早朝8時、デタム通り周辺はすでににぎやか。格安ツアーを扱う旅行会社が集まるここから各地への長・中距離バスや各種ツアーバスが出発するため。かくいう私たちもこの日、カンボジア行きの航空券を購入したSINH CAFEのクチトンネルツアーに申し込んでた。
ようやくクチ行きのバスが到着。1人$4とは超格安(バス、英語ガイド料込み)。ちなみに一般的な日本語ガイドツアーに参加となると$40もする。
相変わらずのホーチミン市内の混雑を抜けるのにずいぶん時間がかかったけど、約1時間半ほどでクチに到着。で、まずは別料金のトンネル入場料($5)のチケットを購入(ツアーの場合はガイドさんがまとめて購入してくれる)。ビデオ室では簡単なトンネルの説明(英語)を観ることができる。
さて、いよいよ地下トンネルの見学へ。かつてのベトナム戦争の際には、過酷なゲリラ戦が行われた場所であることなど嘘のようにのどかな雰囲気。
木漏れ日がまぶしい林の中にはところどころ、当時米軍により投下されたB52の爆撃跡が残る。
ガイドさんの足が止まらなければ全く気付かないくらい小さな穴。ゲリラ戦の際には兵士がここに隠れてたらしい。
人ひとり入り込むのがやっとの大きさだ。
そしていよいよトンネルの入り口。かつて米軍による空爆と枯れ葉剤投下に対抗するために解放勢力(通称ベトコン)が掘ったトンネルは、何と250Kmにも及ぶらしい。しかも全て手掘りだそうだ。
同様にゲリラ戦を物語る恐怖の落とし穴。
ところで、戦後整備されたトンネルに入れるというので挑戦してみることに。
と、気軽に入ったものの…
実は灯かりもなく真っ暗(この写真、よくずれずに撮れたと思う…)。この先は這うようにしか進めない広さで、ひょっとして閉所恐怖症?と思うほど真面目に怖かった。
明かりが見えてホッと一息。ムッとする湿気と独特のにおいの中で生活しながらゲリラ戦を続けた当時の苦労を想う…
林の中には地雷によって爆破された米軍の戦車が残されてる。留守番隊は…男の子に戻ってた。
同様に本物の銃が撃てる(5弾で750円ほど)。その振動と爆音で身体が震えるわ耳は遠くなるわ…こんなものはひとつ残らずこの世からなくなればいいのに。
ひとまわりしたところでかつて兵士たちも食べていたタロイモとお茶が振舞われた。各国からの参加者がひとつのテーブルで同じイモをかじりながら、みなそれぞれに戦争の悲惨さを想ってみたりしてたのかな?
おだやかなクチを訪れてちょっとだけこの国の悲惨な歴史に触れた1日。戦いの日々はもう過去のことだけど、決して忘れてはならないと教えられた貴重な体験だった。できることならこんな傷跡に触れたくない、そう思ってた私だったけど、来てよかった。そう思えた。
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