JA全農あきたは29日、2024年産米の概算金の基礎となる「JA概算金」を発表した。主力の「あきたこまち」は1等米60キロあたりで前年比4700円増(38%増)の1万6800円となり、現行の制度となった15年以降で最高額となった。全国的なコメ不足などの影響から大幅な引き上げとなり、農家からは歓迎する声が聞かれた。 各農協の組合長らが秋田市の秋田県JAビルで会議を開いて決定した。あきたこまちのJA概算金は3年連続の引き上げで、引き上げ幅も現行制度の10年間で最大だった。 その他の主な8銘柄も31〜41%引き上げられた。「ひとめぼれ」が1万6300円(前年比4800円増)、「めんこいな」と「ゆめおばこ」が1万5900円(同4700円増)など。本格デビューから3年目の「サキホコレ」は2年連続の引き上げで、1万9500円(同4700円増)だった。 大幅な引き上げの背景には、全国的なコメ不足などがある。昨年の猛暑の影響で市場への流通量が減少したことや、コロナ禍後にインバウンド(訪日外国人客)が急増して外食需要が高まったことに加え、自然災害の相次ぐ発生を受けて各家庭が備蓄を増やしたことも影響した。 農林水産省のまとめによると、6月末時点のコメの民間在庫量は、前年同月比で41万トン少ない156万トンとなり、比較可能な1999年以降で最も少なかった。 会議後、報道陣の取材に応じたJA秋田中央会の小松忠彦会長は、「3年間大雨被害が続き、『農業をやめる』という声が多い。米価を上げて少しでも農家の期待に応えたかった」と涙ながらに語った。コメの品薄については「9月末には順調に新米が出回る。安心してほしい」と述べた。 JA概算金が大幅に増額されたことに、大潟村のコメ農家の男性(50)は「農家に寄り添ってくれたと感じている。今年の水準が続けば、不作などから離農を考えていた人も続けてみようという気力が出てくるのではないか」と歓迎した。 秋田県の佐竹知事は「生産コストが拡大したことなどを背景に大幅に引き上げられたものと捉えている。県としては、高品質化、低コスト化や販路拡大を図るなど、より一層秋田米の競争力強化に向けて取り組む」との談話を出した。 ◆概算金=販売委託を受けた農協が生産者へ渡す前払い金。販売を取りまとめるJA全農あきたが各農協に支払う「JA概算金」を示し、各農協がそれを基に、実際に生産者に支払う「生産者概算金」を決める。(読売新聞) |
食事で必ず米は食べる人が減って、パンやパスタで済ませる方の割合がかなりあるのでしょう。
でも、世間で米が無いとなると買にはしる。
その米不足のおかげで米の概算額が上がる。
なんか複雑ですね。
かつては米農家に作付面積を減らさせ、その見返りに補助金を支給する減反政策が2018年まで行われていました。
でも今は農家が自己判断で作れるようです。
後継者の問題などあるようですが、農家の方々には頑張ってもらいたいです。