えを届けに行くことになり、実家に立ち寄り、どうして見舞いに行かないのか母に問い詰めると、庭で花壇の手入れをしていたら転んで腰を打って動けないと言うのだ。 あれ? さっきまで平気で歩いていたような気がするのだが、まぁでも、無理させて母まで倒れられたら困るので、それならば仕方ないとその時は思った。
父が入院してから数週間が過ぎた。依然として病院に見舞いに行かない母。ある日のこと、仕事中に母から電話があり、さっき病院から電話があって何か話があるみたいだから、代わりに病院へ行ってくれとのことだった。父の容態が悪いことにでもなっているのかと不安になりながら、私は仕事を途中で切り上げて急いで病院へ向かった。看護師に話を聞くと、替えの寝間着を多めに用意してほしいとのことで、もし忙して病院に来れないというのならば病院側で有料のレンタルも用意できます、との内容だった。   わざわざ仕事を切り上げてまで来る程の要件ではなかった。看護師にも電話で済む話だったのに…と言われた。 私は腹が立っていた。この程度の内容ならば母が電話で決めればいいことだ。 仕事中の息子を呼び出すような事か!? なんで全部ヒト任せなんだ。自分の旦那のことだろうに! 全く関わろうとしない母の考えが理解できない。 病院からそのまま実家へ向かった私は、母にこんな事で仕事中に電話してこないようにきつく言うと、最近耳の調子が悪いから電話の声が聞きづらいから私に電話したのだという。もちろんとっさの嘘である。さっき私と普通に電話していたにもかかわらず平気でそんな子供じみた言い訳をする。 あまりにも屁理屈がひどいので、ついに私も我慢できずに、いい加減にしろ!と怒ってしまった。 そしたら母が突然キレた。 
「なんだい!お父さん、お父さんって、この家には私だっているんだよ! 私のことは誰も心配してくれないのか!」 と、テーブルをドンドン叩きながらヒステリックにわめき散らしたり、近くにある湯呑みや花瓶を掴んで壁や床に叩きつけたりもした。

私は突然の母の豹変ぶりに唖然とした。  あ、あれ… うちのお母さんって、こんな人だっけ?

今思えば、この瞬間から私の長い介護の戦いの日々が始まったのだ。 
まさにゴングがなった…そんな感じだった。





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