或る詩人の独白

2025-01-23 | 筆録

みなそれぞれ不幸があると思うが、

先ず、私の幸福は芸術に心酔できた事、最大の不幸は会社の駒として社会に属さなければ成らなかった事。

はじめたての創作ではとても食ってゆかれ無いから、〇〇会社の市川ですっとか云って、「俺は俺じゃねえか」って沸き上がる強力な自我。心酔しているから、芸術が万物で最も崇高であると揺るぎのない思想に基づく者からしてみれば、此れは言わば戯け。

地獄の様な気持で俗に染まりつつ、儚い収入を得て、それでも困窮し湯にルウを溶かし安い焼き鳥かなにかの缶詰を入れたカレーライスで一日の食事を賄うことはざらであったし、阿呆(あほう)みたいに戯けてばかりの自分を何とかしたくて職も替え、家が無くなって見知らぬ人とアパートで暮らしながら住み込みの農家のバイトをしたり、村の長屋でホームスーパーで買うたホースで身体を洗う様な不様な生活をしたりと、

それでも行く場所行く場所には、困窮を極める自分に何度かコンビニエンスストアーの惣菜を大量に買い、与えて下さった者が居たり、いまより余程つたない私のくだらぬ絵や売れぬ私家版の単行本を或いは金の、生活の為に購入下さった者、一般の者では在るが、芸術の才をみとめ信じて下さった者、などが居て、どうやら自分は他人に施され易い質、とか云うたらあれだけれども、其れも私にそなわる小さな幸福として受け止めておくと為る。居る。

自分より苦しい者をまわりに知らぬ程が、少しずつそうでも無くなってきている、と云うのは此れはまぎれも無い幸福。車を買えたり、詩を撚る時間がふえたり、少し嬉しい事があったのなら、好い寿司とか、そう云うもの無理無くさらっと食べに行けたり、はして、それでも当然裕福では無いのだけれど、其れは私は未だ未だ駆け出しの作家であって、未だ未だ拙い詩を書いて仕舞ったりもする有様であるからであり、

それでも存在のなか、矛盾と人生の本質をうばう社会の中世俗の中人間同士の中、不安の中愛の中悲しみの中、それを内面的に感じて居る繊細で生きづらくて、共感・共鳴する私とおなじ全て・各種の心の為に詩を書いてこましたるど。とは云うものの、今日は何だか訳が分からずにやる気が出ないので、詩作は諦め、何だか楽しく生ける、という俺の生の自由、惰性・怠けをも共感・共鳴して呉れるとも思っている。こころの為に。


人生に緊張する。という事は、つまり

2025-01-22 | 筆録

普段、わたくし觜川おんが直に話す事は無いですが、

 

此所の名称は、

「美男子俱楽部」より「詩人生における、人生による人生と云う緊張」

というものに変わりました。

 

記事の閲覧数が2万回に到達します。

一文でも拙作に触れてくださった皆さま、誠にありがとうございます。

 

新作、「いぶし魂(人生の高天原)」の読みは、

「いぶしたましい(じんせいのたかまがはら)」で、御座います。

 

さて、

人生に緊張する。という事についてですが、

 

済みません、詩作があるので

また今度とします。

 

 

 

      2025.1.22 觜川おん


ずらずらずら。

2024-02-06 | 筆録

久しゅう

世俗に出た途端、悪に晒された。

私に傘をうちあてる者が在った。

よけんかい、こら。

「頭ボケとんのか。」

むかついた。おれはとても繊細だから。

おばはんであった。

精神はこの世にあらず。我に何言うても無意味也。と言うた様なすました顔面をしていた。腹立つ。

それと同時に、この世のあらゆる憎しみとそれにより行われる様々な争い。それによって満ちるこの世界とそう言う可哀相な世相と生けるかけがえのないしかし最強である可哀相な自分のなかの世界との隙間に存在しえる真正世界を悟るように見ゆるけがれた目をしていた。つまり阿呆。下らぬ奴である。

 

この自分が最強である事を信じて疑わず虚妄である自分だけの真理に夢中で、現実を直視せず他を敵と見做し排除しようとする機関車おばはんに。

傘をうちあてられやや目の上が濡れた俺は、復讐に燃え同じ世界の住人に成ろうとした。それは、真正世界。

つまり端から、自分もよけようとせず、どころか新幹線の如く猛スピードで突進、かさをおばはんにぶち当ててけがれた目をする。自分がダメージを負う事は承知の上、自分だけが悲しく苦苦しい思いをするのはナイーブな自意識が傷ついて嫌なので、先手必勝、とりあえず相手に自分が受ける以上のダメージを与える。これで相手の方が自分よりも嫌な思いをする。くふふ。こーれで。唯一無二の大切な私の自意識は綺麗なまま守られた。

自分、及びその周辺の自分が大切だと思う者、それ以外は知った事か。どうなろうと。世界でたった一つだけの、ナイーブな存在、かけがえのない自分。其れが私。それが守られれば良い。

極論、他は死んだって構わない。むしろ死んで欲しいですよねー。

という様な思想を一丁前にもったオタク族的なごく一般的な人民に為り下がり掛けたが、高踏的な私は辞めた。

何故なら、私には例えばこういう話を只で聞いてくれる仲間と、愛する人が居るから。

他人はどうでも良いといった下劣なケダモノに愛されて幸福な人間はいない。

俺は愛する者の為、愛を与える人と為るのだ。

と、気を取り直して歩くと、全員

死んだ昆布のやうな目なこと。

その様な腐った目で見るのは、やめてくれないか。

他と私の 服と服 身体と身体 がこすれて気色が悪い。

バスの運転手にタメ口を利かれた。

何様じゃ、こら。

「口のききかたに気をつけろ。」

なめとったらあかんど、あほんだら。

 

俺はこう云った悪に晒されたとき

自分の心を守るために自殺などしない

自殺をした者は或る意味では天才じゃが。

「私の武器はペンだ。」

何故なら、俺は作家だから。

万年筆だ愛すべき人から貰った逸品。

此の手帖

そう云う意味でらくになる。倖せになる。

例えば、このような悪に晒されても誰か。

この御仁も、中原中也もこの様な体験、思いをしている。のだからといい、やや救われる。

やや安心する。

ややらくになる。

やや気楽になる。

しかし私はそう思われる側に立たなければならない。

何故なら俺は、表現者だからや

 

云うてますけど........

 

 

この冷え冷えの珍事が常。

皆さま。ワイン飲んだらええとおもいます。


怒り

2024-01-07 | 筆録

この時間あの時間。いつも俺は怒っていた

とても腹だたしい事であるしかし辛いことである

腹だたしいとは辛い事である 苦しいことである

嫌なことをされたかも知れない

ひどいことをされたのかも知れない この時間あの時間

君に手紙をおくりたい 百枚くらいになるかも知れない

一切の怒りが無いことを約束する。それは、とても残忍な事である

 

(低俗が、事実だけをみ掛けて、一緒にするな。俺たちに何も言うな。)

責められた若者は 私なんかはと言う

私に好かれて最強である筈のあなたにそう言わせてしまうのは

とても残忍なことである。

後悔している。安心してくれ

手紙にはそれが書いてある

酒なんか飲まないで帰ってきてくれないか

 

君は待っていたのだ。

怒りにまかせたあの時間この時間

もし俺が怒ったなら、頬をふくらませる

それだけだからね

怒りが無いという事は辛くて悲しい事だからね

だから、俺は世界で一番頬をふくらませるのかも知れない

世界で一番かわいい君みたいに

それを手紙に書いてある