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「登攀の前には葛藤がある。なぜ悩むのか。それは行動を起こすことによって、『肉体』が滅びることを『精神』が恐れるからだ。『精神』とは、ヒトが人間であることを示す最後の砦なのだ。」 長谷川恒男
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この碑文は、御岳山を少し奥に進んだ長尾平入り口の登山道脇にある。
長谷川恒男は、ヨーロッパアルプス三大北壁(アイガー、マッターホルン、グランドジョラス)の厳冬期単独登頂を果たしたクライマーであり、ヒマラヤのウルタル2峰でその命を落とした。
日本山岳耐久レース「長谷川恒男カップ」(通称 ハセツネ)は、この碑文のある長尾平が第三関門となっている。
ある程度突っ込んだ登攀をしたことのあるクライマーなら、この長谷川恒男の碑文は、ずしっと腹の底に響いてくるはずだ。
厳冬期の暗い壁を見上げて敗退した苦い思い出が蘇ってくるのだ。
そろそろ紅葉も終盤となってきた。
寒くなりすぎる前に息子を誘って大岳山に行くことにした。
御岳山のケーブルカーは大盛況で、あと数分遅れたら車が駐車できないところであった。
朝の気温は、4℃。
寒がりの息子は、フリースの帽子でスタート。
お土産屋さんが軒を連ねる通りを過ぎる頃には、だいぶ体も温かくなってきた。
今日は御岳神社には寄らないが、とりあえず身を清めて…
「犬用」には笑った。犬も清めないと入山できんのか?
御岳神社との分岐を大岳山方面へ進む。
ハセツネ碑文のある長尾平を過ぎてしばらく行くと、あっという間にロックガーデン入り口(出口?)に到着。
ここまでは、それほど高低差もなく楽な登山道だ。
とりあえず、水分補給とチョコレートで栄養補給。
ここから沢沿いにやや急な登りがしばらく続く。
沢を登り詰めると芥場峠だ。
芥場峠には、たくさんのハイカーに混じってMTBの一団も休んでいた。
晩秋の日差しを浴びながらの山歩きは気持ちがよい。
今日は風もなく、とても穏やかである。
しばらく行くと大岳山の山頂が見えてきた。
そして、この看板を過ぎてから傾斜がきつくなってくる。
「滑落注意」とは書いてあるが、ちょっと大げさすぎないか?
息子はいい感じの枝を見つけたようで、しばらくストック代わりにしていたが、岩が立ってきたので捨ててしまった。
登山道はピークを東から巻くように付けられている。
南側に出たところで大岳山荘が見えてきた。
大岳山荘は、2008年に営業を終えていて、今は廃墟となっている。
山荘の目の前にある大岳神社の鳥居をくぐると、最後の急登だ。
ようやく山登りらしくなってきて、ちょっと楽しそうな息子。
11時20分、大岳山(1266.5m)登頂。
登り始めてから2時間10分かかった。
途中何回か休憩を挟んでのタイムなので、相変わらず息子のペースは速い。
これで奥多摩三山のうち2つ(三頭山、大岳山)を制覇した。
残りは、御前山だけである。
山頂からは丹沢山系がよく見える。
もう少し寒くなって空気がクリアになってきたら、富士山がくっきり見えるところだが、今日はうっすら見えた程度だった。
山頂は多くのハイカーで賑わっていた。
みんな楽しげに昼食タイムだ。
小型バーナーでラーメンを作る人が多い中、ある若者グループの一人の山ガールが大きなザックから土鍋を取り出し、「山頂鍋物」をやり出したのにはたまげた。
すげぇ根性してるなぁ。(笑)
うちのランチはおとなしく「赤いきつね」で…
気温もだいぶ上がってきて、ぽかぽか陽気になった。
いい景色を眺めながらの「赤いきつね」は実に美味い。
このあと、来た道を逆に戻り、ケーブルカー駅まであっという間に到着したわけだが、気温が低くなってきたせいか膝の調子がとても悪かった。
2年前の靱帯断裂が響いているのだと思う。
おまけに仕事も忙しい割には、それほど体は動かさない。
膝まわりの筋力が衰えても不思議はない。
…「肉体」が滅びることを「精神」恐れるからだ。
まさか、大岳山でそれを感じるとは思ってもみなかった。
あと5~6年もすれば、息子は確実に自分の体力を上回るだろう。
そしたら荷物を全部息子に持ってもらうから、まぁいいか。(笑)
「登攀の前には葛藤がある。なぜ悩むのか。それは行動を起こすことによって、『肉体』が滅びることを『精神』が恐れるからだ。『精神』とは、ヒトが人間であることを示す最後の砦なのだ。」 長谷川恒男
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この碑文は、御岳山を少し奥に進んだ長尾平入り口の登山道脇にある。
長谷川恒男は、ヨーロッパアルプス三大北壁(アイガー、マッターホルン、グランドジョラス)の厳冬期単独登頂を果たしたクライマーであり、ヒマラヤのウルタル2峰でその命を落とした。
日本山岳耐久レース「長谷川恒男カップ」(通称 ハセツネ)は、この碑文のある長尾平が第三関門となっている。
ある程度突っ込んだ登攀をしたことのあるクライマーなら、この長谷川恒男の碑文は、ずしっと腹の底に響いてくるはずだ。
厳冬期の暗い壁を見上げて敗退した苦い思い出が蘇ってくるのだ。
そろそろ紅葉も終盤となってきた。
寒くなりすぎる前に息子を誘って大岳山に行くことにした。
御岳山のケーブルカーは大盛況で、あと数分遅れたら車が駐車できないところであった。
朝の気温は、4℃。
寒がりの息子は、フリースの帽子でスタート。
お土産屋さんが軒を連ねる通りを過ぎる頃には、だいぶ体も温かくなってきた。
今日は御岳神社には寄らないが、とりあえず身を清めて…
「犬用」には笑った。犬も清めないと入山できんのか?
御岳神社との分岐を大岳山方面へ進む。
ハセツネ碑文のある長尾平を過ぎてしばらく行くと、あっという間にロックガーデン入り口(出口?)に到着。
ここまでは、それほど高低差もなく楽な登山道だ。
とりあえず、水分補給とチョコレートで栄養補給。
ここから沢沿いにやや急な登りがしばらく続く。
沢を登り詰めると芥場峠だ。
芥場峠には、たくさんのハイカーに混じってMTBの一団も休んでいた。
晩秋の日差しを浴びながらの山歩きは気持ちがよい。
今日は風もなく、とても穏やかである。
しばらく行くと大岳山の山頂が見えてきた。
そして、この看板を過ぎてから傾斜がきつくなってくる。
「滑落注意」とは書いてあるが、ちょっと大げさすぎないか?
息子はいい感じの枝を見つけたようで、しばらくストック代わりにしていたが、岩が立ってきたので捨ててしまった。
登山道はピークを東から巻くように付けられている。
南側に出たところで大岳山荘が見えてきた。
大岳山荘は、2008年に営業を終えていて、今は廃墟となっている。
山荘の目の前にある大岳神社の鳥居をくぐると、最後の急登だ。
ようやく山登りらしくなってきて、ちょっと楽しそうな息子。
11時20分、大岳山(1266.5m)登頂。
登り始めてから2時間10分かかった。
途中何回か休憩を挟んでのタイムなので、相変わらず息子のペースは速い。
これで奥多摩三山のうち2つ(三頭山、大岳山)を制覇した。
残りは、御前山だけである。
山頂からは丹沢山系がよく見える。
もう少し寒くなって空気がクリアになってきたら、富士山がくっきり見えるところだが、今日はうっすら見えた程度だった。
山頂は多くのハイカーで賑わっていた。
みんな楽しげに昼食タイムだ。
小型バーナーでラーメンを作る人が多い中、ある若者グループの一人の山ガールが大きなザックから土鍋を取り出し、「山頂鍋物」をやり出したのにはたまげた。
すげぇ根性してるなぁ。(笑)
うちのランチはおとなしく「赤いきつね」で…
気温もだいぶ上がってきて、ぽかぽか陽気になった。
いい景色を眺めながらの「赤いきつね」は実に美味い。
このあと、来た道を逆に戻り、ケーブルカー駅まであっという間に到着したわけだが、気温が低くなってきたせいか膝の調子がとても悪かった。
2年前の靱帯断裂が響いているのだと思う。
おまけに仕事も忙しい割には、それほど体は動かさない。
膝まわりの筋力が衰えても不思議はない。
…「肉体」が滅びることを「精神」恐れるからだ。
まさか、大岳山でそれを感じるとは思ってもみなかった。
あと5~6年もすれば、息子は確実に自分の体力を上回るだろう。
そしたら荷物を全部息子に持ってもらうから、まぁいいか。(笑)
息子さんだんだん逞しくなってきますね~
papaさんの山登りの記事を見るたびに子供を誘って山登りでも行こうかって気になってきます
山頂でカップラーメン美味しいですよね
あとはビールとつまみがあれば最高です
こんばんは!
登山をすると、息子の成長が目に見えてわかるので、それが何より嬉しいですね。
まさひさんも、ぜひお子さんと山登りをされるといいですよ。
山頂ビールも捨てがたいですね。
これからは寒くなってくるのでホットウイスキーもいいですよ。
息子さん、山男への道、まっしぐらかな?
お父さんは、膝の回りの筋肉を鍛えておかないと
ほんと、追いつけなくなってしまいますね。
山男へ着々と登って行っていますね~。
段々寒くなってきますが、雪が降ったら、
また雪山登山されるんでしょうか?
いつかはそこにも息子さんが一緒に居るんでしょうね~。
楽しみですね。
逞しくも見えます。
息子の成長が楽しみでしたが、いざ抜かれると悔しいもんです(笑)
昨年息子達と御岳山に行きましたが、完全に置いてけぼりでした(笑)
でも、諦めがついてからは、また楽しくなってきましたよ(^^)
こんばんは!
息子は背丈は低い方ですが、体全体の筋肉の付き方がしなやかでバランスがとれているんです。
最近は、岩場の下りが滅法速くなってきて、うかうかしていると、ホント置いて行かれます。
>soraさん
こんばんは!
今年も雪山に行きたいですね。
でも、予定がまったく立たないところが辛いですね。
息子が雪山に足を踏み入れるには、あと10年は必要かな。
>あなさん
こんばんは!
息子に体力で負ける気分ってどうなんでしょうね。
一気に老け込んだりして…(笑)
山で負けたら、最後の砦はヤマメ釣り?
それも秋川じゃなくていきなり山岳渓流とか。
レスが非常~に遅くなってすみません。
諸般の事情がございまして…。
またその辺の話は、いつかゆっくりと…。
息子は最近「漁師になりたい」とか言っております。
何が彼をそうさせているのか?
親に似てロマンを追い求めるタイプなのかもしれません。