まさかのスイーツの話? いえいえ、これは山の話。
赤城山で悪化した風邪がなかなか治らず、ずーっと咳が出ている。
かかりつけの病院で薬を変えてもらって、ずーっと飲んでる。
このまま年を越してしまうのは、いくらなんでもつまらなすぎるので、体調は良くなっていると自分に言い聞かせてあえて山に行く。
前回の赤城山では、きっと山が足りないんだなと、ばかばかしい理由もくっつけるのだ。
八ヶ岳は、まだ雪が少なくて不安定そう。
思案した結果、候補地として浮上したのが、浅間山だ。
運がよければ、ガトーショコラ状態になっているはず。
早朝未明の上里サービスエリアに立ち寄り、豚汁定食で朝食をすます。
いつもは菓子パンをかじりながら運転しているので、今日はちょっと豪華にしてみた。
佐久インターで高速を降り、登山口の天狗温泉浅間山荘にナビをセットする。
浅間山荘といっても、あの浅間山荘事件の浅間山荘とは違う。
あっちは軽井沢、こっちは小諸。
最後の5kmほどダートの林道を走ったが、積雪も凍結もなくスムーズに到着した。
登山者のものとおぼしき車が数台。
駐車料金を支払おうと山荘の入り口に行くと、玄関先に表示がかかっている。
「早朝に到着した方は、お帰りの際に駐車料金をお支払いください」
なるほど、そういうシステムなんだね。
身支度を整え、7時40分、登山開始。
浅間山荘の右わきにある鳥居をくぐってスタートだ。
鳥居のすぐ先には、登山カードを提出するポストがあった。
凍える手で記入を済ませる。
今日は噴火警戒レベル1なので、前掛山まで行ける。
登山道は緩やかでよく整備されている。
年季の入った表示も所々にあるが、ちゃんと読み取れるので安心だ。
歩き始めて20分くらいでじんわり汗ばんできた。
ハードシェルを脱いで水分補給。
風邪を引いているからなのか、それとも思ったより運動量が多いのか、空気は冷たいのだが汗はバンバン出てくる。
寒いのか暑いのかよくわからん。
ゆっくり歩いて40分で一の鳥居に到着。
ここからルートは二手に分かれる。
まっすぐ行くと沢沿いに進み、不動滝経由で二の鳥居に至る。
左に行くと尾根道を上がって二の鳥居に至る。
不動滝は帰りに見ることにして、左のルートをチョイス。
汗をなるべくかきたくないので、さらにペースを落として歩く。
途中で薪が積んであったので、何かと思えば「運んでください」とな。
よっしゃ、協力しましょう。
一本だけね。
不動滝ルートを選択したら、この薪には出会えない。
そう考えると、運が良かったのか、悪かったのか。
損得勘定はいけない。一日一善。
二の鳥居に到着。9時20分。
残念ながら鳥居は崩れていて、見る影もなかった。
さらに進むと前方の視界が徐々に開けてきた。
まばらになりつつある木立の先には、右に牙山、左にトーミの頭が見えてきた。
カラマツがまばらになり、傾斜が緩んでくるとカモシカ平だ。
カモシカを探してきょろきょろしたが、この日は現れず。
ただ、登山道のあちこちにはカモシカの糞が落ちていた。
ふと見上げると、浅間山が見える。
やった、ガトーショコラだ!
天気がこのまま安定してくれることを願って、先を急ぐ。
硫黄の匂いが漂ってくると火山館は近い。
10時30分、火山館に到着。
いやもう、汗だらだら。
プチ歩荷で担ぎ上げた薪一本をザックから外していると、火山館の管理人さんがひょっこり顔を出して「ありがとうございま~す」と言っていただけた。
その一言が嬉しい。
ここから先が今日のクライマックス。
パンとチョコレートでしっかりエネルギー補給。
テルモスのお湯で一息ついた。
食べている最中に体が冷えてきたので、ハードシェルを着込み、ニット帽をかぶった。
オーバーグローブも装着して、いざ出発。
火山館から少し先に進むと湯ノ平分岐。
黒斑山から続く外輪山の稜線が白い霧氷で覆われているのがはっきりわかる。
コメツガの森をさらに進むと賽ノ河原分岐。
いよいよここからが浅間山本体に進むことになる。
まってろよ、ガトーショコラ!
賽の河原分岐を右に進むとすぐに森林限界を超えて、目の前に浅間山がドーンと出てくる。
今日のガトーショコラは粉砂糖多め!
完食めざして、いざゆかん!
高度を稼ぐにしたがって風が強くなってきたので、ネックゲーターで顔を覆い、ゴーグルも装着した。
オーバーグローブをしていても、指がジンジンする寒さだ。
冬の浅間山はこんなに寒いのか。
足元の雪はまだ少ないので、キックステップで高度を上げていく。
外輪山の向こうに白銀の北アルプスがよく見える。
最高の展望だ。
何人か下山中の方々とすれ違う。
上部からアイゼンが必要とのことだった。
風が強くて止まっていられない。
結局、ノーアイゼンで稜線まで登ってしまった。
目の前に現れたのは、立ち入り禁止看板。
その向こうにはうっすら噴煙を上げる浅間山本体。
手の届きそうなくらい近いのに、ここから先は近づくことができない。
とりあえず、避難用シェルターで風をよけてチェーンアイゼンを装着。
ついでにチョコレートをぼりぼりむさぼり、テルモスのお湯で胃に流し込んだ。
内輪山の端、稜線の末端にあるのが前掛山のピークだ。
ぶっとびそうな風に逆らって歩く。
厳冬期の赤岳並みの強風だ。
稜線上、腹にドスンとくる暴風で一瞬体が浮きかかった。
ピッケルを持ってくればよかった。
雪は少なめだが、足元はクラストしている。
チェーンアイゼンで、なんとかぎりぎり行ける状態だ。
12時10分、前掛山(2524m)登頂。
ガトーショコラを完食だ。
山頂表示の木柱になぜか手の平マーク。
タッチするといいことあるのか?
「2001年宇宙の旅」に出てくるモノリスみたいに、触れると進化するのか?
タッチ!
………何も起きない。
ただ寒いだけ…。
手足も顔も寒さでジンジンしてきたので、すぐに下山にかかる。
3分もたたないうちに、頂上を後にした。
再度、避難シェルターで一息つく。
ザックの横につけていたポカリが凍っていた。
チョコレートとお湯でエネルギーレベルを復活させる。
下山は、チェーンアイゼンをつけたままでホイホイ進む。
森林限界の手前でチェーンアイゼンを外した。
振り返るとガトーショコラ。
なかなか食べ応えがあったぞ。
火山館まで戻ってから簡単にランチタイム。
冬はバーナーでお湯を沸かすのも時間がかかるので、テルモスがとても便利。
自宅で熱湯を詰めてくれば、ほぼ一日それで事足りる。
13時50分、火山館を後にする。
冬は太陽高度が低いため、この時間でもなんとなく夕方が近いような弱い日差しだ。
あっという間に二の鳥居についた。
ここからは不動滝経由で下山する。
不動滝は、二の鳥居のほぼ真下にあった。
だいぶ結氷が進んでいる。
氷の色が黄色いのは、硫黄の成分なのかな。
滝から続く沢の水も濁っていた。
温泉成分が強いのだろう。
15時30分、浅間山荘に戻ってきた。
おつかれ~。
浅間山荘の受付で駐車料金と温泉料金を支払う。しめて1100円也。
冷えた体に温泉が沁みる。
赤褐色のいいお湯だった。
なんだか風邪もよくなった(みたいな気がする)。
季節限定ガトーショコラを存分に味わえたので、かなり満足した。
年内の山はこれにて終了。
年が明けたら、また雪山に行くぞ。
赤城山で悪化した風邪がなかなか治らず、ずーっと咳が出ている。
かかりつけの病院で薬を変えてもらって、ずーっと飲んでる。
このまま年を越してしまうのは、いくらなんでもつまらなすぎるので、体調は良くなっていると自分に言い聞かせてあえて山に行く。
前回の赤城山では、きっと山が足りないんだなと、ばかばかしい理由もくっつけるのだ。
八ヶ岳は、まだ雪が少なくて不安定そう。
思案した結果、候補地として浮上したのが、浅間山だ。
運がよければ、ガトーショコラ状態になっているはず。
早朝未明の上里サービスエリアに立ち寄り、豚汁定食で朝食をすます。
いつもは菓子パンをかじりながら運転しているので、今日はちょっと豪華にしてみた。
佐久インターで高速を降り、登山口の天狗温泉浅間山荘にナビをセットする。
浅間山荘といっても、あの浅間山荘事件の浅間山荘とは違う。
あっちは軽井沢、こっちは小諸。
最後の5kmほどダートの林道を走ったが、積雪も凍結もなくスムーズに到着した。
登山者のものとおぼしき車が数台。
駐車料金を支払おうと山荘の入り口に行くと、玄関先に表示がかかっている。
「早朝に到着した方は、お帰りの際に駐車料金をお支払いください」
なるほど、そういうシステムなんだね。
身支度を整え、7時40分、登山開始。
浅間山荘の右わきにある鳥居をくぐってスタートだ。
鳥居のすぐ先には、登山カードを提出するポストがあった。
凍える手で記入を済ませる。
今日は噴火警戒レベル1なので、前掛山まで行ける。
登山道は緩やかでよく整備されている。
年季の入った表示も所々にあるが、ちゃんと読み取れるので安心だ。
歩き始めて20分くらいでじんわり汗ばんできた。
ハードシェルを脱いで水分補給。
風邪を引いているからなのか、それとも思ったより運動量が多いのか、空気は冷たいのだが汗はバンバン出てくる。
寒いのか暑いのかよくわからん。
ゆっくり歩いて40分で一の鳥居に到着。
ここからルートは二手に分かれる。
まっすぐ行くと沢沿いに進み、不動滝経由で二の鳥居に至る。
左に行くと尾根道を上がって二の鳥居に至る。
不動滝は帰りに見ることにして、左のルートをチョイス。
汗をなるべくかきたくないので、さらにペースを落として歩く。
途中で薪が積んであったので、何かと思えば「運んでください」とな。
よっしゃ、協力しましょう。
一本だけね。
不動滝ルートを選択したら、この薪には出会えない。
そう考えると、運が良かったのか、悪かったのか。
損得勘定はいけない。一日一善。
二の鳥居に到着。9時20分。
残念ながら鳥居は崩れていて、見る影もなかった。
さらに進むと前方の視界が徐々に開けてきた。
まばらになりつつある木立の先には、右に牙山、左にトーミの頭が見えてきた。
カラマツがまばらになり、傾斜が緩んでくるとカモシカ平だ。
カモシカを探してきょろきょろしたが、この日は現れず。
ただ、登山道のあちこちにはカモシカの糞が落ちていた。
ふと見上げると、浅間山が見える。
やった、ガトーショコラだ!
天気がこのまま安定してくれることを願って、先を急ぐ。
硫黄の匂いが漂ってくると火山館は近い。
10時30分、火山館に到着。
いやもう、汗だらだら。
プチ歩荷で担ぎ上げた薪一本をザックから外していると、火山館の管理人さんがひょっこり顔を出して「ありがとうございま~す」と言っていただけた。
その一言が嬉しい。
ここから先が今日のクライマックス。
パンとチョコレートでしっかりエネルギー補給。
テルモスのお湯で一息ついた。
食べている最中に体が冷えてきたので、ハードシェルを着込み、ニット帽をかぶった。
オーバーグローブも装着して、いざ出発。
火山館から少し先に進むと湯ノ平分岐。
黒斑山から続く外輪山の稜線が白い霧氷で覆われているのがはっきりわかる。
コメツガの森をさらに進むと賽ノ河原分岐。
いよいよここからが浅間山本体に進むことになる。
まってろよ、ガトーショコラ!
賽の河原分岐を右に進むとすぐに森林限界を超えて、目の前に浅間山がドーンと出てくる。
今日のガトーショコラは粉砂糖多め!
完食めざして、いざゆかん!
高度を稼ぐにしたがって風が強くなってきたので、ネックゲーターで顔を覆い、ゴーグルも装着した。
オーバーグローブをしていても、指がジンジンする寒さだ。
冬の浅間山はこんなに寒いのか。
足元の雪はまだ少ないので、キックステップで高度を上げていく。
外輪山の向こうに白銀の北アルプスがよく見える。
最高の展望だ。
何人か下山中の方々とすれ違う。
上部からアイゼンが必要とのことだった。
風が強くて止まっていられない。
結局、ノーアイゼンで稜線まで登ってしまった。
目の前に現れたのは、立ち入り禁止看板。
その向こうにはうっすら噴煙を上げる浅間山本体。
手の届きそうなくらい近いのに、ここから先は近づくことができない。
とりあえず、避難用シェルターで風をよけてチェーンアイゼンを装着。
ついでにチョコレートをぼりぼりむさぼり、テルモスのお湯で胃に流し込んだ。
内輪山の端、稜線の末端にあるのが前掛山のピークだ。
ぶっとびそうな風に逆らって歩く。
厳冬期の赤岳並みの強風だ。
稜線上、腹にドスンとくる暴風で一瞬体が浮きかかった。
ピッケルを持ってくればよかった。
雪は少なめだが、足元はクラストしている。
チェーンアイゼンで、なんとかぎりぎり行ける状態だ。
12時10分、前掛山(2524m)登頂。
ガトーショコラを完食だ。
山頂表示の木柱になぜか手の平マーク。
タッチするといいことあるのか?
「2001年宇宙の旅」に出てくるモノリスみたいに、触れると進化するのか?
タッチ!
………何も起きない。
ただ寒いだけ…。
手足も顔も寒さでジンジンしてきたので、すぐに下山にかかる。
3分もたたないうちに、頂上を後にした。
再度、避難シェルターで一息つく。
ザックの横につけていたポカリが凍っていた。
チョコレートとお湯でエネルギーレベルを復活させる。
下山は、チェーンアイゼンをつけたままでホイホイ進む。
森林限界の手前でチェーンアイゼンを外した。
振り返るとガトーショコラ。
なかなか食べ応えがあったぞ。
火山館まで戻ってから簡単にランチタイム。
冬はバーナーでお湯を沸かすのも時間がかかるので、テルモスがとても便利。
自宅で熱湯を詰めてくれば、ほぼ一日それで事足りる。
13時50分、火山館を後にする。
冬は太陽高度が低いため、この時間でもなんとなく夕方が近いような弱い日差しだ。
あっという間に二の鳥居についた。
ここからは不動滝経由で下山する。
不動滝は、二の鳥居のほぼ真下にあった。
だいぶ結氷が進んでいる。
氷の色が黄色いのは、硫黄の成分なのかな。
滝から続く沢の水も濁っていた。
温泉成分が強いのだろう。
15時30分、浅間山荘に戻ってきた。
おつかれ~。
浅間山荘の受付で駐車料金と温泉料金を支払う。しめて1100円也。
冷えた体に温泉が沁みる。
赤褐色のいいお湯だった。
なんだか風邪もよくなった(みたいな気がする)。
季節限定ガトーショコラを存分に味わえたので、かなり満足した。
年内の山はこれにて終了。
年が明けたら、また雪山に行くぞ。
毎日眺めていた山ですが登山の対象としてはノ-マ-クでござんした。
この空の蒼さが目に沁みる~、エビのしっぽもええですね~!
こんにちは!
浅間山はこれからさらに積雪がふえるので、ちょっとした冬富士的な登山を楽しめると思いますよ。
稜線の風の強さは、さすが独立峰です。
噴火警戒レベルがいつ上がるかわからないので、思い立ったが吉日です!