奥様は海外添乗員〜メモリアル

添乗後記~スペインでみつけた春本番

    

いよいよ次の日曜日からはじまる聖週間。スペインではイースター(復活祭)までのこの一週間をセマーナ・サンタと呼ぶ。イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスとならぶお祝い事であるこのイースターは有名なところだけど、実はその一週間前にさかのぼったところからこの日を迎えるにあたって実に様々な行事が行われる。各教会からイエス・キリストやマリア様の像がお神輿や山車のように担ぎ出されて街中をねり歩くのがこの国では一般的。特にセビーリャやトレドのものは有名だ。

    

「春分の次の最初の満月の次の日曜日」と定められているイースターは毎年その日が変わる移動祝祭日で、今年は4月12日(ただしギリシャなどの東方教会では4月19日)。早い年は3月の下旬にやってくることもあるから、今年はずいぶん遅い方。だからさぞかし皆この日を今か今かと待ち望んでいることだろう。なにしろこの期間は日本のゴールデンウイークよろしく国全体が春休みモード一色となって、故郷へ里帰りする人や旅行する人たちでスペイン国内はもとよりヨーロッパ中が民族大移動を起こすからね。宗教行事であることは間違いないけど、春先にやってくるイースターを待ち望む人たちの心は同時に春を迎えることへの喜びに溢れているよう。

    

イースター近くなるとヨーロッパ各地で目につく飾りものにもそんな気持ちが表れているよね。復活や生命の誕生を意味するたまごにそれを産む鶏、そして春を呼ぶ使者うさぎ。でもどれもこれもスペインではあまり目にする機会がないもの。実はこういったものを飾る習慣は今でこそ各国でポピュラーになったけど、もとはゲルマン系民族の春を迎える祭りがその由来らしい。だからカラフルな色や模様をつけたイースター・エッグや多産の象徴であるイースター・バニーを飾ることは今でも北ヨーロッパの方が盛んだよね。寒くて長い冬がようやく終わるっていう喜びと重なるからかな。

    

クリスマスにしろイースターにしろ、同じ宗教行事のお祝いとはいってもやっぱりお国柄が出るから興味深いもの。同様にこの時季に食べられるお菓子も国によって様々。スペインではたまごやうさぎ型のチョコレートももちろん出回るけど、トリハスというフレンチトーストに似たものや、ロスキージャスという揚げドーナツが一般的。この期間にヨーロッパを旅すれば、普段はお目にかかれないものもいっぱい。普段の旅とは違った楽しみも味わえるよ。

    

ただし、注意しなきゃならないこともいろいろ。いよいよクライマックスを迎える聖なる金曜日(イエス・キリストが十字架にかけられ亡くなる日)から復活を遂げる日曜日、そして場合によってはその翌日の聖なる月曜日(イースター・マンデー)にかけては頻繁に信者さんたちだけのミサも行われるから、教会の見学には制約が出る場合も。またイースターと翌日のイースター・マンデーがナショナル・ホリデーになってる国や地域では、この両日に関しては美術館や博物館、レストランや商店などかなりの確率で休業となるので事前に確認を。もちろん昔のように全てが閉まることは今の時代なくなったけど。そうそう、この期間はロスバゲ(飛行機に預けた荷物の紛失)にも注意しないと…長期戦になることが予想されるから(汗)。いづれにせよ、いよいよ春本番。みなさんも楽しいイースター・ホリデーを!



みなさんからのコメントはいつも楽しく読ませていただいています。ただ諸々の理由によりこの年明けからコメントへのお返しはしていませんのでどうぞご了承下さい。また旅関係のご質問やリクエストに関しては、できるだけ今後のブログ上に反映させていきたいと思っています。

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