直木賞作家・桜庭一樹によるベストセラー小説を、『海炭市叙景』などの熊切和嘉監督が映画化。流氷に閉ざされた北海道と東京を舞台に、孤児となった少女と彼女を引き取ることになった男の禁断の関係を描き出す。互いに秘密を抱え寄り添うように生きる父と娘には、浅野忠信と二階堂ふみがふんするほか、高良健吾、藤竜也らが共演。時代の移り変わりに合わせてフィルムとデジタルを駆使し、北海道の雄大な自然を捉えた映像にため息が出る。
<感想>原作読みました。主人公の花に二階堂ふみという役柄は体当たりで演じているようで、高校生の制服も似合うし、父親の浅野忠信とのセックスだって動に行ったものでした。ですので、R15指定ということで、二階堂ふみの下着姿はもちろん、激しく絡み合いそのシーンでは血の雨が降るという濃厚なラブシーンです。
子供時代の子役の女の子も、奥尻島の震災で津波を経験し、両親と妹を亡くして孤児となった。そこへ、親戚の叔父さんという腐野淳悟が引き取るというのだ。10歳の子供にとっては、地獄を見たような津波の海の中でもがき苦しみ、自力で這い上がって避難所で母親の遺体を見て、自分は生き残ってこれからどうなるのだろうと、不安になる。そこへ若い青年が親戚だと言って自分を引き取ってくれる。それまで涙一つ溢さなかった花が、紋別までの車の中で堪えていた悲しみを声を上げて泣くシーン。もう絶対に一人ではないという安心が眠りを誘う。
そして、紋別編では主演の二階堂ふみが18歳になるのを待って撮影されたという、近親相姦の濡れ場である。花にしてみれば、腐野淳悟は自分の親であると共に恋人でもあるのだ。初めての男で、誰にも渡したくない自分だけの男。海上保安官の仕事をしている腐野淳悟の社宅で、花は養女として育てられ、二人の関係は禁断の近親相姦なのですね。
つまり、腐野淳悟が両親に死に別れて中学3年生の時に孤児となり、花の家へ半年間、居候している内に花の母親と肉体関係となり、妊娠して花を産むことに。その後は、腐野淳悟は遠縁でもある大塩の世話で高校生となり海上保安官になる。しかし、その間も友人に頼んで自分の娘の写真を撮って送ってもらっていたのだ。つまりは、16歳で父親になった淳悟は、娘の成長を楽しみにしていたということ。
高校生役の二階堂ふみは制服が似合っていて、紋別の生活が本当に楽しくて仕方がないという感じに映っている。花が自分の方から性に目覚めて、父親であることを知っても、自分から身体を求めるのだから、幼児性虐待とはまた違った展開なのだ。つまりは、女性の方が性に目覚めて、父親にセックスを求めるわけ。
父親の淳悟も初めは戸惑ったものの、娘を愛するあまりに体の関係を持ってしまったのだろう。それに、花を引き取る前に淳悟の恋人だった小町とは、結婚するつもりだったのに、花が邪魔をしては小町にヤキモチを焼かせて、でも、モデル出身の河井青葉と浅野忠信の激しいベッドシーンは見応えあります。娘と毎日のように肉体関係を持つようになると自然に小町とは縁遠くなる。
花も小町のことは知っていて、絶対に自分の父親=男は渡さないとばかりに、誕生日のプレゼントのダイヤのピアスを見せびらかす。高校生とは思えない花の身体つきと、魔性の女の匂いが身体から充満しているように見えた。その近親相姦がついに、孤児となった幼い花のことを心配していた遠縁でもある大塩(藤竜也)の爺さんの目に入ってしまう。
腐野淳悟が仕事で家を空けた時に、花にそのことを「獣のすることだ」と「今なら間に合う、早く家を出て親戚の家へ」と説教する。花には絶対に淳悟が必要であり、世間の目なんて関係ない。近親相姦だってどうでもいいのだ。大塩の爺さんを流氷の上に乗せて沖まで流してしまう。結局は死んで見つかったのだが。そのことを淳悟に話すと「そうか分かった」というばかり。大塩の爺さんに面倒を見て貰っていた警察官の田岡は、爺さんの死を不信に思っている。
淳悟は、花を連れて東京に引っ越して、タクシーの運転手として働き、花を短大まで教育し、花は企業の受付係として働く。そこへ、北海道から刑事の田岡がやって来て、淳悟に花のメガネを渡して、彼女が大塩の爺さんを殺した犯人だと言う。それからは、口封じに田岡を殺すしかないとばかりに、首に包丁で刺し殺す。花が帰って来て、それを見て「お父さんも人殺しね」と呟く。
それでも、花は仕事先で金持ちのぼんぼんの高良健吾と仲良くなるのですね。少ししか出番がなく、別に彼でなくとも良かったのにね。酔った花を家までタクシーで送り届け、ゴミ屋敷のような花の家。家の中は薄暗く、布団が積み上げられている。原作では、殺した田岡をビニール袋に包んで押入れに隠したとありましたが、映画ではどう始末したのか描かれてません。
物語は、原作だと冒頭で花が結婚することになり、たった一人の親戚として養父の腐野淳悟に出席して欲しいと、花嫁姿の花が時間が迫るなか淳悟の来るのを待っている。そして、時制を遡るかたちで綴っていく原作とは違った構成で展開していきます。
それにしてもラストの3年間、花は何処でどんな暮らしをしていたのかが描かれていない。家を出た花が、綺麗に化粧をしてドレスを着て、結婚相手と言う男を連れて、美しく変身した娘と逢う。父親である腐野淳悟がみすぼらしくも一応礼服を着て、足元はサンダル履きという格好で駆けつける。そして、テーブルに座ると花は微笑むように淳悟を見つめ、テーブルの下では足のつま先が淳悟の股間を触っているのだ。
だが、夫となる男は高良健吾ではなかった。まだまだ彼女は、結婚しても父親ではなく男として淳悟を求めているのである。この映画は、二階堂ふみの迫真の演技で見せているような、下手をすればエログロにも見えてしまう濃厚な濡れ場シーンを、大胆にも演じてアダルト路線へ転向かとも取れる演技は、ご立派としか言えない。
2014年劇場鑑賞作品・・・216 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
<感想>原作読みました。主人公の花に二階堂ふみという役柄は体当たりで演じているようで、高校生の制服も似合うし、父親の浅野忠信とのセックスだって動に行ったものでした。ですので、R15指定ということで、二階堂ふみの下着姿はもちろん、激しく絡み合いそのシーンでは血の雨が降るという濃厚なラブシーンです。
子供時代の子役の女の子も、奥尻島の震災で津波を経験し、両親と妹を亡くして孤児となった。そこへ、親戚の叔父さんという腐野淳悟が引き取るというのだ。10歳の子供にとっては、地獄を見たような津波の海の中でもがき苦しみ、自力で這い上がって避難所で母親の遺体を見て、自分は生き残ってこれからどうなるのだろうと、不安になる。そこへ若い青年が親戚だと言って自分を引き取ってくれる。それまで涙一つ溢さなかった花が、紋別までの車の中で堪えていた悲しみを声を上げて泣くシーン。もう絶対に一人ではないという安心が眠りを誘う。
そして、紋別編では主演の二階堂ふみが18歳になるのを待って撮影されたという、近親相姦の濡れ場である。花にしてみれば、腐野淳悟は自分の親であると共に恋人でもあるのだ。初めての男で、誰にも渡したくない自分だけの男。海上保安官の仕事をしている腐野淳悟の社宅で、花は養女として育てられ、二人の関係は禁断の近親相姦なのですね。
つまり、腐野淳悟が両親に死に別れて中学3年生の時に孤児となり、花の家へ半年間、居候している内に花の母親と肉体関係となり、妊娠して花を産むことに。その後は、腐野淳悟は遠縁でもある大塩の世話で高校生となり海上保安官になる。しかし、その間も友人に頼んで自分の娘の写真を撮って送ってもらっていたのだ。つまりは、16歳で父親になった淳悟は、娘の成長を楽しみにしていたということ。
高校生役の二階堂ふみは制服が似合っていて、紋別の生活が本当に楽しくて仕方がないという感じに映っている。花が自分の方から性に目覚めて、父親であることを知っても、自分から身体を求めるのだから、幼児性虐待とはまた違った展開なのだ。つまりは、女性の方が性に目覚めて、父親にセックスを求めるわけ。
父親の淳悟も初めは戸惑ったものの、娘を愛するあまりに体の関係を持ってしまったのだろう。それに、花を引き取る前に淳悟の恋人だった小町とは、結婚するつもりだったのに、花が邪魔をしては小町にヤキモチを焼かせて、でも、モデル出身の河井青葉と浅野忠信の激しいベッドシーンは見応えあります。娘と毎日のように肉体関係を持つようになると自然に小町とは縁遠くなる。
花も小町のことは知っていて、絶対に自分の父親=男は渡さないとばかりに、誕生日のプレゼントのダイヤのピアスを見せびらかす。高校生とは思えない花の身体つきと、魔性の女の匂いが身体から充満しているように見えた。その近親相姦がついに、孤児となった幼い花のことを心配していた遠縁でもある大塩(藤竜也)の爺さんの目に入ってしまう。
腐野淳悟が仕事で家を空けた時に、花にそのことを「獣のすることだ」と「今なら間に合う、早く家を出て親戚の家へ」と説教する。花には絶対に淳悟が必要であり、世間の目なんて関係ない。近親相姦だってどうでもいいのだ。大塩の爺さんを流氷の上に乗せて沖まで流してしまう。結局は死んで見つかったのだが。そのことを淳悟に話すと「そうか分かった」というばかり。大塩の爺さんに面倒を見て貰っていた警察官の田岡は、爺さんの死を不信に思っている。
淳悟は、花を連れて東京に引っ越して、タクシーの運転手として働き、花を短大まで教育し、花は企業の受付係として働く。そこへ、北海道から刑事の田岡がやって来て、淳悟に花のメガネを渡して、彼女が大塩の爺さんを殺した犯人だと言う。それからは、口封じに田岡を殺すしかないとばかりに、首に包丁で刺し殺す。花が帰って来て、それを見て「お父さんも人殺しね」と呟く。
それでも、花は仕事先で金持ちのぼんぼんの高良健吾と仲良くなるのですね。少ししか出番がなく、別に彼でなくとも良かったのにね。酔った花を家までタクシーで送り届け、ゴミ屋敷のような花の家。家の中は薄暗く、布団が積み上げられている。原作では、殺した田岡をビニール袋に包んで押入れに隠したとありましたが、映画ではどう始末したのか描かれてません。
物語は、原作だと冒頭で花が結婚することになり、たった一人の親戚として養父の腐野淳悟に出席して欲しいと、花嫁姿の花が時間が迫るなか淳悟の来るのを待っている。そして、時制を遡るかたちで綴っていく原作とは違った構成で展開していきます。
それにしてもラストの3年間、花は何処でどんな暮らしをしていたのかが描かれていない。家を出た花が、綺麗に化粧をしてドレスを着て、結婚相手と言う男を連れて、美しく変身した娘と逢う。父親である腐野淳悟がみすぼらしくも一応礼服を着て、足元はサンダル履きという格好で駆けつける。そして、テーブルに座ると花は微笑むように淳悟を見つめ、テーブルの下では足のつま先が淳悟の股間を触っているのだ。
だが、夫となる男は高良健吾ではなかった。まだまだ彼女は、結婚しても父親ではなく男として淳悟を求めているのである。この映画は、二階堂ふみの迫真の演技で見せているような、下手をすればエログロにも見えてしまう濃厚な濡れ場シーンを、大胆にも演じてアダルト路線へ転向かとも取れる演技は、ご立派としか言えない。
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