迷走する枕茶屋

「北京豆」




北京豆を一粒  愛しき人の掌に


コロコロくるくる無邪気に揺れる


くるっとむいて ぷくっと顔を出す恥ずかしい朱の鬼灯


見つめるほどに 朱に朱に 赤に… 


恥赤を舐めて上へ下へ 右に左に首を振り


小刻みに善がり 淫らに転婆


縁側の陽射と藪の漣   韻哭の通り道には無縁の仏の石畳



僧持さま 明日も私の北京豆 

愛しく剥いてくだしゃんせ





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