祝日は玄関に国旗を掲揚しましょう
★精神学協会「日本のいまを考える」から転載
『精神学協会』
http://www.godbrain.com/gb/letter/
■日本のいまを考える#33
●ポスト・グローバリズムのその先に向かって ~その5~
グローバリズムに直結する言葉として浮かぶもののひとつに、「国際」という言葉があります。
「国連」というのは、「国際連合」の略語ですが、英語ではUnited Nations つまり「連合国」です。
なぜ、「連合国」と呼ばないのだろう?ということを訝しく思います。
日本は、国連に多額を拠出しています。
国連分担金の多い国
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/un.html
ですが、中国共産党が入っている常任理事国に未だに入れずにいます。
また、「国際」は英語でInternational ですが、この言葉がまた、成り立ちの怪しい言葉です。
Internationalism で調べると、「国際主義」としてWikipedia には、
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国際主義(こくさいしゅぎ)とは、マルクス主義や無政府主義における世界各国の労働者階級の統一を目指し、国際的な連帯・団結を強めようとする政治思想。「プロレタリア国際主義(プロレタリアン・インターナショナリズム)」ともいう。
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とあります。
「国際」と名のつく団体名などに、なんとなくいかがわしさを感じることが多かったのは、このあたりにも理由があるのかも知れません。
隠されてきた世界の作られ方、舞台裏を知っていくと、現在の危機が短期的なものでなく、いかに将来を変えてしまうかの分岐点、瀬戸際にあることを感じます。
いま、天皇とキリスト教について勉強していますが、日本は一神教をなじまないものと認識しながら、良いところは認め、全否定は極力避け、慎重な姿勢で距離を置きつつ、丁寧に取り扱ってきたのだなと改めて思います。
ところで、キリスト教は、イエス・キリストを祖としていると思いますが、イエス・キリストが述べた言葉自体は、ものすごく少ないのを知っていますか?
私はイエスさまもマリアさまも子供の頃から好きですが、聖書の大半は、弟子たちが伝聞として残した物語です。
ブッダの残した言葉も、仏教の経典とはかなり違うように感じますが、私は原始仏教のブッダの言葉、「犀の角のようにただ独り歩め」という言葉(スッタニパータ「第一 蛇の章」「犀の角」)が大好きです。
キリスト教の宣教師が奴隷貿易など、イエスさまが知ったら卒倒されるかもしれません。
ブッダもまた、仏教徒の戒名料がこんなにも高額になるとは、きっと想定外だったことでしょう。
そもそも、戒名いう制度でめまいを起こされるかもしれません。
太平洋戦争終戦後、マッカーサー元帥の日本占領政策のなかで、日本にキリスト教を普及させたいという熱意は非常に強く、天皇家からまず改宗させたいと、宮中にバイブルクラスを作りました。占領政策の理念を、キリスト教の信条である「寛容と公正」においています。
GHQの粛清を恐れ、各大学が学校名を自主的に変更したり、校歌の文言を変更したりする中、国際基督教大学(ICU)が、三鷹の中島飛行機研究所の広大な敷地を活用して設立されました。マッカーサーは設立運動を熱心に支持し、募金活動の名誉会長にも就任しました。
ICUの設立こそ日本人にキリスト教の教えを通じて民主主義を徹底させる偉大な要素であり、道徳再武装させるために必要なことだと捉えていたようです。
日本における募金活動の後援会長には、当時日銀総裁であった仏教徒の一萬田尚登が就任し、全国的で活発な運動となったそうです。天皇皇后両陛下ならびに皇族方からも募金を受け、秩父宮勢津子妃が名誉理事に着任しました。
ウィリアム・バンスは、国家神道の解体を指示したGHQの「神道指令」策定に大きな役割を果たしたアメリカ海軍の軍人です。
WGIPを主に担当した民間情報教育局(CIE)宗教文化資源課長として、あくまでも「政教分離」を目標としたため、マッカーサーの思惑とは異なり、キリスト教だけは例外というようなことにはなりませんでした。
結果的に、キリスト教はそれほど大きく信者数を増やせたわけではありません。
天皇陛下は祭祀長ですから、結果的にもちろん改宗はなさいませんし、改宗以前に、国家国民の平安をただひたすら祈るという日々を送られている天皇のお姿は、信仰のお姿ではありますが、宗教と呼ぶ範囲をはるかに超え、宗教とはもはやいえないものだと思います。
そして安寧を祈るために伝統的儀式を継承し、しっかりと守ってこられました。
こうしてみると神佑もあると思いますが、一神教に対する姿勢というものを、日本全体としては何とか持ち続けてこられたことが、グローバリズムの浸透を阻むことにつながっていたのかもしれません。
宗教としてのキリスト教は大きくは日本に根付きませんでしたが、キリスト教の真髄というべき「愛」は、大乗仏教の説く「慈悲」とともに、聖徳太子の生きた時代においても施政の中に感じ取れますし、奈良の大仏を作った聖武天皇や光明皇后の創設された「悲田院」にみられる社会福祉の心を推し量っても、すでに根付いていて、今の先進諸国においても最も暮らしの端々まで浸透しているのではないかと感じます。
ところが、いまやマネーという神に代わるものを、権力の象徴でもあるかのようにおし頂く無神論が幅を利かせ跋扈しています。
ポスト・グローバル、というと、ナショナリズムに直結して受け止められがちですが、日本は明治維新の頃の愛国心に戻るのではなく、体験知を加えた形で、新たな道を切り開いていかねばならないと思います。
教育制度などを温故知新で取り入れていく必要はあると思いますが、憲法や外交などを明治維新の頃に戻したのでは、暗い歴史を繰り返しかねないですし、さらにいえば、いま、という時代は、かつての壬申の乱のあった時代にも非常によく似ています。
天智天皇の時代、白村江(はくすきのえ)の戦いでの敗戦から、壬申の乱を経て、天武天皇の時代へ、そして律令政治が整えられ、記紀がまとめられて、まさに国難といえる危機を乗り越えました。
当時のことを、さまざまな本をめくりながら、自分の中でつなぎ合わせてみると、現在の半島・大陸との関係や、凶暴性を増していく某国の世界における危機、かつて日本はどのようにして乗り越えてきたのか、が、非常に切実なものとして感じ取れます。
このあたりのことは、なかなか納得のいく著作に出会えませんでした。
歴史書というジャンルからは少し外れるかもしれませんが、積さんに元刑務官で作家の坂本敏夫さんがお聞きするという対談形式の書が、もっとも貴重で、参考になると思います。
『記紀は時空の設計図』 デジタル書籍
積 哲夫 聞き手:坂本敏夫 SEKIパブリッシング 千円+税
http://www.seki-publishing.com/seki_pub/e-books.html
日本の歴史はもちろん、このところ世界の歴史にまで侵食しつつありますが、歴史をよく見直し、あらためて勉強しなおしたいと思いました。
「国」をなくし、バラバラになってしまうことのないように、早くPB黒字化目標を取り下げ、災害復旧や、道路補修、交通インフラなどの健全な公共投資を増やし、防衛費もきちんと手当てを整え、デフレ脱却を目指さなければいけないと思います。
そして、種子法廃止に代わるものをきちんと整える必要があります。
AIが進化して、ある意味において「意思を持つ」存在になったとき、あらゆるデータを解析して、持続可能な世界を保つために必要な考え方や存在の仕方を導き出す時代まで、もう少し。
三十年後、私はもう卒業していると思いますが、何とかしてバトンをつないで行きたいと思います。
そのときまで、しっかりした「国」として、日本の健全なあり方を形に、モデルを作り、維持していくこと、それが今、この国に生かされている私たちの使命であると考えています。
平成二十九年九月十五日
阿部 幸子
協力 ツチダクミコ
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