コーヒー豆の価格が急騰している。原料や輸送費高騰に、不作が追い打ちをかけ、富山県内の豆販売店も値上げを避けられない状況だ。コーヒーをいれる日常を楽しんでもらおうと、苦境の店主らは様々な工夫をこらしている。(岸本健太郎) 11年前の1・5倍 「11年前に開店した頃と比べると、価格は1・5倍くらい」。焙煎ばいせんの香りが漂い、コーヒー豆の瓶がずらりと並ぶ店内で、「くれは珈琲焙煎堂 桝カフィ」(富山市呉羽町)の店主・桝谷寿美さん(55)はそう説明する。11年前は100グラム当たり300〜400円で販売していた豆の価格が、500〜600円になったという。 全日本コーヒー協会によると、値上がりの主因は生産国の天候不良による不作だ。特に主要生産国であるブラジルの干ばつの影響が大きいという。コーヒー豆は赤道をはさんで北緯25度〜南緯25度の地域で生産されるが、近年は気候変動の影響で干ばつや不作が生じやすい。一方で中国など世界の需要は増加。輸入品には円安も直撃する。 農林水産省の統計によると、2024年の生豆の輸入量は19年比で2割近く減ったのに、高騰を受けて輸入金額は2倍近くの約2441億円に増えている。 総務省の統計では富山市は、1世帯のコーヒーの年間支出額は7921円(22〜24年平均)。都道府県庁所在地と政令市計52自治体のうち25位だった。缶コーヒーなど「コーヒー飲料」の支出額は2位につけている。また、同協会の23年9月の発表によると、県内には490の喫茶店があり、1店舗当たりの人口は2117人と全都道府県で少ない方から19位だ。市民、県民に身近な飲み物といえる。 人件費抑える 桝カフィでは、100グラム当たり数百円の価格帯が中心だ。ブラジル産豆などを30〜40円値上げしたが「日常的に飲まれるので、できるだけ買いやすい価格に抑えたい」という。人手は増やさず人件費を抑える一方、複数の業者と交渉して安くておいしい豆を探す、良い豆は値段が上がる前に多めに仕入れる、など経営努力で補う。 富山市藤木の「グッドイナフコーヒートヤマ」では、豆の生産から客への提供まで品質管理された高価格帯の「スペシャルティーコーヒー」を扱う。100グラム数百円〜千円台が中心だ。店主の尾塩周さん(36)によるとスペシャルティーより下の品質の豆の価格が高くなる逆転現象も起きたという。大手が大量に仕入れる豆の高騰が原因とみられる。同店では、一度に大量に焙煎するなど効率化をはかり、各商品を約1割ほどの値上げで抑えている。 気候変動で栽培適地が減るとされる「コーヒーの2050年問題」もあり、「将来コーヒーが飲めなくなるのか」と顧客から心配されることもあるという。「生産者が気候変動に対応できるよう適正価格で取引することなどを、販売店や消費者が考えていくことも大切になってくる」と語っている。 (読売新聞) |
コーヒー豆まで高騰ですか。
本当に値上がりしないモノが無いですね。
パナマゲイシャはいったいいくらになるのでしょうか?