今回は山人の小学校の頃のキャンプを思い出しながら話していきたいと思っています。何分、昔の事ですので、記憶が曖昧な部分もあり、もしかしたら事実とは異なった部分もあるかもですがあんまり気にしない様に。
あれは小学1年生の夏休みだったと思うんですけど。街の青年団みたいなお兄さん達が主催するキャンプに初めて参加したんですよ。まぁ、お兄さんと言っても我々小学1年生からしたら普通におじさんなんだけどね。
それで参加していた子供達が小学1年性から6年生、中学生位までいたのかな?自分から見たら中学生は流石にお兄さんお姉さんて感じでしたよね。
朝、8時頃だったかな?近所の広場に集合して、子供達はマイクロバス何台かに分乗して近くのキャンプ場に向かうんですよ。山道をゴトゴト行くんだけど遠足みたいな感じでワクワクしてたのを覚えてますね。
キャンプ場に着くとまず班分けでしたね。一班当たり1名から2名の中学生が班長、副班長になるんですよ。それで小学生は1年生から6年生が振り分けられて大体、一班当たりが7~8人の班だったと思いますが。寝る時以外は男女一緒でしたね。
班分けが終わると次は班ごとにテントの設営をするんですが、昔のテントは今の物よりもっと分厚くて重かったんですよ。骨組みなんて鉄パイプみたいのですからね。とにかくそれを四苦八苦しながら組み立てていくんですが、キャンプに何回か参加してる上級生なんかは流石に手際が良かったですよね。
テントの設営が終わると荷物をテントに搬入して持ち寄ったおにぎりなんかを食べた後は暫くは遊びの時間となります。
何して遊んだのかイマイチよく覚えてなんですけどね、なにぶん昔の事ですからね。缶蹴りとかドッヂボールなんてやった記憶はかすかにありますね。今での小学生に缶蹴りなんて言って解るのかなぁ。説明すると長くなるから、缶蹴りとは?でググってね。
ひとしきり遊んだ後は夏ですからね。冷たいジュースを飲んで一休みですね。その後は夕食作りですね。女の子は野菜やお肉を切ったりお米を研いだりして、男の子はかまどで火を起こして飯盒炊爨ですね。
飯盒炊爨のさんて凄く難しい漢字ですよね。薔薇って漢字は読めるけど書けません。そんな人も沢山いると思いますが、飯盒炊爨のさんの字は書けないのは勿論、絶対読めねぇ。はんごう...すい、なんて読むの?これ?って絶対なりますよ。
そんなこんなでかまどに火が起きたら飯盒をセットしてその横でカレーを作るんですよ。キャンプって言ったらカレーライス。昔はこれが基本でしたね。
火が途中で消えちゃったり、火が弱過ぎてご飯が芯米になってしまったり。あ、芯米って解ります?要するに炊き方の火が弱くてお米に芯が残ってしまって非常に美味しくないんですよね。
逆に火が強過ぎて文字通りのおコゲになっちゃったりね。多少のおコゲならね、香ばしくて美味しいんだけどね。流石に炭化しちゃうとね。苦いし、健康にも悪いぞって事で、仕方なく炊き直しになる班もありましたね。あ、ウチらは最初、水が少し多くて火加減も弱かったんですね。バッチリ、外はべチャで中は芯米でしたよ。
でも、キャンプで食べるご飯て雰囲気だけでいつもより5割増しの美味しさですからね。ガッツリ食べましたよ。お腹一杯になると、少しテントで休んで暗くなったらいよいよキャンプファイヤーですよ。
今は中々キャンプファイヤーなんて出来る場所はないんでしょうけどね。当時はキャンプって言ったらキャンプファイヤーだったんですよ。
大きな柱なんかを切った廃材を井桁に積み上げて
それを燃やすんですけど、初めて体験した時は素直にあちぃって思いましたね。
キャンプファイヤーにはセレモニー的な物がありまして、各班長が松明を持って山の神様に扮した青年団のお兄さんから火を分けて貰うんですよね。その山の神様は顔はドーランを塗り身体中、草で覆われていてギリースーツをまとった自衛隊員みたいな雰囲気でしたね。今、思うと何ともシュールな光景でした。
山の神様から火を分けて貰った各班長が井桁に組まれた廃材に火を入れるといきなり大きな炎になる訳です。今では許されませんが当時ですからね。廃材のやぐらの中に灯油を浸した布切れが大量に仕込まれていたんでしょうね。
炎がやぐらに移り、火が安定して来るとまずは1曲です。皆で「遠き山に日は落ちて」を歌うんですが、コレ、毎年歌ってましたね。そして、何故か2番はハミングって言うね。
ふーんふふーんふーふふーん、みたいな感じで。
遠き山に日は落ちて、と言えばドボルザークの「家路」でしたか。
それが終わると今度は各班で事前に練っておいた出し物を披露するんですよ。寸劇だったり、またそこで歌だったり色々と各班で内密に他の班にバレない様に考えてましたね。
キャンプファイヤーも下火になって来ると次はいよいよ肝試しです。これがね、半端なく怖いんですよ。2人1組で松明を1本持って夜の高原を歩くんですよ。一応、道はあるんですけど、足場は悪いし、松明はすぐ消えちゃうしでもう悲惨でしたわ。
しかも途中途中に青年団のお兄さん達が隠れていて脅かされるんですよ。松明の灯りがないと本当に無防備で。何にも見えないからほぼ手探りですよ。
そしたら脅かした後にお兄さん達がまた松明に火を着けてくれたんですけどね。
今、考えてみたら一番怖かったのは夜の高原で明かりも持たずに長時間待ってるお兄さん達だろうなと思いますね。だってさ、その場所はお化けとか幽霊とかって話もあるけど、山ですよ?高原ですよ?普通に鹿とか猪、熊なんかいる訳でしょ?草むらに隠れていてその横でガサガサ!とか音がしたらお兄さんも逃げ出したいよね。
肝試しが終わると各班で人員点呼をして異常が無ければテントに入って消灯となります。中々寝ませんけどね。そこからのおやつを食べたりトランプをしたりが始まる訳ですよ。青年団のお兄さん達は反省会と称して違う場所で酒盛りをしてるんですが、たまに見回りに来るんですよ。その時は皆で寝たフリですね。
そうは言ってもね。昼間あんだけはしゃいだり、ついさっきまで大騒ぎしてる訳ですからね。次第に討ち死にする奴が増えて来るんですよね。気が付けば自分だけ起きてた、みたいな感じで慌てて眠ったのを覚えてます。
朝、6時だったかな?起床して洗面を済ませるとラジオ体操ですよ。ラジオ体操の後、カードにハンコをついてもらうんですがそれが一杯になるとノートだか、鉛筆だか貰えたんですよね。なので頑張ってラジオ体操行きましたね。
ラジオ体操が終わると朝食作りです。ご飯を炊いて昼食用のおにぎりを作ります。そして朝食はサンドイッチとゆで卵だったかな?ゆで卵なんて中までポクポクになってて、そんなのこの年になって食べたら確実に胸焼けするよって言う感じのやつでしたね。
朝食が済むと追跡ハイクと呼ばれるオリエンテーリングに似た高原散策をするんですよ。チェックポイントが書かれた地図が各班に配られてチェックポイントを求めて高原をさ迷い歩くんですよ。
途中、小石や草なんかで矢印的なメッセージがあってそれを頼りに歩くんですがチェックポイントには必ずなんかお題があってそれをクリアしないと進めないんですよ。まごまごしてると後から出発した班に先をこされちゃったりして。なかなかスリリングで楽しかったですよ。
追跡ハイクが終わると皆でスイカ割りをして、スイカを食べたらお片付け。現実に帰る時間ですよ。
テントや荷物を片付けて周りの掃除をして解散になるんですが、青年団のお兄さん達、スゲーなって心から思いましたね。
自分のキャンプ好きってここから端を発している訳なんですが、やっぱりアウトドアはいいですよ。
と言う訳で今回はこれにて。