ちいさいころはわからなかったビールのにおいがわかるようになりました。
ビールのにおいはきらいじゃない。
でもすきでもない。
おとなになるまではわかりませんでした。
ビールのにおいはなつかしいにおいです。
おとうさんはいつもビールのにおいをさせていました。
でも、こどもだったあたしには
それがなにのにおいかがわかりませんでした。
おとなになった今、ビールのにおいはおとうさんを思い出させます。
いつ会ってもビールのにおいがするひとがいます。
いつ会ってもおとうさんを思い出すからすこし苦手。
でも、たまにとても会いたくなる。
そのひとはおとうさんとえりあしがよく似ています。
肩幅と身体の細さのバランスがよく似ています。
ちょっとだけ、苦しい。
ビールを飲んでいてふとそんなことを想い出しただけです。
もう明日はバレンタインデーですね。
女子はチョコを用意しましたか？
男子はチョコ、もらえそうですか？
昨日、スペイン料理屋さんに行ってきました。
そこで豚の足を目の前に、バレンタインの話をしました。
パエリアを食べました。シーフード・ミックスの。
おいしくて笑っちゃいました。
そのときバレンタインの話で胸が熱くなりました。
胸がどきどきして、顔が熱くなりました。
少しよっぱらっていたのかもしれません。
しあわせなバレンタインが今までに何度もありました。
どきどきして心臓が破れそうなバレンタインも何度かありました。
今年はゆったりとした気持ちでバレンタインを迎えました。
相手を想ってなにかをプレゼントするということは気持ちのやすらぐことです。
自分がだいすきな焼き菓子をプレゼントしました。
家族に、友達に、仲間に。
今年は恋愛感情抜きのバレンタイン。
でも、そんなの関係ない、
とってもあったかいバレンタインでした。
頃あいのいい写真がないので
家の前に植えられているある樹の写真を貼っておきます。
あまりにも樹全体に実がなって、とても重そうです。
なんだか人間みたいです。
実が多くなりすぎると枝がしなって折れそうになって
地面すれすれをゆらゆらします。
その実すべてに種が含まれていて、
でもその種から芽が出ることはあまりに少ないです。
そういった要素ばかりが増えて
地面すれすれでゆらゆらしている人たちを
決して非難するのではなく、
もう少し身近に感じてみてはどうかな、と考えています。
