奥様は海外添乗員〜メモリアル

添乗後記~アルハンブラの思い出

    

3000mを超えるシェラ・ネバダ山脈を背景とする山の上に築かれたアルハンブラ宮殿は、今やグラナダを、いやスペインを代表する観光地のひとつ。ここで見ることができるキリスト&イスラム文化の融合はとても言葉では表せないもの。

    

「アルハンブラ」とはアラブ語の「赤い城」。広い敷地内にはいくつかの美しい宮殿と庭園が広がるけれど、同時にここが重要な要塞であったことも思い起こさせる。

    

宮殿からはかつての旧市街(アルバイシン)が見渡せる。まさにここが約800年に渡ってこの国を支配したイスラムたちの最後の砦。

       

入り口にも描かれてるザクロはグラナダを意味し、この街のシンボルともなっている。ではここからいよいよ宮殿内でもっとも幻想的な世界が広がるナスル朝宮殿へ…

    

強い陽射しが遮られる内部は一見薄暗く感じるかも知れないけれど、ここが宮殿内で最も古い部分。祈祷室からはアルバイシンが望める。

    

無骨な外観からは想像できない繊細な造り。そしてあちこちで感じられる光と影のコントラスト、これがこの宮殿の魅力のひとつだ。

       

もともとは砂漠の民であるイスラムたちはこの宮殿内の随所に水の芸術を散りばめた。真っ青な空と宮殿が池に映る様に感動のアラヤネスの中庭。

       

そして有名なライオンの中庭。宮殿もここまで進んで来ると王たちのプライベートスペースに入っており、壁や柱に見られる装飾の繊細さがうかがえる。

    

宮殿から眺めるアルバイシン地区。その奥には、今でも洞窟住居でジプシーフラメンコを見せてくれるタブラオもある、サクロモンテの丘が広がる。

       

そして現存する宮殿内の庭園の中で最も美しいのが、ヘネラリフェ(離宮)に続く庭園。

    

綺麗に刈られた糸杉の壁が独特な雰囲気。

       

中でもここアセキアの庭園はスペイン・イスラム庭園の代表傑作。水しぶきとたくさんの緑から視覚的にも涼が取れる。

    

ヘネラリフェから望むアルハンブラ宮殿と奥に広がる新市街。

    

昔も今も多分変わることなくさんさんと降り注ぐ太陽。そんな下でここがイスラムたちの最後の砦として守られ、しかしついにレコンキスタ(キリスト教徒による国土回復運動)の勢いに圧され陥落した歴史を思うと、とっても不思議な気分になる。あの切ない音色の「アルハンブラの思い出」がどこからか流れてきそうだ…


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