役立つ情報満載!温浴施設BLOG

温浴施設の開発から運営をサポートするコンサルタント会社です。施設の開発・運営に役立つ情報を更新していきます。

温泉掘削について

2009-12-16 05:28:51 | 日記
10年前はスーパー銭湯に温泉などほとんどなかったが、最近は温泉なしではなかなか競合に勝てない。
実のところは、大した泉質でもないのにユーザーは「天然温泉」という言葉に弱い。
温浴施設運営者として新規出店には、温泉を掘るしかないのが現状である。
施設も大きくなり、温泉も掘削しなければならず投資が大きくなる、頭の痛い話である。
8年間で温泉を11本(業者は5社)掘った経験から言えることは「いい悪い」「うまい下手」があるということである。

ひとつは掘削する機械の能力によることがあげられる。
たとえば1500メートル掘削するとする。地質にもよるが力のあるでかい掘削機で掘るほうがいい。
あるところでは、掘削機の能力が足らず、温泉審議会に間に合わなくなってしまい予定の掘削震度までいかなかったことがあた。
3000メーター以上掘削できる機械であればいいと思う。
掘削中にビット(先端についているドリル)を落としてしまうこともある。
拾いにいくのは大変な作業であり必ず拾えるとも限らない。
力のある機械であれば、ビットごとつぶしってしまい掘り進むことができるが、力のない場合は曲がって掘ってしまう危険がある。

後は、機械が大きければ太く早く掘ることができる。
太く掘ることは温泉を長く使用するためにも重要である。
経年変化で、泉質や地質、電食によってはケーシング(温泉井戸の崩壊を防ぐために入れるパイプ)に穴が開くこともあり、太く掘っていれば内側にもう一本ケーシングを入れることだってできる。
泉温が低ければ、ストロー管で泉温を上げることもできる。
実際には、太さまで知っていて掘削している人が少ないことに驚いている。
温泉の井戸は上のほうが太く1500メータぐらいであれば、500メートルごとに3段階ぐらいになっており先端が一番細い。
先端部分を太く掘ることが重要である。

丁寧に掘るか掘らないかで値段も違う。
掘削する先端にビット(ドリル)が付いているが、地層によっていろいろなタイプがある。
ビットを取り替えることはよくある作業だが、替えてまた掘り始める時にすでに入れたケーシングを傷つけないようにビットの周りを保護するかしないかによっても
値段が違う。

温泉は1500メーター掘ると1500メーターから汲んでいると普通の人は思う。
温泉はなるべく下のほうから取ったほうが泉温が上がりいいのだが、必ずしも1500メーターのところに温泉があるとは限らない。
なるべく下からであはるが、何箇所かケーシングにストレーナー(温泉を取るスリット)の位置を決めて切る。
これは経験が物を言う。
掘削していく中で地層と温度変化、電気検層(地層の比抵抗(単位長さ・単位断面積あたりの電気抵抗)を測定することにより、地層の連続性や帯水層の分布などを推定すること)によりどの層に温泉があるか判断する。
これらの資料からどこにストレーナーを切ったらいいか決める。
温泉のないところを切ってしまったら、せっかく出た温泉がその層へ逃げてしまうこともある。
経験と勘が頼りになるところである。

温泉掘削業者を決める時、過去の実績でどこで何度の温泉を毎分何リットル出しているか、いくつかの業者をあたってみることを勧める。
20年以上利用するものなのだから、目先の価格で決めることはお勧めできない。












コメントを投稿