少しだけ One for All

公的病院の勤務医です。新型コロナウイルスをテーマの中心として、医療現場から率直に綴りたいと思います。

WHOの役割とは? 2   ---戦いの歩み 2 ---

2021-11-16 01:22:00 | 日記

  

 WHO(世界保健機関)は、武漢がロックダウンしたにも関わらず、中国へ渡航制限をする国を非難し、2020年2月の中国の春節で大量に中国から海外へ人が流出するようにしました。そのことで感染が広がることを知らなかったはずがありません。知っていながらそうしたとしか考えられません。
 
 中国は、コロナウイルスが空気感染(エアロゾル感染)することを早々に知っていました((参考)WHOの役割とは?)。不安から検査を求めて検査機関に人々が殺到し、まさに3密の見本のようにすし詰めになった各国のPCR検査場で、人から人へ、次々とねずみ算式に感染者が増えていくのをわかっていたはずです。中国と一体化していたWHOも知らなかったはずはありませんし、たとえ情報をもたらされていなくとも、自分たちで集めた情報から、空気感染(エアロゾル感染)で感染者が増えていくことを容易に推測できたはずです。空気感染するかしないかは、それくらい簡単な判断でわかる事実です。できなければ彼らは専門家でもなんでもありません。そんなこともわからないような実力ならば、ただの迷惑です。この場合の無能は、実害を及ぼします。すぐにその仕事はやめるべきです。判断は難しくなどありません。そして、大量検査をすることで、大量の感染者を生み出すことを知っていながら、指導すらしませんでした。
 それどころか、覚えている人もいるでしょう。そのとき、WHOの総長は、「テスト、テスト、テスト(とにかくどんどんPCR検査をしろ)」と言っていたのです。感染が引き起こされることが明白な検査場へと人々を駆り立てて、大勢の感染者を生み出すように誘導していました。感染者が大量に生まれることを知らなかったとでも?そんなことは100%ありえません。私には、WHOには悪意しか感じられませんでした。
 
 WHOは感染の火消しをする消防署のように世界中の人が信じていました。その信頼を利用して、現実は全く逆のことをしていました。火事を消すのではなく、火を燃え広げるためのことを一生懸命していました。
 
 なんのためにそんなことをしていたか、は私にはわかりません。ただ、これは紛れもない事実です。WHOが行ってきたことは、記録にも残っている事実です。なんのためにそうしたのかはわかりませんが、WHOは言ってみればパンデミックを一生懸命つくったのです。
 パンデミック宣言も遅れに遅れました。きちんと完成するまで、後戻りができなくなるまで宣言もしませんでした。晴れてパンデミックが完成し、世界が混乱に陥って取り返しがつかなくなったのを確認し、7月になってようやく今さらのように「空気感染をしている可能性がある」などと言い始めました。なんと悪質なことでしょう。
 
 WHOがこのようなばかげたことをしたのは、本当に一体何のためだったのでしょうか?
 mRNAワクチンについて「陰謀論」が賑やかです。そのことで世界で戦い続けているワクチン反対派の人たちがいます。個人の考えは自由ですから、戦うなら戦えばと思いますが、「陰謀論」と戦うのであれば、是非ともまずはこのパンデミックを生み出したWHOの「陰謀」を取り上げて戦っていただきたいと、私などは思います。mRNAワクチンよりも、根拠も証拠も鮮やかです。陰謀論から世界を守りたいという情熱を、是非ともWHOの陰謀に向けて貰いたいです。でも、そんな人がほぼ皆無なのはなぜでしょう?mRNAワクチンの「陰謀論」を企てる人たちと、WHOの「陰謀」を企てた人たちが根っこでつながっているから?とかってつい勘ぐってしまう所以です。
 
 日本の専門家会議(今の政府の分科会)は聡明でした。世界中がパニックのように、競うように施行していたPCRの大量検査をあっさりと棄却しました。その聡明さ、その優秀さが、今になれば誰にでもわかるのではないでしょうか?コロナの感染形式、感染形態が今のように明らかになっていれば、誰があのような大量検査を施行するでしょうか。専門家会議は見通していたのです。
 しかも、専門家会議が真っ先に挙げた注意点が「3密(密閉・密集・密接)を避ける」でした。これがいかに的確だったか。批判ばかりするのではなく、素晴らしく優秀だったところはきちんと讃えるべきだと思います。日本は同調圧力の国、などと言う人がいます。確かにそういう部分もあるでしょうが、専門家会議は、世界からの同調圧力、すなわち大量検査をすることや、マスクをつけないことや、そんな同調圧力をあっさりとはねのけ、国民を守るために、自分たちで正しいと判断したことに基づいて導いてくれました。すごく勇気がいることだったと思います。本当に国民のことを考えていたからこそ生まれてこきた勇気だったと思います。(WHOなどは、自分の名誉欲や不実な欲望のためにするから誤るのだと、私には思えます。)
 また、その専門家会議の決定を全面的に受け入れ、自分たちが責任をとるのも厭わずすぐに政策に落とし込んだ当時の政府も見事でした。そして、最後はそのことを、自分を守るためにではなく、自分の大切な人にうつさないために、だれかのために、決められた方針を守った国民が見事でした。
 
 そう考えれば。日本に感染者が少なかったのは自明のことです。なんら不思議なことではありません。
 なぜ日本が感染者が少なかったのかわからない、などと言うマスコミや政治家がいましたが、褒めるべきところは褒めるという姿勢がないから大切なことが見えないだけです。彼らは、褒めないように、一生懸命ミスリードするようにと、そんなことを仕事の目標にしているから真実が見えないだけです。彼らの話が上っ面だけで、取るに足らない理由です。閑話休題。
 
 コロナ初期、日本は極めて聡明でした。
 もしも、WHOが日本の専門家会議のように、本当の公衆衛生学的立場に立って、民を守るために働いていたならどうだったでしょう。日本の専門家会議と同じように、あの当時のPCRの大量検査に警告を発し、3密回避(渡航制限等にもつながります)を勧奨していたはずです。そうだったならば、世界はパンデミックからきちんと遠ざかっていたはずです。
 逆に、日本の専門家会議が、WHOのように大量検査を推奨し、「テスト、テスト、テスト」と言っていたらどうなっていたでしょう?2020年2月の段階で早々に日本にもコロナ感染者があふれかえり、あっという間に病院は機能停止して、医療崩壊をしていたことでしょう。たくさんの命が失われていたと思われます。そんなことをしなかったから、日本に医療崩壊が起こるのは、2021年1月、およそ1年延びました。
 
 続きます。



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