「フォレスト・ガンプ 一期一会」などで2度のアカデミー賞主演男優賞に輝くトム・ハンクスが、製作、監督、脚本、主演を務めたハートフル・ストーリー。失業した中年男性が、再就職のために通い始めた学校で情熱を失った女性教師と出会い、互いに希望を見出してゆく。共演は「食べて、祈って、恋をして」のジュリア・ロバーツ。
あらすじ:大卒ではないという理由で、長年勤めていたスーパーをリストラされてしまったラリー・クラウン(トム・ハンクス)。再就職のアテもなく落ち込んでいたが、心機一転、再就職のためのスキルを身につけようと、短期大学に入学する。そこで出会ったのは、スピーチの授業を担当する教師メルセデス・テイノー(ジュリア・ロバーツ)。いつも仏頂面で、酒に酔って暴言を吐くメルセデスは、結婚生活の破綻からアルコールに走り、教師としての情熱も、日々の喜びさえも見失っていた。初めてのキャンパスで年齢も境遇も違う様々な人々と出会うことで世界を広げ、かつてない充実した日々を送り始めるラリー。メルセデスは、そんなラリーとの出会いを通して、再び自分と向き合い始める。果たして2人はこの教室で、幸せな未来を見つけることが出来るのか……?
<感想>このご時世、いつなにが起こるかわからない。勤務先の大型スーパーで優秀な社員として働いていたにもかかわらず、大学を出ていない彼にはこれ以上出世の望みはないという理由で、突然解雇される。逆境を好機に変えるラリーの人生の極意とは、もちろん彼だって落ち込む。でも「だったら学歴を持とう」と迷いなく大学に入学する。その行動力がスゴイ。年を重ねると思いきった一歩が困難だったりするが、それを踏み出したラリーが経験する、様々な出来事が楽しい。
この主人公ラリーのように、アメリカでは社会に出たあとでも様々な理由や年齢で大学に戻り、資格を取って人生の再スタートを切る人が珍しくない。原則として入学試験のないコミュニティ・カレッジで取れる資格もあるし、その後正規の大学へ編入することも可能である。
にしてもやはり、リストラは誰にとっても辛い体験である。この人が言うことなら絶対信じたくなる。名優トム・ハンクスが監督と主演務め、そして、ほかに誰がいてもまず目がいく、華のあるジュリア・ロバーツ。このアカデミー賞2大スターの豪華共演作なんだもの、親子ほど年の離れた学生たちの中に、平気で飛び込んでいくラリー。その素直すぎる姿勢から「友情に年齢は関係ない」と教えられる。
年齢問わず個性豊かな人々との交流、それにラリーが若者と交流する手段がスクーター。トム・ハンクスはそのスクーターにこだわり、撮影に使われたものはヴィンテージものなので注目を。大学でラリーは、若くセンス抜群のタリアと知り合い、彼女を通して風水やファッションへの目覚め、まさに“生きている”って感じ。逆に全てをリセットする機会を得たラリーが羨ましくなるほどだ。
ハートウォーミングな物語とピュアなキャラは、まさにトムが得意とする世界。
一方、ラリーが受講するスピーチクラスの美人教師、メルセデスは、結婚生活が破綻しかけているせいで、いつも不機嫌。だが、おトボケのようで意外に真実を突いてくるラリーや、クラスの仲間との交流を通し、メルセデスもまた自分に自信を取り戻していく。
「こんなハズじゃなかった」と人生の崖っぷちに立つ二人の物語は、実はそんなことが今、誰にでも起こり得るからこそ、私たちの心にもストレートに響くのですね。
ラリーが受ける経済学のマツタニ教授に「スター・トレック」でお馴染みだった日系人俳優ジョージ・タケイが出演。実は大人にこそ経済学やスピーチの授業は必要な内容なんです。強い意思さえあれば、勉強を始めるのに遅すぎることはないってこと。
そして彼らが心機一転、恐れず一歩踏み出すことで新たな出会い、そして幸せを見つけていく姿が、観る者に希望と勇気を与えてくれる。
全体としては失業者が決して希望を失わない作りにしながらも、あえてエンターテイメント性を少し控えめにしているのがいいし、そうすることで、嘘くささがなくなり作品として失業者に、真の意味での希望を与えてくれると思う。
全編に漂う、トム・ハンクス監督らしい明るく前向きなムードが、本作の魅力。70年代~80年代の音楽も効果的に使われ、ラリーの再出発ドラマをさわやかに受け止めてしまう。
2012年劇場鑑賞作品・・・41 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:大卒ではないという理由で、長年勤めていたスーパーをリストラされてしまったラリー・クラウン(トム・ハンクス)。再就職のアテもなく落ち込んでいたが、心機一転、再就職のためのスキルを身につけようと、短期大学に入学する。そこで出会ったのは、スピーチの授業を担当する教師メルセデス・テイノー(ジュリア・ロバーツ)。いつも仏頂面で、酒に酔って暴言を吐くメルセデスは、結婚生活の破綻からアルコールに走り、教師としての情熱も、日々の喜びさえも見失っていた。初めてのキャンパスで年齢も境遇も違う様々な人々と出会うことで世界を広げ、かつてない充実した日々を送り始めるラリー。メルセデスは、そんなラリーとの出会いを通して、再び自分と向き合い始める。果たして2人はこの教室で、幸せな未来を見つけることが出来るのか……?
<感想>このご時世、いつなにが起こるかわからない。勤務先の大型スーパーで優秀な社員として働いていたにもかかわらず、大学を出ていない彼にはこれ以上出世の望みはないという理由で、突然解雇される。逆境を好機に変えるラリーの人生の極意とは、もちろん彼だって落ち込む。でも「だったら学歴を持とう」と迷いなく大学に入学する。その行動力がスゴイ。年を重ねると思いきった一歩が困難だったりするが、それを踏み出したラリーが経験する、様々な出来事が楽しい。
この主人公ラリーのように、アメリカでは社会に出たあとでも様々な理由や年齢で大学に戻り、資格を取って人生の再スタートを切る人が珍しくない。原則として入学試験のないコミュニティ・カレッジで取れる資格もあるし、その後正規の大学へ編入することも可能である。
にしてもやはり、リストラは誰にとっても辛い体験である。この人が言うことなら絶対信じたくなる。名優トム・ハンクスが監督と主演務め、そして、ほかに誰がいてもまず目がいく、華のあるジュリア・ロバーツ。このアカデミー賞2大スターの豪華共演作なんだもの、親子ほど年の離れた学生たちの中に、平気で飛び込んでいくラリー。その素直すぎる姿勢から「友情に年齢は関係ない」と教えられる。
年齢問わず個性豊かな人々との交流、それにラリーが若者と交流する手段がスクーター。トム・ハンクスはそのスクーターにこだわり、撮影に使われたものはヴィンテージものなので注目を。大学でラリーは、若くセンス抜群のタリアと知り合い、彼女を通して風水やファッションへの目覚め、まさに“生きている”って感じ。逆に全てをリセットする機会を得たラリーが羨ましくなるほどだ。
ハートウォーミングな物語とピュアなキャラは、まさにトムが得意とする世界。
一方、ラリーが受講するスピーチクラスの美人教師、メルセデスは、結婚生活が破綻しかけているせいで、いつも不機嫌。だが、おトボケのようで意外に真実を突いてくるラリーや、クラスの仲間との交流を通し、メルセデスもまた自分に自信を取り戻していく。
「こんなハズじゃなかった」と人生の崖っぷちに立つ二人の物語は、実はそんなことが今、誰にでも起こり得るからこそ、私たちの心にもストレートに響くのですね。
ラリーが受ける経済学のマツタニ教授に「スター・トレック」でお馴染みだった日系人俳優ジョージ・タケイが出演。実は大人にこそ経済学やスピーチの授業は必要な内容なんです。強い意思さえあれば、勉強を始めるのに遅すぎることはないってこと。
そして彼らが心機一転、恐れず一歩踏み出すことで新たな出会い、そして幸せを見つけていく姿が、観る者に希望と勇気を与えてくれる。
全体としては失業者が決して希望を失わない作りにしながらも、あえてエンターテイメント性を少し控えめにしているのがいいし、そうすることで、嘘くささがなくなり作品として失業者に、真の意味での希望を与えてくれると思う。
全編に漂う、トム・ハンクス監督らしい明るく前向きなムードが、本作の魅力。70年代~80年代の音楽も効果的に使われ、ラリーの再出発ドラマをさわやかに受け止めてしまう。
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