すでに述べたように、「エイリアン(Alien)」には「異星人」と「異邦人」のふたつの意味があり、本書ではUFOに搭乗して飛来するエイリアンは「異邦人」、つまり地球外生命体ではなく、同じ地球人という立場をとる。では、UFOで飛び回る異邦人とは、いったいどんな人間なのだろうか。
『M―ファイル』によると、その姿は我々人問と寸分違わないという。頭部、胴体、両手足、そのすべてが人問とまったく同じで、生理機能も同じとある。背丈は、白人と比べてやや低いが、東洋人から見れば平均的で、髪の毛は黒く、目は一重、表情はアルカイック的で、全体的にモンゴロイドの特徴を示しているとある。
「ロズウェル事件」で回収された異邦人の遺骸を見た軍人や政府要人たちは狼狽の色を隠せず、ことさら恐怖に襲われたのが、ンークレット・ガバメントのユダヤ人だったとある。彼らはこの事件をきっかけに、「いよいよ本物が戻ってくる!!」と覚悟したという。この意味は重要である。ハイテク技術で飛び回るUFOに人問が乗っているだけでも驚傍すべき出来事だが、それを燥縦していたのがアジア人と分かり、アメリカ軍の白人たちのプライドはズタズタになった。
とくにアングロサクソンは、アジア人を自分たちより劣った民族と考え、ほかの白人たちと一緒にアジアのほとんどを植民地化してきた。アジア人を奴隷同然に扱い、収穫された産物や掘り出される資源を搾取してきた白人たちが新世界へ渡り、そこに住んでいた先住民を追い払い、建国した国がアメリカ合衆国であり、史上最大の軍事国家にたったはずだった。そのアメリカの軍隊を子供扱いにしたUFOに、こともあろうにモンゴロイドが乗っていたのである。この事実は、軍の白人たちにとれば悪夢以外の何物でもなかったが、シークレット・ガバメントにはなおさらだった。
世界最大の軍事国家を自負するアメリカに、自分たちが逆立ちしても作れないテクノロジーの塊を操縦するアジア人が存在することは、絶対にあってはならないことだった。NSA(国家安全保障局)はエイリアンがモンゴロイドだったことから、徹底的に歴史を調査した結果、とんでもない事実と遭遇することになる。そのアジア系異邦人が、地球内部の亜空間領域に移されたのが、紀元前8世紀ごろだったことを突き止めたのだ。民族の証(蒙古斑)を体に残したモンゴロイドの一団は北の果てに向かい、そこから二度と戻ってこなかった。彼らは世界史の中で最大の謎とされ、「イスラエルの失われた10支族」と呼ばれるヘブライ人だったのだ。
なぜモンゴロイドがヘブライ人なのか。それについて語る前に、「イスラエルの12支族」について説明しておく必要がある。紀元前1900年頃、ヘブライ人の預言者ヤコブには12人の息子がいた。上からルベン、シメオン、レビ、ユダ、ダン、ナフタリ、ガド、アシェル、イッサカル、ゼブルン、ヨセフと名づけられ、末っ子のベニヤミンは、ヨセフが兄たちによってエジプトヘ売られたあとに生まれる。
ヨセフがエジプトに売られる前、ヤコブは神の命令でイスラエルと改名した。そのためヤコブから生まれた12人を「イスラエルの12支族」と呼ぶ。ヨセフがなぜエジプトに売られたかというと、ヨセフは人問的に最も優れていて、預言者の資質を身に着けていたからである。そのヨセフを兄たちが妬んだのだ。
結果、ヨセフはエジプトで才覚を現し、宰相の地位まで上り詰める。世界中を襲った大飢饉から逃れるため、ヨセフの兄たちがエジプトに食料を求めてやってきたのは、ちょうどそのころである。兄たちを許したヨセフは一計を案じ、ヤコブを含むすべての一族を連れてくることを命じた。こうしてイスラエルの一族は、エジプトの地でふたたび子孫を増やして大いに栄えたのである。
ところがヨセフの死後、ファラオがイスラエルの勢力を恐れて、彼らを奴隷の境遇に突き落とした。そこに現れたのがレビの子孫で預言者でもあるモーセだった。紀元前1290年、奴隷だったイスラエルの民は、モーセに率いられてエジプトを脱出し、シナイの荒野を40年もさまよいつづけるが、最後には約束の地カナンを得て、それぞれの支族に応じた領地を受けることになる。
このときレビ族が祭司職につき、領地を持たない特権階級になったため、ヨセフの2人の息子(マナセ、エフライム)の末裔が、ヨセフとレビに代わって支族として加わり、新たなイスラエルの12支族を構成した。その後、イスラエルはダビデの息子ソロモンの時代に最盛期を迎えるが、ソロモンの死後、「北イスラエル王国」と「南ユダ王国」に分かれ、互いに争うようになる。このとき、南ユダ王国に住んでいた支族が、ユダ族とべニャミン族(私領を持たないレビ族の一部を含む)で、残る10支族とレビ族の残りが北イスラエル王国に住んでいた。
紀元前722年、メソポタミアを中心に勢力を拡大していたアッシリア帝国は、北イスラエル王国を滅ぼし、イスラエル10支族をメソポタミアヘ連れ去ってしまった。ところが、アッシリア帝国も、新たに台頭してきた新バビロニア王国により減ぼされてしまう。このとき、イスラエルの10支族の姿はどこにもなかったのである。そのため、多くの聖書研究者は、10支族が捕囚のあとに死に絶えたと考えるようになった。ところが、古代の歴史家フラビウス・ヨセフス(紀元1世紀)は、『ユダヤ古代誌』の中で、「彼らは膨大な数になって、ユーフラテス川の彼方に広がっていた」と記している。では『旧約聖書』はどうかというと、以下のように記している。
★主はついにその僕であるすべての預言者を通してお告げになっていたとおり、イスラエルを御前から退けられた。イスラエルはその土地からアッシリアに移され、今日に至っている。(『旧約聖書』「列王記 下」第17章23節)
また、『旧約聖書外典』の「第4エズラ書」は、イスラエルの10支族について、次のように伝えている。
★これらは、ヨシア王の時代に捕らえられ、その領土から連れ出された支族である。アッシリア王シャルマネセルがこれを捕虜として連れて行き、河の向こうへ移した。こうして彼等は異国へ連れて行かれた。しかし彼等は異邦人の群れを離れ、かつて人のやからが住んだことのない更に遠い地方へ行こうと相談した。それは自分の国では守っていなかった律法をそこで守るためであった。こうして彼等はユウフラテス河の狭い径を通って人って行った。・・・中略)・・・・道程はその地方を通って一年半の遠さであった。その地域はアルザル(アルツァレト)と呼ばれる。(『旧約聖書外典』「第4エズラ書」第13章40~47節)
ところが、途中で多くの者が信仰上の間題や肉体的な問題で脱落し、そのままそこに残る道を選択したようだ。そのため、フィンランドを含む北欧の一部から、ユーラシア大陸北部一帯には、モンゴロイドが多数存在することになる。果たして失われたイスラエル10支族は、アルザルに行き着けたのだろうか?
★「イスラエルの子らを、北の国、彼らが追いやられた国々から導き上られた主は生きておられる」と言うようになる。わたしは彼らを、わたしがその先祖に与えた土地に帰らせる。(『旧約聖書』「エレミヤ書」第16章15節)
★見よ、わたしは彼らを北の国から連れ戻し地の果てから呼び集める。
(『旧約聖書』「エレミヤ書」第31章8節)
聖書を見る限り、イスラエルの失われたm支族の本体は、無事にアルザルの地に入り、ハルマゲドンの直前になると北の果てから戻ってくるらしい。
次回へ続く
■『完全ファイル UFO&プラズマ兵器』飛鳥昭雄(著)徳間書店
第四部 エイリアン=イスラエルの失われた10支族の地球帰還より抜粋紹介
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