鬼農 

チェンソー修理編 「目立て不良からの焼き付き故障」 

 今日はチェンソーの致命傷”焼き付き”をご紹介いたします

10年~20年前に比べ、各チェンソーメーカーからの良質な混合オイル50:1の普及に伴い

エンジン焼き付き修理は少なくなっている傾向ではございますが、”焼き付き故障”は

不良な混合燃料だけが原因で焼き付くとは限りません

仮に最高グレードの混合オイルで適切な50:1で使用していても焼き付くことがあります。

それは

切れないソーチェンで無理な力で木を押し切り続けた場合です

以前にもブログに書いておりますが、チェンソーは刃(ソーチェン)が命です。

チェンソーはノコギリみたいに前後に押したり引いたりして使うものではありません。

はたまた、斧みたいに力で切る物でもありません。

目立てがしっかり出来ているソーチェンや新品のソーチェンでしたらどんなチェンソーでも

木に吸い込まれるようにして切れるのです

ただしチェンソーを使っている最中に石や土、木以外の異物にソーチェンが

当たってしまうとたちまち切れ味が落ちます

しかし切れ味が落ちても一分間に数千回転ものスピードでソーチェンが回りますから

力で押し切りすると何とか切れてしまうのです

これ一番やってはいけないのです

 症状 

チェンソー使用中、エンジンの再始動性が悪くなり力が徐々に無くなってきた感じがして

最後は全くエンジンが掛からなくなってしまった。

下記がその故障写真です。

↑一見全く問題なく見えるピストン(インレット側)ですが、

↑真横から見るとエキゾースト側からくっきりと縦傷(スカッフ)

↑エキゾースト側正面 全面にスカッフ 

ここまでになるとシリンダー内の圧縮が抜けてしまうのでリコイルスターターを引っ張ると

”スコスコスコ”っとスターターロープが軽く引けてしまいます

よってピストン&シリンダーキット交換となります。

 一応、コンロッド、クランク付近も要点検です

もしこのチェンソーが新品価格で2~4万円台でしたら全損となります

これを群馬弁で”おやげねえ”と申します。

 

 目立ては面倒かもしれませんが、目立てをすることでこの焼き付き故障を防止する以外に作業コスト削減にもつながりますので是非マメに目立てを行ってください。

 

 

良い燃料良い空気良い圧縮良い切れ味

鬼農


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