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日々の中で想うこと
ひとつの出来事から想起する
異なるいくつかのイメージ

おかあさん

2009年11月27日 | 想うこと

初めてドラクエやったとき「そうび」とか「ぼうぎょ」とかの
意味がわかりませんでした。


わからないことや知らないことを
『これ、何?』とか
『どうして?なんでそうなるの?』
とか質問するのは
あたしのちいさいときからのくせで、

いつもなんでもおかあさんに聞いていました。

おかあさんはどんな質問にも答えてくれました。


おかあさんってすごいっていつも思っていました。


そんなあたしも27歳になって
逆におかあさんに教えてあげられるくらいの知識や経験を得ました。


おかあさんが行ったことのない場所にもたくさん行きました。


旅に出るとあたしは必ずおかあさんに絵葉書を出します。
おかあさんがあたしにしてくれたみたいに
おかあさんの知らないこと知らない土地、
あたしがたくさん経験して伝えたいと思っています。


実家の冷蔵庫はあたしの書いた絵葉書で埋まっています。
いつもは言えない言葉をたくさん詰め込んだ絵葉書です。



生まれてハイハイして歩くようになって
自転車に乗れるようになってパクった原チャで
彼氏の車に乗せてもらって
自分の稼いだお金で飛行機を予約して
行きたいところに行ける能力を身につけました。


おかあさんの欲しがるものだって買ってあげられる財力を得ました。


毎年この季節になるといっしょに高島屋に行きます。
おかあさんの欲しがるものを買って差し上げるために
いっしょにプレゼントを選びに行くのです。


おかあさんのために自分が働いてもらったお金で
何か買ってあげられるのが
あたしにとってはすごく大きな喜びです。

いつも持ち切れないくらいの買い物をして
宅急便で送ってもらわないといけないくらい、買い物します。

今年はサマンサタバサ・デラックスのバッグが欲しかったそうで
今日無事に買ってあげました。


欲しいもん、あたしより若いやん!

あたしが気に入ったチェックのパンツも
買うてました。


おしゃれ女子が好んで使うPOUL&JOEっていう
コスメブランドの化粧品を好んで使う53歳になったおかあさん。

あたしよりもピンヒールなおかあさん。

買い物好きで服も靴も鞄も普通に欲しがるおかあさん。

お料理上手でクールなおかあさん。

すごく苦労してきて今があるのにそんなそぶりを見せないおかあさん。

結婚は一回はしといたほうがいいけど
焦ってするものじゃないって、しょうもない男につかまりなやって諭すおかあさん。


だいすきでかわいすぎて毎週会いに行ってるのに
それでも会ってないときはなんだか心配になります。


あたしのしあわせの源

それはまちがいなくおかあさんです。


思いっきり笑えて
すきなひとに会えてその人の笑顔が見れて
おいしいものがおいしくて
眠たいときふかふかで眠れて
いい家に住んでいい生活をして
人を思いっきり愛せる人間に育ててくれたおかあさん


おかあさんみたいなおかあさんにあたしもなりたいです。
今のあたしのささやかで大きな目標であり夢であります。

ほんまに無鉄砲で心配ばっかりかけてるけど
これからもよろしくね。




秘密を抱えたおとなたち

2009年11月23日 | 想うこと

だれにだってね、あるんです。
人には言えない秘密。


おとなは特にね、胸の中に秘密をしまっておけるポケットをちゃんと持ってるからね。

そっとポッケにしまいこんでね。
人に知られたくない秘密がだれかの目に触れてしまわないように
そっとそっとね、気付かれないように歩くんです。


あの人はいつもと同じ
待ち合わせは、なんば高島屋

灰青色の夜にその人はやってきます。
寒くても暑くても同じ空気感を纏って
うれしそうにニヤニヤした顔つきで
あたしを見つけると少しはにかんで思いっきりの笑顔をみせて。

きょうもやっぱりかわいいねなんて言うから
わき腹にパンチ食らわして威嚇して
並んでいっしょに商店街を歩くのです。


お互いに、お互いには言えない秘密をそっと抱えて。


会話なんていつもそんなに変化はなくて
あたしはずけずけと言いたいことばっかり言って
その人は楽しそうにそれを聞いていて
笑って誉めて、たまにどきっとするような真実めいたことを話す。

いつもそんなに深くはなく、ただなかよくするためだけにある会話で。




なんかね、どうしようもないことっていうか
行き場を失ってしまったことっていうか
いつでも引き返せそうなのに引き返さないこととか

あやふやなこと

つかめないこと


自分以外の自分のまわりに溢れてるなぁと考えています。


自分の言葉で説明のつかないこと。

抱えてしまったら最後、
そっと胸にしまって進み続けることはできるのでしょうか。



あたしは自分にまつわるすべてのことが
それがたとえわずかだったとしても
自分の手の届かないところにいってしまうのはちょっと怖いです。


自分でどうにかならない感情や状況を抱えるのが
ちょっと怖いです。

でも何事もレゴみたいにきっちりいくわけじゃないことにも
もう気付いてしまってるから見て見ぬふりはできないのです。

電車に乗って大和路線の東部市場前から天王寺までの区間、
進行方向に向かって左手を見ながら通勤しているとき。

あのなんとも言えないどこにも行き場を失ったものが溢れているのを見ると
そんな人間のとめどなさに胸が詰まるのです。


冬が来た証拠かもしれません。
そんなときは彼のテーマソング
『ファスナー』が無性に聴きたくなるのです。



11月初めの一週間

2009年11月09日 | 想うこと

一生忘れられへんやろなぁ。
2009年の秋のこと。

『想いのこもったもの展』
展覧会は無事に終了いたしました。

たくさんの想いのこもったものと
愛するひとたちと過ごした時間がそこにはありました。


でも、きっといつだってそうでした。
思い返せばいつでもあたしはあたたかいものに抱かれてきました。


この世界は想いのこもったもので満たされています。

そんなあたりまえのことだからこそ、意識してなかった。
人はみんな強い想いをもって人と関わって生きていること。

こんなに目の前に突きつけてよく見させてもらうまで
涙が止まらないほどのあったかさを思い出せずにいたのです。きっと。



素敵すぎて夢みたいやったなぁ。

毎日毎日だいすきなひとたちに会えた。

当たり前みたいに、約束なんかなくても
通天閣に行くとだいすきなひとたちがそこにいて
みんながひとつの方向を見て動いてた。 笑ってた。


いっぱい抱きしめて
あばらとあばらがぶつかって
ほっぺとほっぺが触れて
肩を抱いて腕をとって
いとしくみつめて
髪が首にからまって
目があったらそのたびに笑いあって
思い出すとなんだか涙が出るようなあったかすぎるニュアンスで。


他人のことと同じくらい
今まで知らなかった自分を知りました。


今までほんまに一緒にやってきた自分がそこにいて
その姿があまりにありのままで自然で人間くさくてわがままで
いやになるくらい自分のことがわかりました。




毒を持っています。猛毒です。
わがままです。
気まぐれです。
いらちです。
気が強いです。
ストレートに言いすぎます。
すぐに感情が態度に出ます。
いじわるです。

いやなとこばっかり。
でもそれがあたしです。

背伸びしない今のままの等身大の自分で
大切な想いを守りたい。
人を愛したい。


なんか軽い。
もっと、もっとどこへでも行ける。そんな気がします。

だってあたしには腕があって
重たい石膏ボードは一枚ずつしか運べないけど
みんなを抱きしめられるし、イメージを形にする能力がある。

自分がかわいいとかかっこいいと感じるセンスに自信がある。

大切に想える人がたくさんいる。



展覧会に来てくれた人たち
ひとりひとりと関われたこと交われたことがうれしいです。

たくさんの人たちとの公倍数  
478と973が465,094で出会うように
次はまた930,188で出会えるように
どこかでまた出会えるわ。


最終日にリアル元彼が観に来てくれました。
再会するはずもないタイミングで再会して展覧会のことを知ってくれました。

絶対にあたしがいるときに来ないで!!って言ったのに
あたしがいるって知ってる土曜日に来ました。

あんなに憎らしく別れた相手なのに
もうそんな気持ちは残ってなくて、かつての戦友みたいな
なつかしくてやさしい気持ちでした。


それはね、きっと
あたしがおとなになったからだけじゃなくて
やさしいみんなに抱きしめられて
心がどんどんゆるんでいって
もう過去の傷なんて忘れて今を生きているからです。


しあわせ。

愛したり言葉があったり
許したり忘れたり追いかけたり
自分以外の誰かに自分の力が及ぶ瞬間
ぎゅってして きゅってなって
きゃん!!

生きてるって素敵やなぁ☆