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冥土院日本(MADE IN NIPPON)

不思議な夢

            『大國魂神社』拝殿


正月には初夢らしき夢を見なかったのだが、先週のこと、不思議な夢を見た。つるつるとした滑らかな白い岩山を登る夢であった。ようやく昇りきった山頂から見た山は、半球状の形をした巨大な岩山であった。また頂上には石の祠があった。「ここはいったいどこなんだろう」と夢の中で思うと、視界の中に大きな石柱が現れた。そして石柱には『大國魂』の文字がはっきりと刻み込まれていた。「大國魂とは何だ?大國魂神社のことか?」等と考えていたら夢から覚めた。

『大國魂神社』の名前は知っていたが、一度も参詣したことはなかった。また神社巡りは大好きだが、今までに夢に出てきたことは一度もなかった。おまけに夢の中で文字をはっきりと認識したのも初めての経験であった。何かの啓示かなと思いつつも、夢のことは忘れてしまっていた。ところが今週になって、毎日のように、置物、絵画、看板、カレンダーと、大きな袋をしょった、笑顔の大黒様が目に付きはじめたのである。

大國魂神社のご祭神は『大國魂大神』[おおくにたまのおおかみ]だが、名前の示すように『大国主神』と同神とされている。『大国主命』は因幡の白兎でおなじみの『大国様』[だいこくさま]の愛称で親しまれており、音が同じ事から、後にインドの神様『大黒天』と同一とされ、庶民の信仰を集めた。ふと三段論法的な考えが過ぎった時に、「やっぱりこれは何かの啓示だ、大國魂神社に一度行かねばなるまい」と思った。

木曜の午後は仕事のスケジュールがぽっかり空いたので、早速、電車を乗り継いで府中市の『大國魂神社』へ参拝した。府中市は大化の改新(645)以降、武蔵国の国府がおかれたところである。何故、関東平野のこんな奥まったところに国府があったかと言えば、現在の東京23区のほとんどは、この当時、海か葦の茂る湿地であったからだ。神社縁起によれば、創建は第十二代景行天皇四十一(111)年五月五日ということである。正式な記録では国府が置かれた7世紀頃から神社はあったようだ。関東で最も古い神社の一つとされており、武蔵国総社としても良く知られている。

★『大國魂神社』
http://www.ookunitamajinja.or.jp/index.php

豊かな緑に囲まれた神社を参拝し、周囲を散策して帰宅した。その車中で、子供の頃に叔父から聞いた話をふと思い出した。戦前、私の母方の祖父は屋根瓦の工場を経営していた。祖父自身も腕の良い職人で、鬼瓦などの装飾瓦の細工を得意とした。その祖父が作った大黒様の像が、叔父の家の神棚に祭られていた。祖父は生前、大黒天を深く信仰していたようであった。ある時、その家の建て替えを行う事になり、神棚から大黒様を移すことになった。「親父が作ったものだから」という軽い気持ちで、叔父が素手で掴んだところ、手と腕に電流が走ったように痺れ、そのショックで叔父は脚立から転がり落ちたというのであった。後で霊能者の方に見てもらったところ、その大黒像には神様の魂が入っておられるとのこと。またこの場所から動くのは嫌だと申されているとのことだった。驚いた叔父は古い家は解体せずに、隣に新居を立てることにしたという。

祖父が作った大黒様の像は今はどうなったのであろうか・・・。いずれにしても、今年の開運キーワードは大黒様かもしれない。

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