『哲学者のあほどもえ』

2024-03-20 | 

薄暮の頃に、手間暇かけてわざわざおまえに

あいにいくという事は 要は死が怖いのだ

俺は死を怖れる余り、おまえにあってしまったのだ

結句 返り討ち、んで俺蜂の巣でしょ

俺、蜂の巣になってる間 たしかに幸わせだったよ

なんでか。

要は死が怖いのだ

おまえ不様に煙草吸ってた 要は死が怖いのだ

それに気づけ、あほんだら

ショッピングして旨いもん食うな

要は死が怖いのだから、そう云って買え食え

ぼやかすな

直視しろ

そうして君は一度不幸になる。

それから幸福になる、といった一連の事実の真実にいい加減気付いたほうがいい

 

しかし今日のおまえは見事に最低だった

人間ですら無かった

人間に為れていなかった

なんでか。

俺の面前で電話にでるな

俺は要は死が怖いんだから。

要は死が怖ぇとは思いますがぁー、とか云いながら出たって

語尾のばすな、がぁー、って語尾のばすな

事実をみろ、誤魔化すな

がぁーで繕うな

さては、がぁーってのばしている間、免れるつもりで居るな

要は死が怖いということを。姑息な生の詐欺

それがお前

おまえ自身

それを俺は看破

なんでか。

 

俺が大部分、考えている事はあれ

おまえは恋愛とかでしょ。御仕事とかでしょ。

俺はちゃうねえ

直視してるよ、死と云う事実を

それは死なずに死ぬ方策を

けどおまえははっきり云うて、あほやったね

精精、所得上げる汚ぇやり口女ものにする痛ましい遣り方

市民税くたばれって願って祈って、嘆ずるが関の山

だが気づけ、その瞬間君はたしかに幸わせなのだ

死と現時点の隙間に淡紅色の煙を撒いているに過ぎぬ事を

要は死が怖いのだ、がぁー

 

だから煙草、すうんじゃろ

すうな

日輪直視してみろよ、なにもみえなくなるまで

生を謳歌なんて嘯く阿呆どもえ

おまえが生を楽しむという事は、おまえは分かって居るのだ

おまえが救い様の無い程に悲惨な存在であること

だからおまえは敢えて楽しもうとするのだ

それは浮輪に乗り濡れる事なく何処までも何時までもぷかぷかと漂い続ける末人の如くに惨めで情けなく、そして妬ましい、いざ死ぬる時おまえは気付くのだおまえは自力では少しも進んでいなかった事実に泳ぎ方を知らぬ事にだから転覆などしてあっさりと死ぬ事

泳ぎつづけよ

自らの意思で、定見の元

海に出よ、大海を知れ

苦悶と息継ぎを繰り返し。進み続けよ

そうしなくては生きられなくなるほどに

そう思っては民営プールでわたくし達ショック

 

其れよりチェスやろう

要は死を忘れたいだけなので、

碁でも象棋でも

田中でも山口でも、歩美でも正子でもフランクでも

一之瀬でも觜川でも。

みんなで

豆食ったりしよう

それでも家帰って、毎日寝るでしょ

そんな夜俺は怖ぇですから

考えて考える事を考えて考える事を考えては考えて考える事を考えて考える事を考えて

 

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて

考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて


顔面で会話するな。幸福になれ

2024-03-13 | エッセイ

 じぶんなんかは、人からよく注視される。それは往来、駅や車に乗っている時でさえ執拗に、中をわざわざ覗き込む様な感じで見られるのであって、はて、自分の美貌、はたまた、背丈がすこしばかり高いからか中性的、高踏的、詩人的な雰囲気及びオーラが醸し出されているのか、或いは、背後に半透明なおばあはんがぶら下がって居るのかも知らんけれども、かならずしも羨望、恍惚的な視線でない処に、私は困っている。

 それは何かというと、はっきり云って、何か文句言いた気の視線なのである。

 例えば自分が往来を一人、歩いていて、やや右斜め前から猛烈な視線を感じる。視線の元を辿ると、ひとりの男がすげぇ文句言いた気の視線で熱心にこちらを見ている。困るのは、そう云った人間はすげぇ文句言いた気の視線を人様に送っておいて「文句あんのぉ?」といった顔面をしている、という点。無かったよ、文句。はっきり云って今はあるよ。文句あんのぉ?で文句できたよ、逆に。逆に文句あるよ。明らかに、俺は文句あるぜって顔面をされたので、こちらは当然「何だよ」って顔。すると先に見て来たのは其方なのに「何だよって何だよ」って顔面。顔面と顔面。Gメール。って思いつつ、はっきり「俺はお前に文句がある」と口頭で云ってくれれば「聞こうじゃねえか」とか「今は時間が無いから無理」とか言い様が様々あるのだけれども、そういう人間は必ずと言っていいほど口では決して何も言わぬ主義を持ち合わせているので、何も言えない。只、自分と相手の目と目がかち合ってからお互いを通り過ぎる迄、只管無言にて文句あんの?文句あんの?文句あんの?と顔面で必死に訴え連呼するだけである。顔面で連呼するな、あほ。

 そもそも、人の顔を何か云う程の理由も無く、じっと見る事は不躾である。くそみたいな顔面を俺の潔癖なまなこに張り付けるな。

 分からないのは、都市の往来、仰山な人が行き交うにも関わらず、何故あえて自分だけを注視するのかという点で、もし全員にその様な卑賤な視線を送り付けているのだとしたら、その人は高速あっちむいてほいを一人やっているかのような状態で歩いていなければおかしいし、新宿駅の地下鉄などでは顔が高速に動きすぎて残像でケルベロスみたいになっていないとおかしい。しかし、そうではなく、みな俺の顔だけを選び巡り会うたかの様に注視するので、面妖な、って考えている時点で、敗北。

 そんな不躾で下賤なやつのことをちまちま考えている時間が無駄、無駄な時間を過ごすとは不幸な。人の真意などいくら考えても分からぬのだから、いらいらねちねち考えるだけ損であり不幸である。只、今回この随筆を通して、せめて俺は笑っていようと思う。笑った顔面。何故ならこのままでは、不幸の連鎖だ。このままでは、世界中の人々がみな不幸の顔面になってしまう。俺は、これを幸福に変えたい。幸福を与えたい。哲学者アランは『幸福論』で、幸福だから笑うのではなく笑うから幸福なのだと云った。自身の幸福無くして人を幸福にはできない、また不機嫌は伝染する、と。俺は自分の幸福のために自分の、そして人の情念を捨て、微笑んで生きるのだ。

 と心機一転、ぴかぴかの俺は仕事に行き、部下がへまをしても微笑んでこれを許し、微笑みながら昼食を取り、微笑みながら花束を作ったりして、微笑みながら仕事を終えたので微笑みながらパーソナルコンピューターを閉じて帰ろうとしたら幸福を与えた筈の部下に「市川さん、今日変でしたよ」って怪訝な顔面で云われたので「文句あんのぉ?」って顔。


本屋で砕けて、麦女三種、肉男

2024-03-12 | 

本屋で、俺はまた破壊。

世界のアーティスト二〇二四。という冊子が目に入ったからだ。いやぁ、桑原桑原。俺はバック。

もうね、俺なんかは業腹ですよ。一体、このなかに何人芸術家がいるのかっつう話ですよ

もう、この本、買ってですよ、

切り刻んでね、紙切れを、フライパンにぺたぺた貼り付けてコラージュ

その上でピラフ作ったほうがいいですよ、芸術ですよ、茶ァすすみますよ

焼きうどんでもいいですよ。その辺から攻めて行かないと、世界変わんねぇですよ

包括すんの、早えですよ。まだ弥生

世界のアーティスト二〇二四、候補。と、せんかい阿呆ン陀羅

まだ三月に居るおまえが、二〇二四を包括すな。

主観を語るな、ぼけ

窓のそとに雨。

書店で粉々に砕けたじぶんが、綺麗に散らかって、

それがあなたがたの命をコラージュして、

そのうえで、無加工調理されたつるつるのピラフ人間がきょう日の芸術家候補として包括されるべき


この場所で 破壊せられる 蝦どりあ

2024-03-09 | 

 

  このばしょで

 

この様な場所でコミックを読むのはやめろ。

そしてこの様な場所には仰山書冊が

あると云うのに態態コミックじゃなくたっていいじゃねえかってのは俺、

純文学とか読めっつうんだよ純文学、純純純

この様な場所ではさぁ

んでコミック読んでる僕、撲殺される?それとも絞殺?

大体、マスター、惘れてるよそりゃそうだろう

註文に十五分以上掛かってんだからピリピリしてるよ

で、結局フォンダン・ショコラ。

結句フォンダン

この様な場所で?ありえんありえん

マスターかんかんよ「結句フォンダン一丁」

マスター、怒らすなよ

マスター怒ると手ぇ付けられねえんだから

マスター、急にキレるタイプなんだよ、唐突なタイプ

痴漢撃退スプレーとか持ってんだから、六十五なのに

生涯酒飲んだこと無えってんだから

知らねえけど

この様な場所・空間を作った人間なんだから、そんな感じだろうね、きっと

だから結句フォンダンは実際やべえし、

況してコミックなんぞ読んだ僕は蜂の巣だなぁ、きっと

 

  破壊せられる

 

この場所で この時間で

俺はコミックを読んで破裂している

破壊せられている

手にとって、ページを捲った俺が馬鹿だった

だって知ってる表題、映画の近因?これが

ちょっと気になるっつって馬鹿が俺

「きえぇ」短い絶叫、腐乱の死に目

それが、俺

笑うマスター、笑うフォンダン

情婦あこがれのコミック、失われたプロポーズのことばが

あぁ 思考が断裂して。

 

  蝦どりあ

 

はっきり云って、後悔はねぇけど

腹が減る、しかしまだ十六時

もう蝦どりあ?いや。ドリア?

早えよ、サラダ&ドリンク後菓子付いて千六百円

けどおれココア飲みてえ

セットドリンクにココア無えんだもん。

ココア単品七百円

けど腹へり。

そこで、フォンダン登場

蝦ドリア、ココア、フォンダンの戦争

抗争、やめろ争うのは。

十五分強で鎮火

フォンダンの勝利。結句フォンダン。

勝因はマスターの圧、思考によるひずみで腹へりの低下

ココア、優勢かと思われたが

フォンダン、ハンドドリップコーヒーとで友情価格千百円

全ての全ての全ての決定権を握る札入れが最終的にフォンダンに傾き落ちついたのが決め手でしたねえ

ココア飲めねえけど、

正直俺、俳人っつっても許されなかったよ

響いたのは。

 

 札束の 悲哀のひかり 生ける価値(バリュー)

 

この様な場所では

それが、それだけが響いて。


『膨張と圧縮を繰り返し、俺へなへな』

2024-03-08 | 小説

 俺は歩いている。

 訳がわからない。

 空と、地表の間で俺は圧縮・圧搾されている。されている。家にいても、外に居ても俺は一人なのに。昼過ぎ迄は、そんな俺、さっぱり快調だったよ。

 車でカフェーに行った。マイカー。かねてからきわめて洒落ていて、近所であったため一度は行ってみようかしらんと思っていたのだけれども、どうも一人では入りづらい。洒落ていない奴は。しかし俺ははっきり云って洒落ているので、一人で入る。店に入って席を確保したのち自家製レモネードを誂え、まずは周囲の様子を伺うと、殆どがカップル・女の子二人組とかだった。俺はほっそぉおくなった。詰まり委縮。先の虚勢は虚無え。まぎれも無い眼前で巻き起こる現実の洒落。いちゃいちゃして楽しそうなアベック。きゃわきゃわして楽しそうな女の子たち。きゃつらときゃつらのハートフルピンクの隙間で、潰されて、俺はメキシカンブルー。圧縮、ほっそぉおく。

 レモネードの中にサボテンが。窓の外を見た。大きい窓。窓の外に公園。パーク。公園の中に湖。の手前に映る自分。俺。洒落ている。髪も長いので女の子にもみえる。お顔が奇麗。俺が此のきわめて洒落た空間に居る必然性を感じ、再度膨張。ぼうちょう。

 窓から目を離し。読書。再度、よく周囲を確認してみる。自分の席から一番離れた、左斜め先の席に、ものすげえ美女がいた。俺は思った。ものすげえ美女がいる。ものすげえ美女がいる。一度声に出してみようかと思った。やめた。ものすげえ美女がいたので、ものすげえ美女がいると思ってはみたが、実際にそれ以外は何も思わなかった。空しい。ものすげえ美女がいるのに。

 俺は、この美女が自宅で人並みに自炊したり衣服を洗濯して干したり、寝台のうえでぐだぐだ、ぐにゃぐにゃする様子を想像してみた。流石は美女。何をしても絵になるっつうか、動作一つ一つに説得力がある気がする。家事のひかり。家政のかがやき。例えば、チャーハンを作りこれを食らい油でぎとぎとのフライパンをスポンジで洗う様子までもが美しい。洗濯機に衣服を突っ込む様も愛らしい。つまり、これは俺だ。この美女が人並みに普遍的に生活する様が自分とぴったりと重なって。

 もしも、自分が他と等しく家事をしている様。これを人が見たら人も、この美女に俺が感じた家事のひかり・家政のかがやきを感じるのだろう。それ程に俺は美しかった。自意識の膨張。俺は実に快調な気分で。

 しかし、今、俺は空と地表の間で圧縮されている。はっきり云って、俺は作家。文筆に生涯を掛けて居る。ライフワーク。つまり、俺の生涯で起きているあらゆる出来事は俺の作品。俺の文筆に行き着かなければ無駄という事で、一人カフェーから家に帰って来たものの、なんか家に一人で居たくない気分に、急激になって、無闇に外出、是れまた別の近所のカフェーに向かう道中で圧縮された。その行為自体無駄に思えたのである。道の先で、空と地面が張り付いている。道の先で。

 一度家を出てしまったものを、引き返しては無駄が無駄になってしまう。無駄の無駄。俺は夜の空と地表をべりべり剝がしながら、進んだ。先で発狂する者がいた。横を後ろに子供を乗せた自転車をママンが漕いで、過ぎ去る。狂気と愛と平穏のにおいが混在、世の中ごちゃごちゃだなぁ。惡と和平のカフェラッテ。闇と温和のカクテール。ごちゃ混ぜで表層に浮く秩序、犠牲のパセリ。

 やっとのおもいで店に入ったら入ったで、机の端に花瓶、花。黄色のスターチス。座席と座席の間に藁の仕切り。サイドの観賞用植物。空のでけえ鉢。棚の上にミニカー。水槽。店主の拘りとBGMの頭の悪いレゲエでうげぇ。更に圧縮・圧搾されて、もはやセルに養分を吸収されたピッコロのうで。うでぇ。訳が分からない。セルに搾取されつつヒーコーを誤飲していたら三人の女の子が御来店。結構かわいくて、俺、また膨張して。

 ぶくぶくで、店を出る。店を出るとき、俺は店主に御馳走様と云った。そう云えば俺は小さい頃、御馳走様と言うのをごっちょっちゃんと言っていた。はずかしい。小さくて、御馳走様と発音できなかった訳ではなく、あえてごっちょっちゃんと言っていた。何故その様な羞恥無き事をするのか。わからない。もはや何も。

 コンビニエンスストアーに立ち寄り、水道代・電気代を共に支払う。眼前にハタチくらいの店員の男。客の目を一切見ようとはせず、口元でぼそぼそと喋り、俺が金を財布から取り出している間、どこかへ消える有り様。目の前の客を差し置いて、何がそんなに忙しいのだろうか。ちゃんと喋れあほんだら。はっきりいって、圧縮された俺でももっとちゃんとしてるよ。今はやや膨張しているけども。おまえまで俺を圧縮する訳?ごっちょっちゃん。多分、この餓鬼はごっちょっちゃんを言わぬタイプ。まだ若いと云うのに無気力。活気が無い。堕落している。のは、ママンが漕ぐ自転車の後ろに乗っていた際、俺の行く先、空と地表の。