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ミラノといえば【ミラノ・ファッション】基地として、イタリアの中でもとりわけ華やかなイメージが強い街。確かに街の中心である大聖堂ドゥオモや美しいアーケード、それにモンテ・ナポレオーネ通り界隈を歩けばイメージ通りの世界が広がるミラノ。でもそんな街にもホッと息をつける場所はある。
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街の中心から少し南に位置する通称「ナヴォリ地区」。この界隈は今でも昔ながらの運河が残り、まさに古きよき時代がそのまま取り残されたような街並み。ここが同じミラノというだと、一瞬信じられないくらい静かな場所だ。
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もともとこのミラノは湿地帯だったため昔からたくさんの運河や水路が引かれ、小さな船が荷物を積んで行き交う街だった。もちろんヴェネチアほどではないにしろ、ここもやっぱり運河の街だったわけだ。そんな運河も今ではほんのわずかしか残らない。
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ティチネーゼ門から延びるナヴォリ運河がそれ。運河に沿う街並みは多分昔とそう変わらないんだろうけど、運河の中に残る水門と信号機がどこか淋しそう。
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今では月1回の骨董市(毎月最終日曜日)にたくさんの観光客を呼ぶくらいで、普段は実に静かな時間が流れている場所。飾らない庶民の生活が垣間見れる運河に沿って歩いていると、イタリアがまた身近に感じられたりもする。
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