ぱらみかのひとりごと

アンテナをちょっと立ててみると、
面白いことって転がり込んでくるのね。

卒業しました。

2013年03月19日 | talk to myself...
何年前のことでしょうか。
当時の職場で大変お世話になっていた卸さんの社内で大規模な異動があり、
内輪の送別会に呼んでいただきました。
何度か飲み会でご一緒したことのある隣りの地区の課長さんは本社へ、
顔見知りの方お二方は中部、関西方面へ転勤でした。
その営業所の皆さんは、下っ端だった私をとてもかわいがってくださいました。
居酒屋でどんちゃん騒ぎし、カラオケで歌い踊り、
それは楽しい会でした。
終電間近となり、名残り惜しいままお開き。
私は、帰る方面が一緒だった課長さんとタクシーに相乗りさせていただきました。
課長さんはお酒が全くダメなのですが、
それを感じさせないほどハイテンションで、いつもとても楽しい方でした。
その課長さんがタクシーの中で、独り言のようにつぶやきました。

「俺は本社へ異動だから周りは知り合いばかりだけど、
あいつらは慣れない土地で見知らぬ人たちと仕事をしていくんだよな。
大変だよな・・・」

課長さんは長いことその営業所にお勤めでした。
異動になったお二方を若い頃から指導し、見守っていたのです。
ですからその営業所の方々は皆、その課長さんをとても慕っていました。
いわば、職場において兄貴、父親のような存在だったのだと思います。
自分の弟、息子を、右も左もわからない土地へと旅立たせる課長さんの不安が
その独り言になったのだと私は感じ、
気の利いたことも言えないままうなづくだけでした。

本日、私は栄養士の専門学校を卒業し、
春からその専門学校で助手として働くこととなりました。
卒業式の後、学校の教室で卒業証書を受け取り、
皆の挨拶を聞きながら、ぼんやりと思い出したのは
あのときの課長さんの独り言でした。
もちろん私は課長でもなく、皆と同じ生徒の立場です。
それでも、思います。
皆には慣れない職場、慣れない仕事であっても、頑張ってほしい。
教室でそうであったように、
いつも笑って、周囲を思いやって、
何より楽しく過ごしてほしいと。
それでも辛いときは、
どうぞ学校へお出かけください。
3Fの実験室で、試験管を洗いながらお待ちしています。
2年間共にハードなカリキュラムをこなした仲です。
そのときのこと思い出せば、また明日から頑張れるよ。

その課長さんは1年半の植物人間状態を経て、
一昨日永眠されました。
もう一度、皆の前でクレイジーケンバンドを歌って欲しかった。
西口さん、ご冥福をお祈り申し上げます。


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