フランス産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」が16日解禁される。今年は価格が昨年より抑えられ、味わいも良作と評判だ。ただ、ロシアのウクライナ侵攻に伴う物流費の高騰で大幅に値上がりした昨年の記憶は生々しく残り、輸入価格を上昇させる円安も長期化した。このため、各社は国産や南半球などボージョレ以外のヌーボー(新酒)にも注力し始めている。 予約で6割埋まる 酒類の卸・小売りや輸入を手掛けるヴィノスやまざき(静岡市)の銀座店では15日午前、解禁が翌日午前0時に迫ったボージョレ・ヌーボーが続々と届き、開封・検品作業に追われた。 銀座店の小林航太店長は「今年はフランスで猛暑が続いた影響から、果実味が強まり、(フレッシュさが特徴の)ボージョレとは思えないほど〝濃い〟仕上がりになった」と説明する。 ヴィノスやまざきが輸入した分の約6割が既に予約で埋まるなど例年にない盛り上がりで、輸入量は前年比7%増やした。銀座店では4年ぶりに生産者を招いたカウントダウンイベントを開き、新型コロナウイルス禍明けの解禁日を祝う。 昨年は燃料費高騰に円安が重なり、ワイン大手が販売するボージョレ・ヌーボーの価格は最大で前年比2倍近くに跳ね上がった。今年も円安の逆風は続くものの、航空運賃の低下や物流の安定などで価格が下がっている。ヴィノスやまざきでは昨年5000円(税抜き)だった主力銘柄が今年は3580円になるなど、10年ぶりの値下げに踏み入った。担当者は「去年は高くて飲めなかった人にも買ってほしい」と期待する。 国産、豪州も台頭 一方、ボージョレ以外のヌーボーは既に続々と〝解禁〟されている。メルシャンは過去10年で販売量が1・6倍に伸びた日本ワインを広くアピールするため、昨年初めて発売した「シャトー・メルシャン日本の新酒 甲州&シャルドネ」を今年も今月1日に発売。地域限定で売り出す他の品種を合わせて計1万3100本の販売を予定している。 同社関係者は「日本を世界の銘醸地にしたい。価格高騰が激しいボージョレよりも、今後は日本ワインにより傾注したい」と話す。 また、成城石井は4日、オーストラリア産のワインの新酒「立冬ヌーヴォ」を発売した。欧州より地理的に近い豪州から船便で運べる利点を生かし、価格は一般的なボージョレ・ヌーボーより約1千円程度安い2178円(税込み)に抑えた。季節が逆の南半球で新酒を半年寝かせて出荷しているため、新酒ならではのフレッシュ感とともに、こってりした料理にも合わせやすい凝縮感のあるふくよかな味わいが特徴という。 成城石井の原昭彦社長は東京都内で1日開かれたイベントで「(初めて発売した)昨年は2カ月で(3万本が)完売するすばらしい結果だった。今年はもっともっと楽しんでいただきたい」とアピールしていた。(産経新聞) |
何年か前は大騒ぎしていたヌーボー。
このところは落ち着いた感があります。
好きな方が静かに楽しむ方がヌーボーらしいかも・・・