奥様は海外添乗員〜メモリアル

美味しいナタを食べに行こう

          

ポルトからオビドスを廻り、再び戻って来たポルトガルの首都リスボン。それまで観光客らしき姿をほとんど見ることなく歩いて来たもんだから、地図を片手に市電に乗り込んで来る観光客やベレン地区に列を成して留まってる観光バスを目にして、やはりここは名実ともに国の都であると実感。この国が海運王国として栄華を誇った過去と、そして今だに素朴さを残す現在の国の魅力がたっぷり詰まった街だからね。

ところで今回美味しそうなものを探しながらのんびり歩いてて気づいたのは、どこの街もお菓子屋さんの多いこと。と言うより、カフェでもどこでもショーウインドゥに並んでるものがたいてい甘そうなお菓子(ばっかり)だという表現の方が正しいだろうか。いつだって一杯飲めそうな店を探し回ってる飲ん兵衛な二人にとると「ここもか」という印象は拭えず、ちょっぴり淋しい思いをしたもんだ。いったいどこへ行ったら飲めるんだぁ!と。この国の人は(外で)お酒を飲まないのか?って。でも考え方を変えてみれば「甘いもの好きな国=美味しいスイーツがいっぱいな国」ってことかも?確かに、かつて海を渡ってこの国のお菓子たちがたくさん日本に伝えられた歴史があるものね。

それじゃ~!最後の街リスボン滞在中は美味しいスイーツめぐりと行きますかぁ。となれば、まず足をのばさないわけにはいかないナタの老舗【Pasteis de Beren】。日本でエッグタルトとして知られる通称ナタはこの国ではもっともポピュラーなお菓子のうちのひとつ。街のあちこちのカフェのウインドゥに必ず並んでる人気ものだ。層になったパイ生地とタマゴをふんだんに使いこってりとしたカスタードクリームの美味しさは店ごとに異なるからナタの食べ歩きも楽しめる国ながら、やっぱりここのナタは絶品だといつも思ってしまう。

ジェロニモス修道院の近くのこの店はいつだって人だかり。カウンターごしにナタを注文しその場でパクつく人、奥のカフェテリアでコーヒーとともにのんびりいただく人、と、その楽しみ方は様々。とにかくここのナタの美味しさは、音がするほどパリパリの生地ととってもなめらかなクリームとの相性に尽きるだろうか。さすが170年以上の伝統を誇るだけある。街中から30分も市電に揺られながら足をのばすだけの価値あり!よ。


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