本書は自閉症者を社会に適応させるという一般的な発想に対して批判的な視点を提供しています。著者はさまざまな芸術(美術、音楽からアニメまで)や学問の中に自閉症的な特性を見い出してゆきます。自閉症的特性は人類の文化の重要な要素となっていることがわかります。著者はいわゆる定型発達の「定型」は唯一絶対のあり方ではないという発想を提起しています。そして、定型発達者と自閉症者がおだやかに共存できる社会を模索することを提案しています。「ニューロダイバーシティ」と呼ばれる考え方に通じるところがあると思いました。
ちなみに、社会学の研究者である著者も自分は自閉症的傾向があることを自覚しておられます。
ちなみに、社会学の研究者である著者も自分は自閉症的傾向があることを自覚しておられます。