悪性神経膠腫(グリオーマ)と闘う女。

28歳の誕生日に発症。

膠芽腫

右後頭葉

日々のあれこれ・たまに病気のこと

【夫です】繋ぎました

2020-05-14 01:35:38 | 夫より
3日連続で夫が書きます。というか、orangeはもうブログ書けないので、もはや私が引き継いで、私のブログになりつつあります。

orangeのブログ、人生の目的である、「人の役に立つ」をモットーに引き継いでいきます。

さて、今日は危険でした。

せっせと自宅の片付けをしている私に、16:45、病室で付き添っているorangeの母より、「orangeが痙攣を起こした。」と。

「すぐ行きます。」と伝え、15分後に病室に着いたときには、痙攣はおさまり、安定していました。

母に、「大変でしたね、こわかったですね。」と声をかけると、「なにもできなかった。あれだけ予行演習をしたのに。」と。

母は医療に明るく、娘への愛はとてつもなく大きい母です。在宅看護時に、大きい痙攣への対処法を在宅医から指導を受けました。

1.ダイアップ座薬挿入
2.痙攣の間隔を時計ではかる
3.深呼吸(自分を落ち着かせるため)
4.在宅医へ連絡

母は何度も何度も、頭の中でシミュレーションし、万が一に備えていました。

今は緩和ケアにいるので、第一の対処を我々でする必要はなく、ナースコールを押すだけ。そんな母でも、冷静に対応はできず、ナースコールを押すのが遅れたと。そりゃそうだ。状況を聞くと、予兆らしきものがあったが、なにが異常かなんてわからなくなるし、予兆があるなんて聞いていなかったし、冷静にはなれなかったと。

参考までに、私が母から聞いたのは以下の通り。

1.ゴロゴロと痰を絡ませるような音が鳴る
2.歯を噛み砕くような強い歯ぎしり音が鳴る
3.呼吸が荒くなる、早くなる、体の一部が細かく痙攣する
4.目が開く
5.全身が緊張する
6.全身が大きく痙攣する

だったそうだ。最初のゴロゴロって音なんて、最近じゃ日常だし、呼吸が荒くなるだって、痰か絡んでるだけと思うよね。初動が遅れるのも当然。

結果、巡回してた看護師に知らせることができ、抗痙攣剤の点滴で安定しました。ホント、病院でよかった。座薬より点滴の方が早く効くし、なにより、すぐ医師が診てくて対応してくれる。このために緩和ケアに入ったんだから。

安定し、私と母で、以上のことを話していたときに、父もかけつけ、先生からの説明を受ける。

入院時のCTを見る限り、かなり腫瘍が拡大している、脳の右半分はほとんど腫瘍となり、左半分を圧迫している、いわゆる脳ヘルニア状態、このまま下へ押し下がると、呼吸を司る分野もダメージを受ける、と。

CT画像を見せてもらったところ、こんなにもひどい画像があるのかってくらい異常だった。

先生からは、痙攣を抑えるミタドラムを紹介され、使用についてはご家族で話して、意向を教えてくださいと。

このミタドラム、脳の動きを抑えるため、痙攣については一定抑制が期待できるが、反面、覚醒状態については期待薄とのこと。そりゃそうだ、目開けてる時間が期待できなくなるため、なんのために使うかと言われれば、orangeが苦しまないため。30分ほど3人で話し、ミタドラムの使用を先生に申し出る。母は思うところあってか、よりつらかったろうな。目が開けられないorange、発病してから今まで一番間近で、一番長く付き添ってくれた母。もう話はできないんだけど、それでも目が合ってれば通じるものがあったのだと思う。それもできなくなるとしたら、即決はできないよね。

我々の意向を先生に伝え、先生からは少量から始めてみましょう、痙攣を抑制しつつも、目が開けられるような分量、調整してみます、と。ありがたい。

30分の話し合いでも、ポイントはorangeの苦痛。発病から5年超、さんざん苦しんだ、もう苦しめさせたくない。我々3人の共通の想い。

ということで、2015年3月28日、家内の28歳の誕生日、そして私たち夫婦の入籍日より発病した、妻orangeのグリオーマ闘病生活はまだ終わりませんでした。

なにやら、LINEで、orangeのお見舞グループが作られ、30人を超える友だちが私からのorange情報を共有しているとのこと。ポツポツと面会希望の連絡があり、整理していくのに苦労しています。女子ネットワークと団結力はスゴいな、なにやら、高校時代の先生まで応援メッセージをくれて、ありがたい限りです。23時過ぎに覚醒したので、一気に読み上げてあげました。私が読んでる間は目を開けていたので、届いたかな、理解したかな。

まだ一番の友だち、直近で遊んだ友だち、甥っ子姪っ子、お別れのあいさつをしてない人たちがいっぱいいるからな、orange。

がんばれなんて言わないが、どうか、33年間で出会い、学び、遊び、話した人たちとお別れのあいさつができたら夫は嬉しいぞ。そして、最期は、私と両親と4人で迎えられたら、、、そう願いながら見守る夜です。



orangeの夫


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6 コメント

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Unknown (yama)
2020-05-14 06:03:54
はじめまして、オレンジさんの旦那様。
私も同じ病で、オレンジさんのブログにたどり着き
いつも励まされていました。とても前向きで明るいブログでファンでした。入院時の心構えや、自立支援医療等の情報も助かりました。ありがとうございました。
直接オレンジさんとやりとりし感謝を伝えればよかったのにと、大変後悔しております。どうかオレンジさんが
苦しまずご家族との時間をもう少し長く持てますように
お祈りしています。
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Unknown (orange0519)
2020-05-14 06:44:00
yamaさま

はじまして、コメントありがとうございます。そうなんですね、家内の記事がお役に立てていたのであれば幸いです。

手強い病ですが、家内は逃げることなく、正面から向き合ってきました。ブログの記事は私に見せる面とは違うところもありますが、私は誇りに思います。

yamaさまのお祈りのお言葉、ありがたいです。家内に伝えます。yamaさまはご無事でありますよう、お祈り申し上げます。
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Unknown (sakana)
2020-05-14 12:50:53
はじめまして。
こうしてこちらにコメントをするのも初めてなのですが、私の主人が同じ病を発病してからブログを読ませていただいていました。

当時、絶望のなか縋るものを求めてネットをさまよい同病の方やご家族の闘病記に出会いました。
中でもorangeさんのブログを遡って夢中で読みました。

お若いのにどこか達観した考えをもっていて、色んな経験をされてきたのだとおもいます。
でもてらうことなくご自身の思いを率直に綴っていて、けして腐らず、未来を信じて生きる姿にどんなに勇気づけられたことか。
私ももっと早くにコメントして直接伝えておけばと今さら後悔しています…。

自分達もどこまでいけるかわかりませんが、orangeさんのように前だけ見ていこうと思います。

orangeさんとご家族に少しでも長く、優しい穏やかな時間が続くことを心より祈っています。
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Unknown (orange0519)
2020-05-14 13:06:49
sakanaさま

はじめまして、コメントありがとうございます。
家内はどんな病かを知ってからも、絶対治すんだ、よくなる!と信じて闘ってきました。今さらながらとても立派と私は思いますし、私の誇りです。

ご主人さま、心配ですね、それを支えるsakanaさまの心労もよくわかります。このことは家内に伝えます。

sakanaさまとご主人さまがどうかご無事でありますよう、お祈り申し上げます。
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Unknown (sugar)
2020-05-15 02:36:00
いつもorangeさんに元気をいただいておりました。
私も同じ腫瘍で、私のコメントにいつも丁寧にお返事をいただき、勝手ながらお友達になっていただいていたと思っております。
深夜、寝付けず久しぶりにのぞいて、ただただ、感情が混乱しております。
一番、おつらいご主人にこんなコメントで申し訳ございません。
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Unknown (orange0519)
2020-05-15 02:59:50
sugarさま

コメントありがとうございます。お役に立てていたのであれば幸いです。家内もきっとお友だちと思っていたのではないかと思います。

そうですか、手強い病ですよね。怖がらせてしまったら申し訳ありません。でも、お友だち、それこそこんな状況にならなければ再会しなかったであろう旧友とも再会できましたよ。

彼女であれば、これも病気のおかげ、とケラケラ笑って言ったかもなーと思っています。
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