ピースサイクル for 伊方集会 2011
反原発を掲げて走行し続けてきた「ピースサイクルおおいた」ではあるが、私は一昨年初めてこの愛媛・伊方に来た。四国の地を自転車で走ったのは3回目。全国のサイクリストたちのあこがれのルートである夕やけ小やけラインを、今回も走ることができた。
大分を出発したのが21日の午後。別府からのフェリーへ、愛車「クリーンスピード号」とともに乗り込んだ。前回、前々回の教訓~折りたたみ自転車とはいえ、泊を伴うツアーの荷物と合わせるとかなり移動は負担になる~を生かし、近くのホームセンターで手に入れた”お買い物キャリー” にくくり付けての移動。おおっ、むちゃくちゃ楽やんけ! 幸先いいぞ!! 、、、と思ったのも束の間、次第に空模様は怪しくなり、ついに土砂降り。八幡浜港では桟橋に降りるまでにびしょ濡れになってしまった。すでに四国に渡って来ていた広島の仲間がわざわざ八幡浜港まで車で迎えに来てくれていた。ありがたい。自転車を積み込み、一路松山へ。旧交を祝い、しばし会食。「この雨じゃあ、明日の自転車走行は無理だべ。もう一杯やるか(歓)」
そして次の朝。目を覚ますと、あれっ? 雨降ってないじゃん、、、(焦)。、、、ということで、午後の集会にゆっくり参加するという当初の計画を急遽変更。前日松山市駅前で行う予定だった街宣・ビラ配りを行うことにした。もちろん歌も。土曜日の朝ということで人通りは少なかったが、ビラの受け取りは結構良かった。「ふるさとは原発をのぞまない♪」「ふるさと祝島♪」「竜王様のお告げ♪」という、ピースサイクルご用達、九条ズの反原発3部作も披露された。そしていよいよ伊方に向けて出発!
(メンバーの提案で、途中大洲のあたりで記念撮影。バックには忌々しい伊方原発が見える。「伊方原発最後の写真にしよう」とのこと。自転車につけているのは『なくそう!原発』のミニのぼり旗。)
途中で雲行きがあやしくなり、保内のトンネル付近で走行はやめて、車で会場へ移動した。会場ではすでに集会は始まっており、熱気が充満する中、途中から参加させてもらった。
、、、それにしても、である。毎回伊方集会に来るたびに、私はそのエネルギーに圧倒される。どこかゴツゴツとしていて、ぜんぜんスマートじゃなくて、でも、熱気にあふれていて、激しいんだけど温かい。この次もまた参加したくなる集会なのである。当然、夜の交流会も盛り上がる。盛り上がって、伊方原発、いや、すべての原発をとめようという意欲が数倍に膨れ上がる。
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お聞きあれ。九条ズの3部作。
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曲はこちらで聴けます。
「ふるさとは原発をのぞまない」
http://www.youtube.com/watch?v=keppdqHcSw0&feature=player_detailpage
「竜王様のお告げ」
http://www.youtube.com/watch?v=1tgMl35Vd5Y&feature=player_detailpage
「ふるさと祝島」
http://www.youtube.com/watch?v=pxCnkfjre84&feature=player_detailpage
さて、いよいよピースサイクルおおいた伊方行動の3日目。八幡浜駅前に集合の後、移動しながらのチラシ配り。その時のこと。
瀬戸間を通り、幾件かにチラシを入れていたのだが、途中の一軒でお年寄りがいたので手渡した。どんな反応が返ってくるのかとても不安だった。
「こんにちは。伊方原発を止めましょう、という内容のチラシを配っています。」
「原発の再稼動じゃないんかね。」
「いえ、止める方です。福島の原発事故もありましたし、もしも伊方原発でも事故がおきれば大変なことになりますんで。」
「ここは原発から○キロじゃ。事故が起きたらもう終わりじゃ。」
「実は私は大分から、このことで来たんです。大分も海を隔ててすぐそこですんで、なんとか止めたいと思いよるんです。」
「へえ、大分、、、。避難地域が30キロじゃけん、大分も入るわな。」
「そうなんですよ。」
・ ・・
・ ・・
意外だった。昨年、集会が行われた時期にもチラシ入れを行ったが、その時は地元のお祭りと重なったせいもあったのか、メンバーの一人は「帰れ!」と手荒い歓迎を受けたのだ。それが今回はどうだろう。原発反対側の人間と言葉を交わすことなど、前代未聞のことではなかったか。原発に対する意識が確実に変わっていることを実感した。しかし、先のご老人の話にもあるように、おそらく四国電力、原発を推進する勢力は、「福島とは違う。伊方の原発は安全だ。」という内容のことを触れ回り、現在停止させている原子炉の再稼動を虎視眈々と狙っているのだろう。四国電力の関係者が、原発事故を教訓にする意思など毛頭ないことは、この後の伊方原発ゲート前集会での窪田総務課長の態度(こちらの申し入れに対して、時々笑みを浮かべるなど)からもわかる。
伊方原発ゲート前での集会に合わせ、海からも原発反対の声をあげようと、ピースリンク広島呉岩国のゴムボートも浮かべた。残念ながら波が高く、原発近くまでは寄せることができなかった。早めに切り上げてゲート前集会に合流したのであった。
(ゲート前での写真。右は被曝させられようとしている子どもと被曝させようとする四電関係者。画面上方左には県道にいる私たち参加者に向けられた監視カメラも見える。)
わたしたちは子どもたちに何を残すのか。
放射能に汚染された空気と大地と海か。
金のためなら命の犠牲を強いる社会か。
耐震評価も終わっていない段階で再稼動させようとするなんて、
到底子どもたちに胸を張って語れる仕事ではあるまい。
いつの間にこんな情けない大人ばかりの世の中になってしまったんだろうか。しかし、
「あなたの行動が世の中を変えることはないかもしれない。
でも、行動することは大切なこと。世の中によって自分が変えられないようにするために。」
伊方集会では、こんなガンジーの言葉にも出会えた。
また来ます。大好きな四国ネットワークの皆さんへ。
(文責 池田年宏:ピースサイクルおおいた)