秋ですね。秋と言えば狩りの季節。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
狩りの時間だ!と言っても今回は狩猟の話ではなくキノコ狩りの話です。
もうそろそろ、キノコが美味しい季節になりますよ。ウチの近所は山ばかりなので、結構キノコが生えるんですよ。それはもう美味しいキノコから食べたらヤバいキノコまで。
上の赤いのは「タマゴタケ」ですね。一応、テングタケの仲間です。テングタケは普通に毒キノコだったり、猛毒キノコが多くある種類のキノコなんですが、このタマゴタケは加食の数少ないキノコです。
テングタケの仲間にはイボテン酸の様な旨味成分に良く似た毒成分が含まれています。このイボテン酸はアミノ酸に近い成分なので旨味はハンパないらしいのです。まぁ、食べた後もハンパない訳ですが。タマゴタケはその旨味成分がありつつ、毒成分がないと言う非常にありがたいキノコなのであります。良い出汁が出るので鍋や汁物が良いと思います。
上のキノコは「ショウゲンジ」ですね。元松茸山と呼ばれる様な針葉樹林で以前は松茸が採れていた様な場所に発生します。なので松茸を収穫していた山の持ち主さんには余り喜ばれない不遇な存在ですね。クセがなくて肉厚で結構美味しいんですけどね。ショウゲンジの名前の由来は諸説ありますが、一説にはその名の通り、正源寺のお坊さんが食していたキノコだとか。まんま過ぎて拍子抜けですね。炒め物や煮物、茹でておろしポン酢など、オールマイティに食べられるキノコですね。
上のキノコは「クロラッパタケ」。何とも頼りないピレッピレのキノコですが立派な食用キノコです。海外では割と高級食材なんですが、日本では香りが劣る為、それ程珍重されていません。
とは言え、個人的は青のりみたいな味なので割と好きだったりします。味噌汁やすまし汁など、汁物が良いかも知れませんね。このクロラッパタケ、目立たないだけなのか、元々、生息数が少ないのか余り見掛けませんよね。でもある所にはあるので探してみるのも面白いですよ。
今回、加食のキノコを3種載せましたが、他にも美味しいキノコは沢山あります。しかし、ここでキノコ狩りの鉄則を一つ。
キノコ狩りは慣れた頃が一番事故が発生します。見るからにヤバいキノコは誰も食べないでしょうが、似ているキノコも色々存在します。発生場所や発生条件によって姿形が違う場合もあります。
そんな時に知ってるキノコだから大丈夫、と安易に採取して食べた結果が食中毒、と言う訳です。
ここで大切なのは、
まず、「一瞬でも迷ったら絶対に食うな。」です。一般論ですが、加食キノコの種類を覚えるより毒キノコを覚えた方が楽、とされています。
これは加食キノコより毒キノコの数の方が圧倒的に少ないから、とされていますが、この日本において、食毒不明のキノコやまだ名前も付いていないキノコが全体の数割に及ぶと言う事です。
つまり、毒かも知れないキノコもわんさかあると言う事です。
次に「野生のキノコは自己責任。他人に食わせるな。」です。間違えて毒キノコを食べてしまう、と言う事故が毎年必ずと言っていい程多発しています。
下痢や嘔吐などの軽い食中毒ならいざ知らずですが、腎機能や肝機能を破壊するキノコや神経に異常を来たす危険なキノコもあります。
うっかり事故が自分だけならまだ良いのですが、他の人を巻き込んでしまったら目も当てられませんよね。
時々、道路脇で「山のキノコ」とか販売されていますが、あれにも時々、毒キノコが混入していて事故が発生していますからご注意を。
毒キノコの発症時間とその危険性について説明します。
上にもちょっと書きましたが、食べた後に下痢や嘔吐を引き起こす毒キノコがあります。これは食べて十数分から数十分程度で発症します。確かにそれは苦しいものですが、発症時間が短いキノコの食中毒は数あるキノコの食中毒の中でも軽いものです。
しかし、ドクツルタケ等の様に食べて数日から1週間程度の期間を経て発症するキノコは危険です。自覚症状もなく、徐々に腎機能や肝機能の破壊し、自覚症状が出た時にはまず手遅れ。致死率は6割以上に及びます。運良く助かっても生涯、人工透析になるケースも多い様です。
山に入るならキノコ図鑑位は持ち歩くべきですね。それと比較し、それでも不安が残る場合は絶対に食べるべきではありません。
また、来年も美味しいキノコが手に入る様に採取の際はナイフやハサミ等を用いる等しましょう。菌床を破壊しない様に気を付ける事が大切です。
食中毒には充分気を付けて
ハッピーキノコライフを!