ヨーロッパへ出かけると到着早々よく受ける質問が「コンビニってないんですか?」。特にヨーロッパははじめてという若い子からはかなりの頻度で受けるもの。そうね、あると便利よね~コンビニ。わが国にはじめて朝7時から夜中の11時まで開いてるお店ができていったい何年経つのやら。いまじゃ名前はそのまま24時間営業だもんね。それもずいぶんライバル店も増えて、よっぽど民家のない田舎にでもいかない限り、日本じゃどこへ行ったって「開いててよかったぁ!」的な恩恵にあずかれる。それも今じゃ当然と化し、ありがたみも薄れてるけど。ヨーロッパへ出かけるようになってやっぱり実感する、日本における日々の生活がいかに便利かってこと。でも逆にあまりにも便利すぎるんじゃないかとひねくれた思いに駆られるのも事実。そんな便利性を追求するあまり犠牲にしてるもの、あると思うしね。
ヨーロッパとひとことでいってももちろんたくさんの国があるし、同じ国であっても大都市部と田舎の町や村では生活習慣も大きく異なる。だから一概に言えることじゃないけど、一般的な話ヨーロッパには日本やアジアの一部にあるようなコンビニのチェーン店はない。もっとも、国際列車も入る大都市の駅構内には24時間開いてるスーパーがないわけじゃないし、パリのシャンゼリゼ界隈には24時間オープンしてるスーパーもお目見えした。ヨーロッパも大きな都市を中心に、安息日として「休まなきゃいけない」日曜日に税金を払ってまでお店を開ける傾向もあるし、どんどん変わりつつあることは間違いないけどね。それでも一般的には24時間営業はおろか、夜中まで開いてる店はほとんどないと言っていい。
ではなぜ?私とて各国の法律の内容までは知らないし、事実のほどは全く不明だけど、たぶん人々の生活習慣や価値観の違いと思っていいんじゃないかな。あれば便利だと思うのは確か。でも誰がそこで働くの?その店の店員は?物を運ぶ業者は?きっと誰も働きたくないはず、夜中になんか。大切な家族と過ごす団欒の時間がなくなっちゃうよ!なんて悲鳴にも似た声が聞こえてきそう。ただでも労働者を守るための労組の力が強い場所だしね。きっと最後は「昼間買い物すればそれで済むことじゃない」って落ち着く。なにしろ私たちがただでさえ不便だと思ってしまう「日曜定休」でさえ当たり前な国。「土曜日に買い物を済ませれば済むこと」だもんね。
そしてもうひとつ、やっぱりネックになるであろう治安の問題。もちろん全てではないけどスーパーにさえ警備員はいる。大きな荷物や他店での買い物袋は持って入れないから入り口で預けることも。クレジットカードや小切手を使えるような大型店では身分証明書の提示まで要求されたり。入り口と出口は基本的に別で、必ずレジを通らないと外には出れない構造。もちろん買わなきゃ出れないって意味じゃなくてね。治安の上で日本とは雲泥の違いのあるそんなヨーロッパでひと気もまばらな深夜営業はやっぱり、ねぇ?ちなみにそんなヨーロッパだから当然のごとく街中に自販機なんてものもない。物を置いておけば間違いなくなくなる国だからね。稀にあるとすればホテルの中。タバコやちょっとしたドリンク、お菓子の自販機が廊下の暗がりに置かれてたりする。ただこんなもの利用してる人っているのかな?と賞味期限が気になったり。知れば知るほどいろ~んな意味でヨーロッパってレトロな場所なの。
これは出発時の話。時おり国内旅行に出かけるのかと思ってしまうくらい荷物の小さい方がいて、「荷造りがコンパクトですね~!」なんて話をしてたら「必要なものがあったらむこうで買えばいいと思って何も持って来なかったの。」って。えっ!って、どこで?日本のホテルのようには歯ブラシもシェーバーも、ましてや寝巻きもスリッパも置かれてないヨーロッパのホテル。星がいっぱい並んでるラグジュアリーなホテルに泊まるならまだしも、一般的なホテルの備品ってとっても簡素。到着してからそれを知っても時すでに遅し。遅くまで開いてるスーパーもコンビニもありませんからぁ~!でも大丈夫。ほら、空港内にもありますから、コンビニ♪
写真はかつてのワイン倉庫を利用したショッピングモール、ベルシー・ヴィラージュ(パリ)
みなさんからのコメントはいつも楽しく読ませていただいています。ただ諸々の理由によりこの年明けからコメントへのお返しはしていませんのでどうぞご了承下さい。また旅関係のご質問やリクエストに関しては、できるだけ今後のブログ上に反映させていきたいと思っています。
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